『真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト)』
対応ゲーム機 : PS3・PS Vita
発売日 : 2011/12/17
希望小売価格 : パッケージ版 = 6,090円 ・ ダウンロード版(PS Vita版のみ) = 4,980円(ともに税込)
ジャンル : サウンドノベル
プレイ人数 : 1~100人
通信機能 : インターネット通信プレイ対応
CERO : D(17才以上対象)
◆== 参考データ ========================◆
購入した対応ゲーム機 : PS3版
購入価格 :5,176円(税込)
プレイ内容 :
├→ 本編をクリア
├→ サイドストーリーも1つクリア・他のストーリーを探し中
└→ 「みんなでかまいたち」で難易度1の事件に1回挑戦(最大難易度は5)
本編クリアまでのプレイ時間(目安) : ●●○○○
●○○○○ … 5時間未満
●●○○○ … 5~15時間
●●●○○ … 15~30時間
●●●●○ … 30~50時間
●●●●● … 50時間以上
◆====================================◆
●= 概要 =●
サウンドノベルゲームの代表作『かまいたちの夜』シリーズの最新作です。
シリーズ作品特有のビジュアルはそのままに、登場人物を一新。新たなメンバーで起こるペンションでの殺人事件が語られます。いつもの如く、選択肢によって運命が変化。様々なバットエンディングなどをもとに、真のエンディングへとたどり着きましょう。
また、インターネット通信に接続して楽しめる「みんなでかまいたち」というモードも収録されています。
今回、1回目のインプレッションとなります。
本編+1つのサイドストーリーをクリアし、「みんなでかまいたち」は1度だけ挑戦しています。
また、私は全シリーズ作品をプレイしたことがありますが、本格的に遊び始めたのは『2』から。初代はあまりプレイしていないというか、クリアしていない人間です。そのうえでの評価であることをご了承下さい。
◆== 基本的な流れ ==◆
いつも通りです。…いや、それで済ませませんよ(笑)
まずは、今作の本編「ミステリー編」を楽しみます。
選択肢によって物語が変わり、見事グッドエンディングを迎えることができれば、様々な色のしおりを獲得でき、本編に新しい選択肢が増えます。
「完」で終わればグッドエンディング。「終」で終わればバットエンディングです。
その新しい選択肢を改めて探し、そこから全く違う展開となるサイドストーリーに進むことが出来ます。
是非、ストーリーとエンディングのフルコンプリートを目指してみましょう。
◆== 新たなスタイルの推理について ==◆
選択肢によって物語が変化するのは過去のシリーズ作品と同じですが、今回はさらに「おさわり選択肢」や「推理システム」などの新しい要素があります。
とりあえず、体験したものだけ紹介します。
||===|| おさわり選択肢 ||===||
部屋を自由に見回せる状態になります。気になる箇所を調べると、調べたところに応じて物語が進みます。
1回調べると物語が先に進んでしまう場合と、特定の箇所を調べるまで物語が先に進まない場合とがあります。また、調べた箇所に応じて物語の新たな分岐が生まれることもあります。
なお、上の画像はPS Vita版で画面に直接タッチするようになっていますが、PS3版では虫メガメみたいなカーソルが表示されて、スティックで移動。○ボタンで調べます。
||===|| 推理システム ||===||
右と左にいくつかのキーワードが並びます。その中から1つずつを選択して組み合わせることで、新しい推理が生まれ、それが物語の新たな分岐を生みます。
組み合わさるキーワードは限定されていますが、組み合わせに失敗しても何度でも挑戦できるので、総当りでもいけるっぽいです。
||===|| シークレット選択肢 ||===||
選択肢の横に制限時間があり、0になると新たな選択肢が出てきます。
ただし、0になる前にあった選択肢は全部消えてしまうので、選択の余地がなくなる点はご注意下さい。
◆== 「みんなでかまいたち」について ==◆
最大100人で楽しめる、推理競争ゲームです。
