曲目
1. クロー
2. メディテーション
3. アイ・カヴァー・ザ・ウォーターフロント
4. アイ・ラヴ・ユー
5. サヴォイでストンプ
6. ウォッチ・ホワット・ハプンズ
7. ジョーズ・ブルース
8. エル・ジェント
9. ビリー・ジョーの唄
10. リル・ダーリン
ジョー・パス(g)、エバーハルト・ウェーバー(b)、ケニー・クレア(ds)
『ヴァーチュオーゾ・シリーズ』を大作とするならば、さしずめこのアルバムは『小品集』といった趣があるような・・・
とはいえ、べつに大作がよくて小品集が悪いなんていったことではなく、あくまで大作は大作の良さ、小品集には小品集の良さというものが必ずある。
ソロギターの巨匠として名高いジョー・パスにしては少し珍しいトリオもの。
CTI風の音作りやボサノヴァなどをとりいれ非常に耳に優しい音楽なのだが、そういうところからも僕が『小品集』といったわけがある。
それこそ『ヴァーチュオーゾ』では『一音たりとて聴き逃してなるものか』みたいな気迫を聴くこちらももって挑まなければならなかったが(そんなの僕だけか・・・?)、このアルバムに関しては、もうギタープレイがどうのとか、この曲のあのアドリブが・・・なんてのは抜きにして聴く事にしている。
・・・というか、このアルバムにそういう部分を求めるのも少々野暮ったいのでは?なんて思うのである。
ちょうどCTI時代のウェス・モンゴメリーを聴くのと似たようなニュアンスで・・・
というわけで、このアルバム、聴くのはほとんど就寝前だ。
あまり神経を刺激せずに、それでいて薄っぺらくもない、そんな程よさが程よく僕を眠りへといざなってくれる。
なので、このアルバムの一曲一曲についての印象や感想などといったものはない。
もちろんジョー・パスのギタースタイルについての意見といったものもない。
ただあるのは、アルバム一枚を通じて伝わってくる『安心感』というものだ。
一家に一枚、そういう『安心感のあるアルバム』というのも必要なのではなかろうか?