小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

3月定例:一般質問(要約版)

2005年03月09日 | 一般質問
平成17年3月議会 一般質問要約版

●質問1:木造住宅耐震改修助成制度について
木造住宅耐震改修助成制度を提案するので所見を問う。
平成17年度より県事業で「木造住宅耐震診断促進事業」が開始される。これは昭和56年6月の建築基準法改正前に建築された木造住宅の簡易診断に対し県と町が10分の9補助し、本人負担10分の1で(3千円)簡易耐震診断が受けられる制度である。
阪神・淡路大震災では、教訓から全国的に木造住宅の耐震改修に注目が集まり助成制度を導入している自治体がある。
そこで福井県でも耐震診断促進事業が設けられたが、この事業は住宅の耐震補強の必要性を選別するものであり、耐震改修助成制度全体の入口部分の事業である。
耐震補強の必要性を知っておくだけでも大きな意味があるが、地震で倒壊しないように改修しておくことが大切である。
住宅の建築や改築は地域経済への波及効果の高い分野であり、耐震基準に満たない住宅の改修促進によって町内建築業者への仕事の創出も期待できる。
そこで、簡易診断で改修が必要と判定された住宅に対し次の補助制度創設を提案する。
○精密診断・改修計画書作成・耐震補強工事図面作成業務に5割補助。
○耐震補強工事に20万円を上限に5割補助。

【答弁(建設課長)】
木造住宅耐震診断促進事業は事業案の段階であり、2点の課題がある。
1点目は耐震診断士の確保と実績。高浜町内には2名の診断士の登録があるが、耐震診断の実績はなく、地元業者でどこまで出来るかという点。
2点目は、今後設立予定の(仮称)「福井県住宅耐震化促進協議会」設立に向けた建築士会や建築組合等との詰めがこれからであり、実施体制がまだ確立していない点。
このため、今後、県及び各市町村と協議を進めながら本町としての取り組みを検討する。
次に、議員提案の診断判定後の助成制度については、事業展開にもう少し研究が必要であり提案内容を参考にしながら検討する。

【要望(小幡)】
この事業は木造住宅耐震診断士の要請については、県事業で診断士養成も予定されており、町としても診断士養成に積極的な支援をお願いする。
診断事業すら開始されていない段階で改修助成制度の開始は難しいのは理解するが、今後の実施状況や全国的な動きも踏まえつつ、助成に向けた検討をお願いする。
いずれにしても地震で住宅被害が出ると、避難所の開設や仮説住宅の建設などが必要となり、住宅改修に助成した方がトータルの行政コストが安く済むとの考え方もある。また建築関係の需要喚起にも繋がることでもあり、ぜひ前向きな検討をお願いする。

●質問2:町長の選挙公約の実現について
昨年春の町長選挙後始めてとなる平成17年度予算案が今議会に提案された。選挙公約実現のための施策や予算に盛り込んだ事業などについて質問する。
まず第1点目の公約の「住民力の活用」と第2点目の「地域力の向上」について、公約を実現するための施策と新年度予算にどのように事業化されてかを問う。
次に第3点目の「民間力の活用」について、公共施設の管理・運営などに積極的な外部委託を行いうとあるが、外部委託の基本方針と新たに外部委託する公共施設はどの施設を考えているのかを問う。

【答弁(町長)】
「住民力の活用」については、道の駅管理運営事業として維持管理委託費を計上。
また、高浜町社会福祉協議会内にボランティア団体への支援や福祉活動貸出教材を整備するなど福祉教育の推進を図っており、地域福祉活動助成事業として補助金を計上している。
「地域力の向上」については、町内各地域での住民活動の拠点となる公民館の整備を促進しており、中央・和田・青郷の各公民館の管理運営事業および活動事業に係る諸経費や内浦公民館建設事業として設計委託料、工事請負費を計上している。
また、農業面においても新規事業としては広域営農を検討する組織等が設立された場合に対し、事務費の一部を支援するための補助金を計上している。
さらに、平成17年度より建設開始する若狭高浜駅併設施設について、単なる駅舎整備ではなく、地域住民の活動の場となる機能を備えた施設建設を目指しており、駅前整備事業として工事請負費、用地取得費、物件補償費等を計上している。
「民間力の活用」の基本方針は、指定管理者制度を有効活用し事業目的と環境に応じた適切なアウトソ-シングを目指す。新たに外部委託する施設としては、今議会に提案した7施設のほか、若狭高浜駅併設施設、老人いこいの家「瑞祥苑」等数施設を検討している。