あくまで”共有しつつ競争する”という楽しみかたであって、犯人とその他に分かれて云々という仕組みではありません。
まず、参加を募集しているルームに”予約”する必要があります。
難易度や事件の内容(嘘つきがいるかいないか?など)、推理完了で獲得できる最大ポイントなどを参考に、選択しましょう。
ルームは自分で新たに作成することもできるようです。(ただし、PS3フレンドが10人以上いることが条件となっています。私はできない…(哀))
予約が締め切られると、ゲーム開始です。
各プレイヤーは決められた期間内に、様々な証言を”カード”として獲得し、それを参考にして「犯人」「凶器になり得る各道具を持っていた人物」「凶器として使われた道具」「事件時に各人物がいた場所」「死体が隠された場所」を推理します。
※今回私が体験したのをもとに書いており、推理する内容は事件によって変わるかもしれません。
||===|| 証言カードを集める ||===||
まずは、証言のカードを獲得するところから始めます。獲得する方法は2種類。”捜査”と”偵察”です。
”捜査”は、容疑者候補となっている人物と聞く内容を選択することで、証言カードを獲得します。
”偵察”は、同じ事件に参加しているプレイヤーの証言カードを盗み見て獲得することができます。カードが防御されていた場合は無効となりますが、3回連続で偵察すれば防御も打ち破れます。
”捜査”できる回数・”偵察”できる回数・カードに”防御”を設定できる数は制限があり、1日経つごとに回復。回復量や最大量は各事件によって異なります。ちなみに私が最初に挑戦した事件では、”捜査”ができませんでした。
||===|| 「ざしきわらしカード」を使用する ||===||
”偵察”によって、証言カードと同じように「○○のざしきわらしカード」というのが手に入ることがあります。
「犯人のざしきわらし」「凶器のざしきわらし」「場所のざしきわらし」の3種類があり、それぞれ1日に1枚だけ使用することができます。
「犯人のざしきわらしカード」を例にお話します。
使用すると、まずは容疑者候補のなかから犯人だと思う人を1人もしくは複数人選択します。そのあと”おつげを聞く”を選択すると、選択したなかに犯人がいるかいないか?を聞くことができます。
聞いた内容は証言カードとして追加されます。(このタイプの証言カードには防御が設定できないので、盗み見られることもないと思われます)
||===|| 「かまいったー」でつぶやいてみる ||===||
自分のイメージ画像の横に、吹き出しウインドウがあります。ここに、一言コメントを書くことができます。
数ある単語や接続詞を選択して組み合わせて、記入します。
書く内容は自由なので、自分の得た情報を他人と共有したり。わざとウソを付いたり。あるいは、他のプレイヤーがウソを付いていたら「○○はウソつきだ」みたいなことを言ってもいいし。思い思いに利用するといいでしょう。
||===|| マトリックス表で推理 ||===||
ある程度証言が集まってきたら、それを元に推理していきましょう。上の画像の「マトリックス表」と呼ばれるものに、○や×を記入していきます。
例えばオーモリが犯人だと思うのなら、”オーモリ”と”犯人”の交わるマスに○を付けます。犯行場所が食堂だと思うのなら、”犯行の凶器・場所”と”食堂”の交わるマスに○を付けます。○を付ければ、×が確定したポイントには自動で×が付きます。
マトリックス表を分かるところだけ埋めたら、「推理する」を選択します。○や×を埋めたマスが正解かどうかを判定してくれます。全て正解なら「正解」と出て、埋めたマスの数に応じてポイントを獲得。1つでも間違っている場合は「不正解」と出て、大幅減点されます。
推理できるのは1日に1回だけ。確実に分かっているマスだけを埋めましょう。また、「犯人」「凶器」「犯行の場所」の3つさえ正解すればクリア扱いとなりますが、さらに「凶器となり得る各道具を持っていた人物」や「各人物がいた場所」も全て推理できれば”真クリア”扱いとなるようです。
■== partygameの評価 ==■ … 82点(100点満点)
良くも悪くもいつも通りな印象 「みんなでかまいたち」はサクッと楽しめます
○=良かった点
△=人それぞれ or 気になったけど悪いというほどではない点
×=悪かった点
