数日前に、オーストラリアのラッド首相のアボリジニに対する謝罪映像を紹介しました。
文章でも紹介されていたのでUPします。
ケビン・ラッド首相による謝罪演説
今日私たちは、この土地の先住民族、人類史上最も古くから続いている文化に敬意を表します。
私たちは過去に彼/彼女らが受けた虐待について想いを致します。
特に、「盗まれた世代(Stolen Generations)」の受けた虐待について、わが国の歴史に汚点を残したこの一章について思いを致します。
今こそ私たち国民が新たなページをめくる時がやってきました。過去の過ちを正すことにより、未来に向かって自信を持って進んでいけるよう、オーストラリアの歴史の新たなページをであります。
私たちは、歴代の議会や政府の法律や政策が、同じオーストラリア人である彼/彼女らに深い悲しみや苦しみ、損失を与えてきたことを謝罪します。
特にアボリジニーやトレス海峡諸島民の子どもたちを家族やコミュニティー、土地から引き離したことを謝罪します。
盗まれた世代の人々やその子孫、家族の負った痛み、苦しみ、傷に対して私たちは謝ります。
その方々の母親や父親、兄弟、姉妹に対して、家族やコミュニティーを離散させたことを謝ります。
そしてこれにより、誇りある人々と誇りある文化に屈辱と毀損を与えたことを謝ります。
私たちオーストラリア議会は、国民の癒しにむけての精神にのっとってこの謝罪を申し出るものですが、同じ精神によってこの謝罪が受け容れられることを、敬意をもって求めるものであります。
未来に向けて私たちは気持ちを新たにします。私たちの大いなる大陸の歴史に、この新たなページを刻んでいくことができると確信しています。
今日私たちは、過去を認識し、すべてのオーストラリア人をつつみこむ未来を求めることで、その第一歩を踏み出します。
本議会は、過去の不正義が今後二度と起こるべきでないことをここに決議し、それによってひとつの未来を開きたいと思います。
先住民族とそうでない人々の間に存在する平均余命や教育成果、経済的機会の格差をなくすため、先住民族であるかないかを問わず、すべてのオーストラリア人の決意をひとつにする、そのような未来をであります。
旧来のやり方では解決できず残されたままの課題には新たな解決の道を模索する、そのような未来をであります。
相互敬意、相互努力、相互責任に基づく、そのような未来をであります。
出生を問わず、すべてのオーストラリア人が真に平等なパートナーであり、平等な機会を持つとともに、この偉大な国オーストラリア史の次章を形づくるうえで平等な役割を担っていく、そのような未来をであります。
「先住民族サミット アイヌモシリ2008 資料P.91より引用
(先住民族のレポートが豊富で、実に読みごたえのある資料です)
カナダ首相の謝罪もどこかにあるかと思いますので探してみます。
わたし達の機関誌ノヤ最新号が多くの皆さんのご協力で昨日、入稿しました。なかなか内容豊富です。
その中でR・ウイットマーさん(アイヌ民族委員会委員長)がカナダ先住民組織のフィル・フォンテーン氏のことばを引用されていました。
「自分達の過ちを認めることからしか癒しははじまらない」
その通りだと思います。
2007年9月、国連の先住民族権利宣言が採択された際、拒否した4カ国のうちのひとつがオーストラリアでした。
その際のオーストラリアの演説の要旨は以下の通り。
・宣言には法的拘束力はないが、国家と先住民族に関する基準設定の際の目標となるものだからこそ、実効性がありコンセンサスが得られるものにするべきだった。(拘束力のない「宣言」採択の際、コンセンサスを得る方法が有効だが、このたびは多数決にしたので実効性が弱まったとする考え。)。
・土地権は国内法に基づく権利関係を尊重すべき(国内法との整合性の問題)。
・「自由で事前の説明に基づく同意」(19条)は国民の一部(先住民族)に拒否権を与えるに等しく、民主主義に反する(19条「先住民族に対する説明と同意」は逆に言えば、一部に拒否権を与えるに等しいゆえ、民主主義的ではないとの考え)。
一方、2008年2月に上記の謝罪を行なったのです。今後の権利回復への内容が注目されます。
参考
・北海道大学 アイヌ・先住民研究センター 11月17日講演「『先住民族の権利に関する国際連合宣言』の採択とその意義」 講師:常本照樹さん
・「先住民族サミット」アイヌモシリ2008 資料