【再質問(小幡)】
今後、行政が行う住民サービス分野にも住民力を活用していくことが求められており、そのためにはきちんとした受け皿が必要である。
このため、高浜町内にNPO団体を育成支援することが必要でありこの事業を提案する。これが、住民力の活用ということでは一番の近道ではないかと思う。
次に、公民館を核として地域力アップを図る方針とのことであるが、公民館はあくまで社会教育施設という位置づけである。従って、地域力のアップや地域自立といったことまで公民館に担わせることが正しい姿なのか若干疑義を感じるが、この点について教育長の見解を問う。
また、公共施設管理に指定管理者制度を活用するということなので、今後は、直営で管理されている施設にもこの制度を拡大適用していくことも視野に入れて検討願う。
例えば、各地区の児童センターをNPOに管理代行させて、学童保育やその他の様々な子育てサービスを提供するなどの活用が考えられる。ぜひ検討をお願いする。

【再答弁(町長)】
住民力のアップは住民から自発的に活動が盛り上がってくるべきであり、NPOなどの組織も行政が主導して支援していくものではないと考える。
また、公民館についても各館長が教育委員会とも連携しながら自発的な活動として頑張って、立派な公民館活動を実施しておられる。

【再答弁(教育長)】
行政の立場は住民の支援が基本である。また、もうひとつ必要なものが住民合意である。

【要望(小幡)】
NPOは住民自らが立ち上げるべきものというのは理解できるが、例えば行政がボランティアを募集して行政の筋書き通りにその事業をボランティアにやってもらうこと自体が私に言わせれば行政主導である。
今後は、こうしたボランティアの活用策ではなく、企画段階から人集めまで、全てボランティア団体にやってもらう仕事もあるわけであり、こうした展開のためにはきちんとした組織が必要である。従って、このためのNPOの育成支援であり、行政主導という意味を履き違えないでほしい。行政主導の行政運営を改めて、住民と協働できる体制づくり・受け皿づくりの提案であることを理解願いたい。

3月定例会4日目:一般質問(完全版)

2005年03月09日 | 一般質問
平成17年3月議会 一般質問フルテキスト版

●質問1:木造住宅耐震改修助成制度について
木造住宅の耐震改修助成制度について提案いたしますので、理事者の所見を伺います。
木造住宅の耐震改修につきましては、平成17年度より県の事業として、「木造住宅耐震診断促進事業」が開始されました。この事業は、昭和56年6月の建築基準法改正前、即ち現行の耐震基準ではない古い基準で建築された木造住宅について、簡易診断(定額3万円)に対し、県が10分の6(1万8千円)、町が10分の3(9千円)を補助し、本人負担は、10分の1、すなわち3千円で自分の家の簡易耐震診断が受けられるという補助制度です。

さて、平成7年に発生した阪神・淡路大震災では、犠牲者の死因の88%が家屋の倒壊だったといわれております。そして、この倒壊家屋の大部分が今申し上げた昭和56年6月以前に建築された古い家屋だったという調査結果があります。
このことが契機となり、全国的に木造住宅の耐震診断と耐震改修に注目が集まって、先進的な自治体では耐震改修に係わる助成制度を導入し始めております。
これは東海地震、東南海地震、南海地震などの危機感から、どちらかといえば太平洋側の自治体が進んでおりました。しかし昨年の中越地震のように、地震は何も太平洋側だけのものではもちろんありません。

そこで今回、福井県でも遅ればせながら、簡易診断の助成制度が設けられたということです。
簡易耐震診断は、いうまでもなく、住宅の耐震補強工事を実施する必要があるかないかを選別するためのものです。従いまして、県の事業は耐震改修助成制度全体の中の、その入口についての補助事業をまずは創設したといえます。

