OPALな日々

”Old Person's Active Life”をモットーとするOld Womanのフォトを交えたエッセイです。

マスカラ命…?

2010-04-30 23:48:13 | 日々のあれこれ
やっぱり慣れることが出来ないな~


地下鉄の中で隣り合わせた女性、大きめの鏡を膝に化粧に余念がない。

気にしないように、目を向けないようにと防衛本能で固まる。

でも匂いは避けられない。私はたぶんフローラル系のどれかの匂いにアレルギーがあるらしく、唇と舌先がしびれる。

そしてその匂いがしてきた。舌先がしびれてくる。

ちらっと見るとマスカラを塗っている。マスカラにも香料を使っているのかな。

普段気がつかないがメーカーによって香りづけをしているのかもしれない。

マスカラを使いだしたら当分は止めないだろうと思うと憂鬱になった。

先だっては前に座った女性がずーーーーっとマスカラを塗り続け、私が下車する時にもまだ塗っていた。

周囲の人は目に入らないらしい。化粧とは「化け装う」で人前ではしない方がいいと思うけど、直接知り合った人以外は存在しないのと同じことになっているらしい。

そんなに塗らなくても十分可愛いと思うけど。よく解らん世の中になった





河回村 仮面劇を観る

2010-04-29 08:15:48 | 韓国あれこれ
後生大事に安東焼酎を抱えながら仮面劇会場に向かう。

仮面劇は正式名称は「河回別神グッ仮面舞」というらしい。

開演前に食事をと案内所に荷物を預けに行くと、昨日お世話になったガイドのソさんにばったり出会う。

一緒にお食事をしましょうということになり案内していただく。

野菜のビビンバブをいただきながらいろいろとお話をした。

今日か明日か?にもっと上の資格試験を受けるので緊張しているとか、九州の太宰府に合格祈願にご家族で行かれるとか。

何処にいっても子供たちが見学に来ていることを話題にすると、「あまりに若過ぎるので古いものを大切にしない。子供たちのマナーが悪いので、そこを教育してから来てほしい。」とのこと。

こちらとしては、子供が自国の歴史とか史跡を知るのはいいことと思って話題にしたのだけど…。

河回村を大切に思うソさんならではの感想なのだろうと思った。

この土地を本当に愛しているソさん、どうぞ合格されますように。



          


仮面劇の会場入り口。




          


中は野外円形劇場で広場の周りをぐるりと客席が並んでいる。雨の時は中止かな?

肩の上に乗っているのは女神さま。

この仮面劇は日本の歌舞伎と同じで、演技者は全員男性と聞いたが、この女神さまは正真正銘の女性であった。今は女性も許されるようになったの?



          


入場する際に仮面劇のあらすじを書いたパンフレットを買う。日本語版もちゃんとあった。

牛のぬいぐるみの登場する劇で、前の方に座るとおしっこを掛けられると言っていたが、本当に牛の足の役の人が瓢箪のような容れ物から客席に水を掛けていた。うへ~


          


久米の仙人を思わせる僧と芸妓の劇。修行する者もやはり人間、煩悩だらけだ。

以前「王の男」で韓国の大道芸の場面が出ていたが、それを思い出した。


          


木彫りのお面をつけて演じるのだが、日本の能楽や文楽に通じるのか生身の人間より表情豊かで、ソウルのお土産物屋で仮面を見た時は不気味と思ったのが、本物を見た後では感じ方がまるで違ってきた。

特に両班の使用人を演じた人は、ユーモラスであったかくて印象に残った。

最後に客席から旅行者を誘って一緒に踊ったりして楽しく締めくくった。


          


会場横のトイレ。入口の男子用、女子用の表示も仮面だった


この仮面劇は1928年以降途絶えていたものを1973年に河回村と安東在住の若者たちが、地域の優れた伝統をもう一度再生しようと、採録した台本をもとに唯一残った技能保存者の協力のもと研修を重ねて1977年に復元公演を実施し、保存会として新たにスタートをきったものとパンフレットに記載されていた。

