今日はとても風が強い。
家のベッドの中でゴーゴーという風の音を聞いていたら、ふと、マルマリスを思い出した。
ギリシャのロドス島へ向かうべく、フェリーを待っていたトルコの地中海沿いの南の地。
ここでは体調も悪かったし、安宿は最悪だったし、台風みたいな天気だったし…。
でも忘れられない場所なんだ…。
冬期だったため、ロドス島行きのフェリーは火・金の週に2回しか出ていなかった。その情報は、ここに来るまでわからなかったんだけど、Tくんが出発前にNETで調べた結果と合っていたんだ。でも、トルコのエージェントの言ってる事がヒトによって違うし、何を信用していいのか解らなくなっていた。
結果的にマルマリスで3日待たなきゃならなかった。でもこの台風みたいな強風で、海は土色でザップンザップンとかなり荒れている。火曜までにはなんとかなるかなあ~…って漠然と思っていた。
でも、私の体調も回復せず、薬もきかない。初日の宿を引き払って、そこより5リラ安い宿に移動。どっちもどっちだったけど、まだ海に近かった分こっちの方がいいかという感じ。その宿も、私が宿で寝てる間、雨の中Tくんが何軒もまわってズブ濡れで探して来た宿だった。
宿を移動しても、回復しない私は寝てるだけ…。Tくんはその間、フェリー会社に何回か足を運んでくれて、出航状況を聞いて来てくれていた。マーケットで買い物もしてきてくれて「何も食ってないじゃん。食べなきゃダメだよ。」って、フルーツジュースやフレーク、チーズを袋から出した。初日にお菓子しか買ってこなかったTくんに「ハムとかチーズがよかったなあ…」ってつぶやいたからだと思うんだけど、なんだかすごく嬉しかった。「せめてジュースのみなよ」そう言ってペットボトルをくれた。
夕方になって少し回復してきたので、外へ行ってみる事にした。この汚い宿では食欲も湧かなかったのだ。外の方がまだキレイじゃんレベル…。
安いレストランで久しぶりにパスタを食べたけど、美味しくない…。トルコでイタリアンに期待はしないけど…パスタゆで過ぎ。「美味しくないなあ」って言ったら「pinoさんてわがままだよね」ってTくん。「違うよ、舌がこえてるんだよ!会社にいると、今日のランチは何食べる~?とかそんなんだから、いやおうなしに舌はこえるんだよ。昨日はイタリアンだったから今日は中華ね♪とかさ」そりゃ、吉野屋とか松屋しか行かないような学生の食生活とは違うんだからさ…。
翌日、かなり回復した私。ふたりでフェリー会社へ行って、また聞いてみた。でも「明日にならないと解らない」って言われる。仕方ないので街を見学しながら、もし出航しない場合のスケジュールを考える…。とりあえずNET CAFEに入って、天気予報を調べた。海上の風速をチェックすると、24m。そうとうあるよね。火曜日にはいくらかおさまるみたいだけど、微妙。飛行機で行こうか? 取りあえずアテネまで。ギリシャに入ってしまえば、なんとでもなりそうだったからだ。トラベルエージェントに行って、エアチケットの料金を聞いたら400ドル以上だよ!日本に行けるかもしんない金額じゃん!って事で飛行機は断念。
その日は、スーパーで買い物したりして、宿の近くのケバブ屋で夕食をとった。
次の日の朝、またフェリー会社に行くと「明日の出航はキャンセルよ」って言われる。「ええ~~~?? マジ???」絶句するふたり…。「ああ、やっぱり自分で調べた結果を信じればよかった…」と言うTくん。そんなこと言われたら、カッパドキアにさそった私が責任感じちゃうじゃん…。カッパドキアに寄らなければ、予定通り金曜のフェリーに乗れたかも、なんだよね。って思って「ごめんね」って言うと「あれは俺が自分で決めたんだからpinoさんのせいじゃないよ?…金曜まで待とうかな…」って言う。でも、そこまで待ったら、ギリシャの滞在期間が減ってしまう。Tくんギリシャの方がメインだって言ってたじゃん!…考えていると、はっと思い出した。私がセルチュクで迷ったルート、チェシュメからフェリーでアテネのピレウスに行くのはどうだろ?Tくんに「長時間船に乗ってなきゃないけど、うまく行けば水曜にはミコノス島に行けるかも!」と言った。でも、やはり便は少ないだろうし、どうする?「調べよう!」ってTくん。急いでNET CAFEへ。Tくんは日本で調べたURLを記憶していて、なんだかスゴイ…。ひょっとしてクレバー?フェリーのタイムテーブルを調べると、火曜日出航があった。17時と時間まで掲載している。天気予報の風速もこっちよりは穏やかだった。念のために他のサイトも調べると、そっちは日程が違ってたりしてて、また不安になる。「でも、こっちはちゃんと2006年って毎日の日付けも書いてあるし、こっち信じていいんじゃない?ってか、信じようよ!どうせココにいたって金曜までする事ないもん。もしあっち行ってダメだったら戻ってこよ!」私たちはすぐにイズミール行きのバスチケットを購入。チェシュメへ直接行くバスはないので、イズミールっていう大きな街で乗り換えをしなきゃいけなかったのだ。
かくして、私たちはその日の4時のバスでマルマリスを出たのだった。
瞬間的に晴れ間は見えたものの、最後まで雨だったマルマリス。地中海のリゾートの街なハズなのに、私には風と雨と大波と、水も出ない薄暗く汚い安宿の印象しかない。…でも、マルマリスでの数日間を思い出すと、楽しかったような…せつない気持ちになる、何故か忘れる事のできない土地なのだ…。