さて、ここで、木造住宅の簡易耐震診断から補強工事までの全体の流れについて、町民の方にはご存知ない方もおられると思いますので少し説明させていただきます。

町民みなさまの大切な住宅が、今申し上げた昭和56年6月以前に建築されたものであれば、まずは素人の方でも実施出来る簡単な診断がありますがこれはさておいて、まずは専門家による調査ということになりますと、簡易現地診断の実施ということになります。この診断は、一定の資格要件を有する県が認定する「木造住宅耐震診断士」という者が現地を確認しながら耐震性を診断します。これの費用が3万円で、今回、県が始める補助事業であり、冒頭申し上げた通り、自己負担3千円で実施することができるのです。もちろん、県の事業に高浜町が乗ればということにはなりますが。
この簡易現地診断を人間でいえば、健康診断や人間ドッグのようなものだと考えてください。

ここで大切なことは、この診断によって耐震性能に問題ありと診断された場合です。この場合、次に、精密診断の実施と改修計画書の作成が必要となります。これの費用が先行自治体の例ですが、概ね5万円となります。
これを人間でいえば、ドッグで異常が見つかったので、検査入院するようなものと考えてください。
そして、次に、耐震補強工事図面の作成が必要となります。この費用が概ね12万円です。そして、最後に、簡易耐震補強工事となります。当然、この耐震補強工事費用は、ケースによって金額は異なってきます。
これらは、人間でいえば手術などの治療に該当します。

もちろん、自分の家が万一の地震の時に倒壊する危険性があるかないかを知っておくことだけでも大きな意味があります。しかし、その危険な住宅をきちんと改修して、万一の地震の際にも倒壊しないようにしておくことが大切なことはいうまでもありません。
そこで私は今回高浜町独自で以下の補助制度の創設を提案するものであります。

まず先ほど申し上げた、精密診断・改修計画書の作成費用約5万円に対して半額の約2万5千円を補助します。次に、耐震補強工事図面の作成費用約12万円に対してこれも半額の6万円を補助します。そして、簡易耐震補強工事:耐震補強工事に対して20万円を上限にこれも5割補助を実施します。
以上の助成措置により、補助金の合計額は最大約30万3千円となります。当然、財政上の問題もありますので、年度で助成額の総額の枠を設定しておきます。
また、この制度の対象は所定の基準を満たす、予め登録した町内業者に限定しておくことが必要です。
次に財源ですが、現在、高浜町には既に住宅改修費助成制度と環境配慮型住宅整備設置促進事業が実施されておりその予算も取られていますが、利用頻度が低いのが現状です。
平成17年度予算では、この助成制度が合わせて800万円設定されており、まずはこの予算枠内の中で、木造住宅耐震改修助成にも拡大することが考えられます。
そして、状況を見ながら予算枠についても必要があれば見直しを図っていってはどうかと思います。

住宅の耐震診断を実施し、補強が必要と判断されれば、必要な改修をしたいと思うのは普通の感覚です。そこで、この補助制度を創設することにより、そうした需要の喚起が図れることになります。高浜小学校や内浦小中学校のように、あわせてリフォームを希望される方も出てくると思います。
住宅の建築や改築は非常に経済波及効果の高い分野であります。 
耐震基準に満たない住宅の改修促進によって町内建築業者への仕事の創出を図ることは大きな意味があるといえます。

それともうひとつ、住民の安全確保という視点です。地震は予知することも防ぐことも出来ませんが、震災は工夫次第で予測することも防ぐことも出来ます。地震発生の際、1本の筋交い、1個の補強金具で救える命がきっとあるということを申し添えておきます。

