土佐のくじら

土佐の高知から、日本と世界の歴史と未来を語ろう。

戦前日本孤立化の真相

2013-06-09 13:09:06 | 誇るべき日本の歴史

土佐のくじらです。
私は歴史は、つじつま合わせでないと理解できないと思います。
後々の勝者にとって、都合の良いことしか残らないのが、歴史資料だからです。


よく平和主義的な意見として、こういうことが言われます。
「第2次世界大戦では、日本は世界から孤立した。」
「世界からの孤立化が戦争の要因だ。」
「日本は世界と同調し、孤立化だけはしてはいけない。」

私もそれについては同調いたします。

ではなぜ戦前の日本は、世界から孤立したのでしょうか?

よく言われるのは、「軍部の暴走」ですね。
大部分の方々が、そういうイメージをお持ちだと思います。
かつての私もそうでした。

しかし、日本軍が時の政府の言うことを聞かなくなったのは、昭和5年からと言われます。
2.26事件という、軍部によるクーデター未遂事件が昭和11年(1936年)にありましたが、この頃から軍部は政府の言うことを聞かなくなります。

明治憲法(大日本帝国憲法)には、重大な欠陥があります。
それは、軍事力を誰がどう使うのかの規定がないことです。
(この欠陥は、現日本国憲法も同じです。)
明治憲法下では軍隊は天皇のものであるので、選挙で選ばれた政治家の言うことを聞く必要はなかったのですね。
シビリアンコントロール(軍部の文民統制)は、明治憲法下では違憲だったのです。

ですから昭和天皇は、当時の憲法下での軍部を押さえるために、
開戦直前に敢えて、軍幹部である東条英機を首相に任命したと思われるのです。
だとすれば、この人事のつじつまが合います。

そしてそれまでの日本外交は全て、日韓併合や満州国建国など、全ての事例は世界各国の承認を得ておりました。
日本外交は模範的とも言われ、特に軍部に関しての問題はなかったのです。
日本は国際的な不平等条約の破棄に向け、国際的な信頼を得るために、模範的な規律正しい外交をむねとしていました。

しかし昭和5年(1930年)以降、急速に軍部の暴走が加速しております。

これは皇軍の意識を持つ日本軍は、一般的な政府とは違う、元老=元勲の指示の元動いていたのですね。
元老とは、明治維新の立役者たちです。
彼らの意見は、天皇と同じと認識されており、日本軍は元老の指示の元、規律高い行動規範を有していたのです。
日本軍独走は、この元老たちのほとんどが亡くなり、影響力がなくなった時期と重なります。

しかし実は、その日本軍独走が始まる以前から、日本の孤立化は始まっているのですね。

第1次世界大戦終了直後の1921年に、ワシントン会議で日本はアメリカよりも低い比率で軍縮協定を結ばされました。

また1923年に、日英同盟は破棄されました。
日英米仏4カ国同盟に拡大されたことで拡大解消でしたが、結果的に日英の切り崩しとなりました。

この4カ国同盟は、当時のアメリカによる陰謀だと私は思っております。
そうだとすれば、その後の歴史のつじつまが合います。
ですから今後もしも、日米中三国同盟の話があれば、日本は拒絶しなければなりません。
それは中国による、日米同盟の切り崩し工作だと思っておいた方が良いです。

また翌年1924年には、アメリカで排日移民法が成立しております。

これらのように、日本が大正デモクラシーと言われ、静かな平和な時期を過ごしていた時期、
世界の模範的外交国家と言われていた日本の孤立化は始まり、進行していたのですね。

歴史の時系列を見る限り、軍部の独走による孤立化・・・ではなく、
日本の孤立化に対して危機意識を持った軍部が、有効な手立てを打てない、当時の政府を押しのけて行動した・・・
というのが、戦前日本の真相の一つではないかと私は考えています。

つまり、日本孤立化の原因は、軍暴走意外にあると考えなければならないのです。







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2 コメント

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Unknown (英)
2013-06-09 16:18:05
ちゅうことは、日本孤立化の要因は、やっぱり、

日英同盟の破棄ですかね。

あるいは、人種差別にあるとか。

なんせ、日本は世界で唯一アジアで白人優越主義をぶちこわしましたからね。

まあ、欧米(白人優越主義者)からみるといまいましい、国でしょうから。
おっしゃるとおりです。(^^) (土佐のくじら)
2013-06-09 16:21:04
英さん、いつもコメントありがとうございます。

おっしゃるとおりです。
次に記事にしました。(笑)

長くなるので、分けて書かせていただきました。(^^;

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