||===|| ○ 演出面は慣れたものです ||===||
人物がシルエットであるいつものビジュアルですが、全体的にカメラの動きが多くなり、臨場感は増したように思います。
(今のところは)生々しい演出は抑え目になった気がするものの、そこは小説ですから。言葉でしっかり雰囲気を出しています。
3DのグラフィックはPS3レベル…とまではいかず、3Dグラフィックをふんだんに使用している場面と実写を使用している場面でだいぶグラフィックの差を感じましたが、グラフィックのクオリティをウリにしている作品ではないので。別にいいかな~とは思います。
||===|| ○ シナリオもGOOD ||===||
ここらへんは、小説を読み慣れているかどうか?とかでもだいぶ違うとは思います。
私は、ドラマも見なければ小説も読まない人間なので、こういった作品に触れる機会は少ないです。
あと、私はこのシリーズ作品の”雰囲気を楽しんでいる”ところが強かったりするので、雰囲気や話の流れに重きをおいた楽しみ方をする人間です。
そんな私からすれば、充分な出来だったとは思います。というか、正直言うと泣いちゃったし(笑)
話の絡み的にはちょっとあっさり気味な気もしましたし、どこかで聞いたことのあるようなトリック?ではありましたが、星の数ほど物語が存在するいま、完全に新しいミステリーを描けって言うのが無理な話である気がします。
私みたいなタイプじゃない人はどうか?と言うと、そうですね…。2のような突拍子もないトリックではないので現実味はありますが、本格的なミステリーというか。複雑に絡みあったトリックとかそういうのを期待すると、たぶん肩透かしを食らうと思います。
||===|| △ 「かまいたち」は関係なし? ||===||
「かまいたちの夜」というタイトルですが、少なくとも本編に”かまいたち”なんて言葉は一言も出てきません(笑)
それ以外のストーリーでは”そこはかとなく”出てきますが、多少無理やりな感じがあるというか。ネタ的に使用されているくらいなので。
「かまいたちの夜」というタイトル名そのものは、シリーズものですよ~ということを示すものでしかないということを、言っておきます。
||===|| △ 登場人物について ||===||
今回、登場人物が一新したということで、名前を覚えるのが苦手な私はちょっと苦労しました(笑)
ま、それはどうでもいいとしまして…。今回のメンバーが気に入るかどうかは人それぞれだと思いますが、「アニメおたく」はちょっとやり過ぎかな~と。
好ましいと思う人が極端に少ないタイプで、しかも本編には必要あったようななかったような、そんな感じでしたので。正直、ねじ込む必要はあったのかと思ってしまいました。せめて、別のストーリーで誰かが「アニメおたく」になって云々という設定でも良かった気がします。いや、それはそれでイヤだな(苦笑)
||===|| △ ボイスついて ||===||
シリーズでは初めて、一部のセリフで音声が流れるようになりました。ちなみに、ボイスのON/OFFはできません。
シリーズ作品を愛してやまない人なんかはこの時点で×だそうですが、私は他の作品でも散々ボイスなんて聞いているので、何てことはありませんでした。
ただ、ボイスが流れる場面にあまり法則性がない気がしました。
重要な場面で流れるのかと思いましたが、重要そうな場面でもボイスがあったりなかったり。フルボイスになるとテンポが悪くなるので、一部にボイスを入れるという手段はいいのですが、イマイチ統制が取れていない気がしました。
||===|| △ おさわり選択肢について ||===||
まあ、システムの名前からしてPS Vita版を基準にして考えたものなんでしょうね。
それは別にいいんですが、虫メガネアイコンが何の反応もないので、どこが調べられるかもよく分からず、新しい選択肢が眠っているかどうかも分からないので、適当に総あたりすることになります。
会話のパターンや意外性も少なく、いわゆる作業ゲームになりがちなので、アイコンが反応するといった処置くらいは欲しかった気がします。
そうなるとPS Vita版はどうするの?って言われそうですが、タッチした時にアイコンが出て、タッチしたままスライドして、アイコンが反応しているところで離す、とかでいいんじゃないでしょうか?