【答弁(建設課長)】
今ほど、小幡議員からは、詳細な事業説明とともに本制度に対する新たな提案をして頂きまして、私の方から付け足す説明は殆ど御座いませんので、「木造住宅の耐震改修助成制度」に対する今後の取り組みと検討課題についてお答え致します。
まず、県より事業提案されている制度の本旨は、昭和56年5月31日以前に着工された一戸建て木造住宅の耐震診断を促進するため、この診断に係る費用負担を、各市町村が事業主体となり補助していくものであります。従って、住宅所有者である個人負担を、診断費用の10分の1の三千円とし、耐震診断士による判定を受けやすくする制度となっています。なお、現在は事業案の段階でありますが、補助率の申請については、国が4.5/10、県が3/10、市町村が1.5/10となっていますが、各市町村の需要動向と費用負担に格差があり、今後の検討課題として、事業確定にはまだ少しの時間を要する状況です。この現状での課題は2点ございまして、1点目は、耐震診断士の確保と実績でございますが、高浜町内では2名の方の登録がある訳ですが、耐震診断の実績は0件であり、地元業者での指導相談及びアフターフォローが、どの様な形で出来るのかと言うことです。2点目は、県の手続きの流れとして、今後設立予定の、仮称「福井県住宅耐震化促進協議会」と業務委託契約を結び、個人が申込む診断業務をその会員が行うこととしています。この協議会は、県の建築士会や建築組合連合会等、既存の建築関係団体からなるものですが、各支部との詰めがこれからであり、実施体制が未だ確立していません。この様な現状から、県建築住宅課及び各市町村との協議を進めながら、本町としての取り組みを検討して参りたいと考えますので、ご理解を賜るようお願いします。
次に、診断判定後のフォローアップについてでありますが、議員ご提案の助成制度については、今後の事業展開に今少しの工夫、研究が必要と思われますので、内容については参考にしながら検討致したいと考えています。しかしながら、現行の住宅改修費助成制度との関連を考えますと、住民の耐震改修の意識程度と住宅改修の意向とには乖離があり、必ずしも、可及的に新たな制度を設置するのではなく現行制度で十分対応可能であると考えます。ただ、自らの住宅リフォームをすることと、震災に対する生命財産の保全を行うこととは、行政責任上、次元の違う扱いであることは、充分承知をしておりますので、住民の安心安全に立った事業として取り組んで参りますのでご理解のほど宜しくお願致します。

【要望(小幡)】
この事業はまずは木造住宅耐震診断士の要請が必要。県の事業でも診断士養成が予定されているので、町としても診断士養成に積極的な支援をお願いする。
まだ、診断事業すら開始されていないので、すぐに改修助成制度を開始するのは難しいことは理解するが、今後耐震診断の実施状況や全国的な動きも踏まえつつ、助成に向けた検討をお願いする。
いずれにしても一旦、地震が発生して住宅の倒壊などが起こると、結局、行政で避難所の開設や仮説住宅の建設などを実施しなければならなくなる。それならば住宅改修に助成した方が建築関係の需要喚起にも繋がり、トータルコストも安くなる。ぜひ前向きな検討をお願いする。

●質問2:町長の選挙公約の実現について
昨年春の町長選挙後始めてとなる平成17年度予算案が今議会に提案されました。
そこで、選挙公約を実現するための施策や、新年度予算に盛り込まれた事業などについて数点質問いたします。

まず質問に入る前に、地方の自立と選挙公約に関して、若干、私の考え方を申し上げます。
ご承知の通り平成12年4月に地方分権一括法が成立しました。これは全部で475本もの法改正を伴う大改革であり、これにより国と地方の関係が、上・下あるいは主・従の関係から、対等の立場に変わりました。
これを簡単に言いますと、今まで県知事は会社でいえば支店長で市町村長は営業所長という位置づけであったものが、市町村長も会社で言えば経営者、社長になったということです。
そこで、これをチャンスととらえて自分の経営理念をきちんと示して自治体を経営する首長が出てきて、そのことが自治体間の経営力の格差となって表れてきているように感じます。
さて、会社の社長と営業所長の大きな違いは何かといいますと、経営理念やポリシーを持っているか、持っていないかということです。

会社の社長は株主が選びますが、自治体の首長は住民が選挙で選びます。
最近では、今申し上げた自治体を巡る環境の大きな変化から、選挙の際に、自治体経営の理念やポリシーを住民に示して、選挙戦が戦われるようになってきました。これがいわゆるマニフェストというものです。

マニフェストで選挙を戦うメリットは、まずは、今申しあげた経営理念やポリシーが地方自治にとって大変大切なことでありますので、選挙の際に住民にこれらのポリシーを分かりやすく説明することができるということがあります。
そしてもうひとつ大切なことが、選挙によってマニフェストそのものも住民から信任を得られるわけですから、当選後に首長が政策を実現していく過程においてはマニフェストが錦の御旗になるわけです。マニフェストに書かれた施策は、主権者である住民から信任を受けている訳ですから、多少、厳しい内容であっても自身を持って実行できるのです。

しかし、地方選挙では選挙中にマニフェストを書いた印刷物を配布することが認められていません。従って今でも地方選挙では従来型の選挙公約で戦われることが多く、これは制度上仕方がないことです。
最近では地方選挙でもマニフェストを配布可能なように公職選挙法の改正を求める動きもありますが、私は従来型の選挙公約でも基本は同じことが言えるのではないかなと考えております。