愛犬といくいつもの海岸への散歩道
文章でも紹介されていたのでUPします。
ケビン・ラッド首相による謝罪演説
今日私たちは、この土地の先住民族、人類史上最も古くから続いている文化に敬意を表します。
私たちは過去に彼/彼女らが受けた虐待について想いを致します。
特に、「盗まれた世代(Stolen Generations)」の受けた虐待について、わが国の歴史に汚点を残したこの一章について思いを致します。
今こそ私たち国民が新たなページをめくる時がやってきました。過去の過ちを正すことにより、未来に向かって自信を持って進んでいけるよう、オーストラリアの歴史の新たなページをであります。
私たちは、歴代の議会や政府の法律や政策が、同じオーストラリア人である彼/彼女らに深い悲しみや苦しみ、損失を与えてきたことを謝罪します。
特にアボリジニーやトレス海峡諸島民の子どもたちを家族やコミュニティー、土地から引き離したことを謝罪します。
盗まれた世代の人々やその子孫、家族の負った痛み、苦しみ、傷に対して私たちは謝ります。
その方々の母親や父親、兄弟、姉妹に対して、家族やコミュニティーを離散させたことを謝ります。
そしてこれにより、誇りある人々と誇りある文化に屈辱と毀損を与えたことを謝ります。
私たちオーストラリア議会は、国民の癒しにむけての精神にのっとってこの謝罪を申し出るものですが、同じ精神によってこの謝罪が受け容れられることを、敬意をもって求めるものであります。
未来に向けて私たちは気持ちを新たにします。私たちの大いなる大陸の歴史に、この新たなページを刻んでいくことができると確信しています。
今日私たちは、過去を認識し、すべてのオーストラリア人をつつみこむ未来を求めることで、その第一歩を踏み出します。
本議会は、過去の不正義が今後二度と起こるべきでないことをここに決議し、それによってひとつの未来を開きたいと思います。
先住民族とそうでない人々の間に存在する平均余命や教育成果、経済的機会の格差をなくすため、先住民族であるかないかを問わず、すべてのオーストラリア人の決意をひとつにする、そのような未来をであります。
旧来のやり方では解決できず残されたままの課題には新たな解決の道を模索する、そのような未来をであります。
相互敬意、相互努力、相互責任に基づく、そのような未来をであります。
出生を問わず、すべてのオーストラリア人が真に平等なパートナーであり、平等な機会を持つとともに、この偉大な国オーストラリア史の次章を形づくるうえで平等な役割を担っていく、そのような未来をであります。
「先住民族サミット アイヌモシリ2008 資料P.91より引用
(先住民族のレポートが豊富で、実に読みごたえのある資料です)
カナダ首相の謝罪もどこかにあるかと思いますので探してみます。
わたし達の機関誌ノヤ最新号が多くの皆さんのご協力で昨日、入稿しました。なかなか内容豊富です。
その中でR・ウイットマーさん(アイヌ民族委員会委員長)がカナダ先住民組織のフィル・フォンテーン氏のことばを引用されていました。
「自分達の過ちを認めることからしか癒しははじまらない」
その通りだと思います。
2007年9月、国連の先住民族権利宣言が採択された際、拒否した4カ国のうちのひとつがオーストラリアでした。
その際のオーストラリアの演説の要旨は以下の通り。
・宣言には法的拘束力はないが、国家と先住民族に関する基準設定の際の目標となるものだからこそ、実効性がありコンセンサスが得られるものにするべきだった。(拘束力のない「宣言」採択の際、コンセンサスを得る方法が有効だが、このたびは多数決にしたので実効性が弱まったとする考え。)。
・土地権は国内法に基づく権利関係を尊重すべき(国内法との整合性の問題)。
・「自由で事前の説明に基づく同意」(19条)は国民の一部(先住民族)に拒否権を与えるに等しく、民主主義に反する(19条「先住民族に対する説明と同意」は逆に言えば、一部に拒否権を与えるに等しいゆえ、民主主義的ではないとの考え)。
一方、2008年2月に上記の謝罪を行なったのです。今後の権利回復への内容が注目されます。
参考
・北海道大学 アイヌ・先住民研究センター 11月17日講演「『先住民族の権利に関する国際連合宣言』の採択とその意義」 講師:常本照樹さん
・「先住民族サミット」アイヌモシリ2008 資料

愛犬といくいつもの海岸への散歩道