||===|| △ 「みんなでかまいたち」について ||===||
結論から言うと、ソーシャルアプリに近い仕組みです。
限られた捜査や偵察で情報を集め、それをもとにマトリックス表を埋めていくという単純な構成。
今回私が挑戦したのは極簡単なレベルでしたが、難易度が上がれば”ウソつき”がいたりするので、頭のひねり具合はだいぶ変わるでしょうね。
1日でできることは少なく、せいぜい10分程度で終わるでしょう。サーバーの問題が何とかなるなら、携帯電話でも展開できる内容です。別のゲームソフトを遊びつつ、ついででこのモードを楽しむという感じです。
PS Vita版を基準に作成された作品なんでしょうから、この仕組みはいいと思いますが、PS3にはちょっと軽すぎるというか。
PS3で他のゲームを遊んでいる人が、1日10分だけ楽しむためにこの作品のディスクに入れ替えて起動してくれるか?というと、ちょっと疑問です。
その他、気になったことをいくつか。
―→防御は、設定した翌日から機能するようになっていますが、証言カードについては”盗み見る”だけであって、なくなるわけではありません。ざしきわらしのカードは奪われます。
なので、必然的にざしきわらしのカードばかりに防御がかかりそうで、あまり面白みがない気がしました。
―→「かまいったー」は、それこそ自由に発言できるので、誰もがウソをつける状態です。なので、とてもじゃないですが参考にはなりません。
かといって、ただの一言コメントとして利用するにしても、用意された単語から言葉を作らないといけないので、わりと面倒です。結果的に、誰も利用しそうにない気がしました。
事実、私は今回、2日で解決する事件に挑戦しましたが、ほとんど誰も一言コメントを書いていませんでした。
―→難易度の問題もあると思いますが、けっこう運要素もあるような気がしました。
証言カードによっては、「○○が犯人です」と思いっきり答えを書いているものもありました。難易度が低いからこうなるのであって、難易度が高ければもっと細かい内容の証言カードばかりになるのかもしれませんが、難易度が低すぎるのも考えものだとは思いました。
まあ、何度か遊んでみて、自分にあった難易度で楽しむと良いかと思います。
将来性を感じる仕組みではありますが、長く楽しめるものなのかどうか?は、もう少し遊んでみてから判断してみます。
||===|| まとめ ||===||
私の感覚としては”今までどおりに楽しめた”という印象でした。
「みんなでかまいたち」については、良し悪しは見えてきたものの、本当に楽しいかどうかはもう少し遊んでみないと分からない気がします。
私は初代をあまり知らない人間ですし、しかも周りの評価を見た限りでは「やっぱり初代が最高」みたいな意見も相変わらず多いようなので、2や3も楽しんでいただけた人なら楽しめるかと思います。
逆に、初代に思い入れが強い人は色々と鼻に付くのかもしれません。
初代『かまいたちの夜』が発売されて、今年で17年。
今作は原点回帰を目指したという名目もあったわけですが、初代を愛するユーザーのファーストインパクトや美化を打ち崩せるだけの強さが今作にあるか?と言われると…正直、そこまでではないかな?という気はします。
私がこれまでこのシリーズ作品を遊んできて思ったのは、初代とそれ以降のシリーズ作品とでは、作品の方向性が思った以上に違うんだろうな~という印象なのです。そういう意味では初代のほうが異質なわけで、2以降のスタイルのまま続けてきているシリーズに対して「初代に戻れよ~」というのも、けっこう辛いお話だとは思いました。
ま、いずれにしてもそこそこ楽しめていますし、私はお涙頂戴な流れで本当に泣いちゃいましたし。
いわゆる、サウンドノベルを楽しむユーザーとしては初心者であると言っておきます(笑)
サイドストーリーや「みんなでかまいたち」を遊び続けて、気になったことなどがあれば、セカンドインプレッションを書く予定です。
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万人向け ← ○●○○○○○○○○ → 熟練者向け
まあ、操作は別に難しいわけではありませんので。
ただし、CEROはD(17才以上対象)なので、それなりのグロテクスな表現にはご注意を。
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手軽に ← ○●○○○○○○○○ → じっくり
いつでもセーブできるので、サクッともじっくりとも楽しめます。
「みんなでかまいたち」も、1日10分程度でサクッとお楽しみあれ。
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思考タイプ ← ●○○○○○○○○○ → 感覚タイプ
まあ、サウンドノベルですので。
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爽快感重視 ← ○○○○○○○○○● → 達成感重視
まあ、サウンドノベルですので。(2回目)
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関連記事 :
PS2『かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相』 ファーストインプレッション(2006/07/27)
PS2『かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相』 本編クリア後のレビュー(2006/08/03)
※だいぶ古い記事なので、文面とか性格とか違うように見えるかと思いますが…一応、私の書いた記事です(笑)
その他のタイトルの評価は、こちらからどうぞ
初!のかまいたちシリーズです。
かまいたちシリーズは、知ってはいましたが
プレーするタイミングが合わず、未プレーだったのです。
428封鎖された渋谷でをプレーして以来、サウンドノベルいいな~と思って購入しちゃいました。
まだ、1時間ちょっとしか プレーしてませんが.....。
完エンド目指して、頑張りたいと 思います。
お~、初プレイですか。
私としては、今作にシリーズ初のプレイヤーがどう感じるのか?は、大変気になるところがあります。
良くも悪くも”根強いファンが目立つ作品”なので、評価もそれに準じたものが多くなりがちなのです。
ま、何はともあれ、楽しんでください。