ただし従来型の選挙公約には、通常は実現方法や期限、財源などまでは書かれていませんので、政策の実行段階では、選挙公約と現実に実施される施策の関係に若干の分かりにくさがあります。
従って、公約に掲げたことに対しては、それを実現するための施策や実施する事業などについて体系的に説明する作業がぜひとも必要になってきます。

そこで、今回、一般質問にて町長の選挙公約について今年度に実施される事業との体系的な関係といったものについて明らかにするために質問をしたわけであります。

前置きが長くなりましたが、質問に入らせていただきます。

まず第1点目の公約の、住民力の活用についてです。
『3セク事業で培ったノウハウや、各種ボランティア活動の効果をさらに高める支援を行い、住民の声と力を町づくりに反映します』との公約について、この公約を実現するための施策にはどのようなものがあって、新年度予算にはどのように事業化されているのかについてお伺いいたします。

次に第2点目の公約の、地域力の向上についてです。
『固有の歴史や文化を持つ各集落の「地域力」を高めることで、自立できる地域づくりの支援を行います』との公約について、この公約を実現するための施策にはどのようなものがあって、新年度予算にどのように事業化されているのかをお伺いします。

次に第3点目の公約の、民間力の活用についてです。
『公共施設の管理・運営などに積極的な外部委託を行い、民間活力を活用します』との公約について、積極的に外部委託化するにあたって基本となる方針はどのようなもので、新たに管理・運営を外部委託する公共施設としてはどの施設を考えているのかをお伺いします。

【答弁(町長)】
私が、昨年4月に実施されました町長選挙に立候補した際、公約に掲げました「5つの宣言」は、21世紀の行政手法のキ-ワ-ドは「住民との協動」だと言われる中、これからの自治体の活性化は行政運営に対し、どれだけ多くの住民参画を得るかにかかっているという思いを込め、「さらなる挑戦」のテ-マのもとに掲げたものであります。
これら選挙公約の実現についてでありますが、まず「住民力の活用」であります。例えば、道の駅「シーサイド高浜」を管理・運営している「活生タウン高浜」は、民間主導型企業の発想による様々な事業展開によって、平成14年5月のオ-プン以来、利用者数が153万人を突破するなど大きな成果を上げております。民間ならではのノウハウは、各層各種団体等住民全体を巻き込んでの事業展開など、町の振興発展に大きく期待を抱かせるものであります。
この予算措置としては、道の駅管理運営事業として道の駅駐車場、公衆トイレおよび公園部分の維持管理の委託費を計上いたしております。
また、ボランティア活動を支援するため高浜町社会福祉協議会内にボランティア団体への支援や福祉活動貸出教材を整備するなど福祉教育の推進を図っております。この予算措置としては、地域福祉活動助成事業として補助金を計上いたしております。
次に「地域力の向上」につきましては、高浜・和田・青郷・内浦といった地域別で有るとか、各行政区単位とか、その居住地域に根ざした「住民活動の活性化」のことであります。例えば、町内各地域での住民活動の拠点となる公民館の整備を促進しており、青郷公民館や和田公民館の活用においても実証されているとおり、地域の皆さんの大変熱い取組みの中で、地域力が高まり活性化する様子が手に取るように見えてまいります。
特に青郷地域では、大変活発な公民館活動に止まらず、青郷駅についても新しい駅は青郷のシンボルであり我々共有の財産であるとの認識から青郷を良くするボランティアの団体が大人も子供も一緒になって、石材も重機も無償提供される方もあり、それこそ青郷地区一体となって力を合わせ駅前花壇を整備される姿を見て大きな感動を受けました。
このグループは、関屋川の美化運動でも大きな成果をあげておられます。
このことこそ正に地域力の向上と大きな期待をもっております。その他の地域にも波及することを願っております。
この予算措置としては、中央・和田・青郷の各公民館の管理運営事業および活動事業に係る諸経費や内浦公民館建設事業として設計委託料、工事請負費を計上致しております。 また、農業面においても新規事業としては広域営農を検討する組織等が設立された場合に対し、事務費の1部を支援するための補助金を計上しております。
さらに、平成17年度より建設を開始する若狭高浜駅併設施設につきましても、単なる駅舎整備ではなく、地域住民の活動の場となる機能を備えた施設建設を目指しております。この予算措置としては、駅前整備事業として工事請負費、用地取得費、物件補償費等を計上致しております。
最後に「民間力の活用」に関する基本的な方針につきましては、地方自治法の改正により新たに導入された指定管理者制度を有効活用すると共に、事業目的と環境に応じた適切なアウトソ-シングを目指したいと考えております。
また、新たに管理・運営を外部委託する施設といましては、既に本議会において指定管理者の指定について提案しております7つの施設のほか、若狭高浜駅併設施設、老人いこいの家「瑞祥苑」等数施設について、その妥当性・時期等検討し順次取組みたく考えております。
以上3つの活用に「職員力のアップ」を加え、これら4つの力を結集させ、すべての町民が安心して暮らせる町づくりを行うという5つの宣言を行った訳であり、説明のとおり新年度に種々予算化しておりますので、ご理解願います。

