土佐っぽ

四国は土佐国のもんが、日々の中で思いゆう事や、得手勝手な考えを書きよります。どうぞよろしく。

相棒と香田証生さん事件

2011年08月12日 09時19分37秒 | Weblog
『相棒』、節目の“season10”が10月より放送だという。


ニホンという国の中で、
政府や権力に逆らう、
それをよしとする、ドラマなんぞ、
そうそうではしない。
と、ほとんどあきらめていた。

昨年だったか、
映画バージョンのを見た。
夏の入院中に知人が見舞いにと。

「まっこと、、ニホンのドラマは見んき、、いらんに。」
と、言うと、
「どうせ、よさこいの大音量の中でヘッドホンで映画見るやったら、
これ、、絶対に、、おすすめじゃき」と、

しぶしぶ、まあ、、と。
で、数日後か、手持ちの映画も見たし、、
ほいたら、、これしかないかあ、、、、

いやあ、、
これ、、衝撃を受けて、
それ以後、
ツタヤに、

たしかに、ほとんどに、政治的色彩は濃いものになっている。
斬首されるシーンが世界をネットで駆け巡った、
九州の香田証生さんの事件を、確実に意識した内容。
犯人の特定はそれほど難しくはないが、
ただ、あの「自己責任」という言葉がこの国を支配した、
小泉政権の中でも、特筆すべき愚行を、あえて、、
そこに、驚いたし、そして、踏み込んだ人間の感情をドラマ化している。

亀山と伊丹のドタバタが、番組の中の思考をそらす部分があるが、
それは、それでおもしろい。ただ、時にうっとうしくもなるが。
しかし、連綿とした権力への抵抗、そこに喝采する人たちが多いだろう。

おもしろいのは、
あの刑事部長役の内村警視長殿、
別番組の「水谷が裁判官をやるドラマ」では、仲良しの刑事役。
そして、けっこう相棒の出演者がアレコレ出たりしている。

まあ、、あれこれ言うよりも、
一度、見てみてもらいたい。

やっぱり、素晴らしいのは、
最初のオープニングのシリーズと、
2シリーズぐらいまでじゃろうか。

毎回、多様なゲストが出て、
水谷のしょぼい演技を、、、確実に、、カバーして、
彼が、光るように、、、。
何よりも、相棒の寺脇康文の存在は特筆。
枯れなくして、杉下右京は存在し得ないだろう。


ところで、香田証生さんの事件。
あの時、
どうしようもない怒りと、未来への恐怖があった。

一市民であり、個人である人間に、国家が、世論が、
なにより、メディアが自らのジャーナリズム性をかなぐり捨てて、
一斉に攻撃した。
「自己責任」という象徴された言葉で。

あの時から、
貧しくなるのも「自己責任」。
安い給与も、「自己責任」。
自死するしかないのも「自己責任」。
リストラされるのも「自己責任」。
と、
個人へのあまりにも強い圧力が、
社会的圧力が、当たり前になった。

しかし、
東電への「自己責任」論は、
ほとんど、政府内部からは聞こえない。

今や、
被爆するのも、「自己責任」
福島から転居するのも「自己責任」
などに、
なっている。

大企業や、政府官僚、議員らの、、
悪行三昧は、国家権力の中でまもられ、
多くの市民は、個々の自己責任を追及される。

あの、香田さんの事件で、
多くの市民が、彼を、彼の家族を攻撃した。
だから、
天につばすると、同じだとも言えるが、
今も、あの時も、、メディアに登場する、
言いたい放題のコメンテーターには、
いよいよ、、腹がたつ。

相棒の新シーズンが始まるという、
いやあ、、楽しみ。


香田さんの事件に関して。

香田さん事件とは2004年にヨルダンのイスラム過激派組織が香田証生さんを拉致、
イラクからの自衛隊の撤退を日本政府に要請したが、当時の小泉内閣は拒否する。
そして、「自己責任」だからと、ほとんどニッポン政府は彼を見捨てた。
結果、香田さんは首を切られ処刑された。その映像はネットに流れ、世界で話題になった。

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2 コメント

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Unknown (ポポ太郎)
2012-05-09 23:45:44
だいぶ前の文章読ませていただきました。
もっと読みたいと思いました。
これからちょくちょく拝見させていただきます。

更新楽しみにしていますね。
Unknown ( )
2013-12-16 17:50:28
その通りだと思います。
現在もそうですが、あの時の自己責任論は異常でした。
憐憫の情なんてものはないんだなと、怒りすら覚えました。

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