家のベッドの中でゴーゴーという風の音を聞いていたら、ふと、マルマリスを思い出した。
ギリシャのロドス島へ向かうべく、フェリーを待っていたトルコの地中海沿いの南の地。
ここでは体調も悪かったし、安宿は最悪だったし、台風みたいな天気だったし…。
でも忘れられない場所なんだ…。
冬期だったため、ロドス島行きのフェリーは火・金の週に2回しか出ていなかった。その情報は、ここに来るまでわからなかったんだけど、Tくんが出発前にNETで調べた結果と合っていたんだ。でも、トルコのエージェントの言ってる事がヒトによって違うし、何を信用していいのか解らなくなっていた。
結果的にマルマリスで3日待たなきゃならなかった。でもこの台風みたいな強風で、海は土色でザップンザップンとかなり荒れている。火曜までにはなんとかなるかなあ~…って漠然と思っていた。
でも、私の体調も回復せず、薬もきかない。初日の宿を引き払って、そこより5リラ安い宿に移動。どっちもどっちだったけど、まだ海に近かった分こっちの方がいいかという感じ。その宿も、私が宿で寝てる間、雨の中Tくんが何軒もまわってズブ濡れで探して来た宿だった。
宿を移動しても、回復しない私は寝てるだけ…。Tくんはその間、フェリー会社に何回か足を運んでくれて、出航状況を聞いて来てくれていた。マーケットで買い物もしてきてくれて「何も食ってないじゃん。食べなきゃダメだよ。」って、フルーツジュースやフレーク、チーズを袋から出した。初日にお菓子しか買ってこなかったTくんに「ハムとかチーズがよかったなあ…」ってつぶやいたからだと思うんだけど、なんだかすごく嬉しかった。「せめてジュースのみなよ」そう言ってペットボトルをくれた。
夕方になって少し回復してきたので、外へ行ってみる事にした。この汚い宿では食欲も湧かなかったのだ。外の方がまだキレイじゃんレベル…。
安いレストランで久しぶりにパスタを食べたけど、美味しくない…。トルコでイタリアンに期待はしないけど…パスタゆで過ぎ。「美味しくないなあ」って言ったら「pinoさんてわがままだよね」ってTくん。「違うよ、舌がこえてるんだよ!会社にいると、今日のランチは何食べる~?とかそんなんだから、いやおうなしに舌はこえるんだよ。昨日はイタリアンだったから今日は中華ね♪とかさ」そりゃ、吉野屋とか松屋しか行かないような学生の食生活とは違うんだからさ…。
翌日、かなり回復した私。ふたりでフェリー会社へ行って、また聞いてみた。でも「明日にならないと解らない」って言われる。仕方ないので街を見学しながら、もし出航しない場合のスケジュールを考える…。とりあえずNET CAFEに入って、天気予報を調べた。海上の風速をチェックすると、24m。そうとうあるよね。火曜日にはいくらかおさまるみたいだけど、微妙。飛行機で行こうか? 取りあえずアテネまで。ギリシャに入ってしまえば、なんとでもなりそうだったからだ。トラベルエージェントに行って、エアチケットの料金を聞いたら400ドル以上だよ!日本に行けるかもしんない金額じゃん!って事で飛行機は断念。
その日は、スーパーで買い物したりして、宿の近くのケバブ屋で夕食をとった。
次の日の朝、またフェリー会社に行くと「明日の出航はキャンセルよ」って言われる。「ええ~~~?? マジ???」絶句するふたり…。「ああ、やっぱり自分で調べた結果を信じればよかった…」と言うTくん。そんなこと言われたら、カッパドキアにさそった私が責任感じちゃうじゃん…。カッパドキアに寄らなければ、予定通り金曜のフェリーに乗れたかも、なんだよね。って思って「ごめんね」って言うと「あれは俺が自分で決めたんだからpinoさんのせいじゃないよ?…金曜まで待とうかな…」って言う。でも、そこまで待ったら、ギリシャの滞在期間が減ってしまう。Tくんギリシャの方がメインだって言ってたじゃん!…考えていると、はっと思い出した。私がセルチュクで迷ったルート、チェシュメからフェリーでアテネのピレウスに行くのはどうだろ?Tくんに「長時間船に乗ってなきゃないけど、うまく行けば水曜にはミコノス島に行けるかも!」と言った。でも、やはり便は少ないだろうし、どうする?「調べよう!」ってTくん。急いでNET CAFEへ。Tくんは日本で調べたURLを記憶していて、なんだかスゴイ…。ひょっとしてクレバー?フェリーのタイムテーブルを調べると、火曜日出航があった。17時と時間まで掲載している。天気予報の風速もこっちよりは穏やかだった。念のために他のサイトも調べると、そっちは日程が違ってたりしてて、また不安になる。「でも、こっちはちゃんと2006年って毎日の日付けも書いてあるし、こっち信じていいんじゃない?ってか、信じようよ!どうせココにいたって金曜までする事ないもん。もしあっち行ってダメだったら戻ってこよ!」私たちはすぐにイズミール行きのバスチケットを購入。チェシュメへ直接行くバスはないので、イズミールっていう大きな街で乗り換えをしなきゃいけなかったのだ。
かくして、私たちはその日の4時のバスでマルマリスを出たのだった。
瞬間的に晴れ間は見えたものの、最後まで雨だったマルマリス。地中海のリゾートの街なハズなのに、私には風と雨と大波と、水も出ない薄暗く汚い安宿の印象しかない。…でも、マルマリスでの数日間を思い出すと、楽しかったような…せつない気持ちになる、何故か忘れる事のできない土地なのだ…。