【再質問(小幡)】
確かに最近では各地でボランティア活動が活発化しています。この住民の力を行政が実施する住民サービスの分野にも広げていくことが大切です。ところで、先日議会で東京の三鷹市立第4小学校へ視察に行きましたが、この学校はコミュニティースクールとして全国的に有名です。和田小学校でも同様の取り組みをしておりますので、和田小学校との違いについて視察しましたが、ボランティアの活動レベルではほとんど違いはありませんでした。では、なぜ三鷹第4小学校が文部科学省内でも有名となり、和田小学校はそれほどでもないのかといえば、それはボランティアを運営する組織の違いにあるのではないかと感じました。当然、和田小学校でも学校運営協議会が非常に頑張って活動しておられるわけですが、三鷹第4小学校の場合は、この組織にNPOを立ち上げて運営されています。NPOであれば自主財源の確保や人材の確保ができるため、自立した活動が展開できるというわけです。
そこで、今後住民力を、行政が行う住民サービスの分野にも活用していこうとするのであれば、きちんとした受け皿を作っていく必要があります。
このためには、行政主導で高浜町内にNPO団体を育成支援する事業が必要であり提案します。これが一見遠回りなようで、住民力の活用ということでは一番の近道ではないかと思っております。

次に地域力の活用についてですが、確かに公民館を核とした活動に大きな成果が上がっていることは認識しております。しかしながら、公民館はあくまで社会教育施設という位置づけにあります。地域力のアップや地域自立といったことまで、公民館に担わせることが正しい姿なのか若干疑義を感じますがこの点について教育長の見解を伺います。

次に民間力の活用で、公共施設の管理に指定管理者制度を活用していくという考え方のようですが、これには私も賛成です。今後は、直営で管理されている公共施設にもこの制度を拡大適用していくことも視野に入れて抜本的に検討していただきたいと思います。
例えば各地区の児童センターをNPOに管理代行させて、学童保育やその他の様々な子育てサービスを提供するなどの活用が考えられます。ぜひ検討をお願いします。

【再答弁(町長)】
住民力のアップは住民から自発的に活動が盛り上がってくるべきであり、NPOなどの組織も行政が主導して支援していくものではないと考える。
また、公民館についても各館長が教育委員会とも連携しながら自発的な活動として頑張って、立派な公民館活動を実施しておられる。

【再答弁(教育長)】
行政の立場は住民の支援が基本である。また、もうひとつ必要なものが住民合意である。

【要望(小幡)】
NPOは行政主導ではなく住民自らが立ち上げるべきものというのは、その通りです。
しかし、例えば行政としてこの仕事をボランティアにお願いしたいと考えた時、そのためには行政がボランティアを募集してその事業をやってもらうことになるが、私に言わせればこれこそが行政主導であるといえます。
こうしたスタイルでのボランティアの活用ではなく、企画段階から人集めまで、全てボランティア団体にやってもらうことができる行政の仕事もあるわけであり、こうしたことを展開をしていくためにはきちんとした受け皿となる組織が必要です。今後、こうした受け皿を作っていかなければ、行政のスリム化は達成できません。従って、このためのNPOの育成支援であり、行政主導という意味を履き違えないでほしいと思います。つまり、現状の行政主導の行政運営を改めるために、住民との協働できる体制づくり・受け皿づくりとしての提案であることを理解願います。
また、公民館活動についての質問は、町長の答弁では、私が公民館活動を批判しているように聞こえるが、公民館の役割というものを質問したのであり、その点は誤解のないよう申し上げておきます。