そしていまや国の重要無形文化財に指定され、現存する面も12世紀ごろの作品ということから国宝に指定されているという。

危ういところで大切なものに気付いたというか、自分たちの文化を守ったわけである。

よかったね、安東仮面劇

河回村の二日目

2010-04-28 19:47:32 | 韓国あれこれ
          


オンドルの煙突からの煙をみると暖かな気持ちになる。

煙突の奥がかのペ・ヨンジュンssiの宿泊した離れの部屋である。


          


窓の外に犬小屋があり白い犬がいた。

到着したときには傍を通ると「ワンワン」と吠えていたが、何度か通るともう黙っていた。賢いワンちゃんだった。

え~っと、韓国の犬の鳴き声もわんわんでいいのかな?国によって鳴き声も微妙に表現が違うけど、私にはおんなじに聞こえるからワンワンで可。



          


現役かどうかは解らないが台所。ここにも大きな釜がかけてあった。

ここを通ってトイレとシャワールームにいく。

トイレは昔通りの暮らしだからというので覚悟をしていたが、きれいな洋式トイレだった。その奥にシャワールームが付いていた。

ただ移動には青いゴム靴を履くのだけど、チビな私には大きくて、靴が脱げないように中で足を突っ張らないとならず、これが結構大変だった

その上、敷居が高くしっかり足を上げないと跨げない。この暮らしをしていたらたぶん下腹は絶対出ないなと思った。



          


朝食は別棟の藁屋根の可愛い建物でとる。ご主人は「マイ リトル レストラン」と言ってらした。


          


野菜中心の料理で、これに安東名物のサバが付いた。タンポポの和え物もあり、大変お味がよく昨夜のちょっとな~も解消

我が家の料理人は一流だとご主人も自慢していたし、食器はペ・ヨンジュン氏の宿泊時に全部本物の真鍮製で揃えたとか。ふ~ん(感心している私)。

同宿したのはドイツの実業家ご夫婦(大企業の偉いさんだそうだ。物静かなご夫婦)と韓国人ご夫婦の四人連れ。

食後にこの韓国の方が英語と日本語で、この屋敷の説明をして下さった。

それなのに私はカメラ(携帯電話)を持たずに出て折角のお部屋の写真を撮れず。残念無念


          


このお屋敷には村の地形と同じように大きく幹の曲がった松がある。

その松と屋敷をバックに記念写真を撮りなさいとご主人に勧められ、やっと携帯を取ってきて写真を撮る。もっと前に取りに戻るチャンスがあればよかったのになあ。

ご親切にして頂いた皆さんにご挨拶をして北村宅を後にする。


          


渡し船に乗って芙蓉台へ。

ここで4人連れの日本の方と出逢いしばし歓談。渡し船は人数が集まれば出るとのことで、若い韓国人ペアーとも一緒に無口な船頭さんと対岸へ。

桟橋があるわけでもなく流れの中に浅瀬があるという感じで一同「どうやって渡るの?」。

やおら船頭さん、スコップを持って河の砂をサクサクと盛り上げ始めた。

う~ん、飛び石のように渡るのね?

ところで私は船端を跨ぐのがこれまた大変

乗船する時も韓国カップルの女性が手を差し伸べて助けてくれたが、降りるのもサラサラの砂の上に乗るとズブズブと足が沈んでゆく

おまけに安東で買った焼酎を持っているので、たださえバランスが悪いのに片側が重く体が傾く

オットット状態になった時、ガシッと腕を捕まえて助けてくれた船頭さん。ちょっと怖いなと思うくらい無表情な人だったけどさすが力強かった。有難うございました。


          


坂道を上がると玉淵精舎の建物。もう少し上には花川書院。眼下に清流と河回村をみる絶景である。


          


帰りの船を降りる時も先ほどの韓国ペアの女性がしっかり手を取っておろして下さった。

冷たい細い指だった。お世話になりました

この後、伝統芸能「河回村仮面劇」を観に行く。

河回村の一日目

2010-04-24 23:33:44 | 韓国あれこれ



河回村の観光案内図。右下の案内所のある広場までは一般車も入れるが、その後村に入るにはシャトルバスで入るか歩いていくことになっている。

シャトルバスは料金500ウォンで、人数が集まり次第出発する。

私たちは前もってお願いしていた日本語ガイドのソさんと一緒に村を回る。


          


イギリスのエリザベス女王が河回村を訪問した時の写真。リュウ・シオン氏のお父さんが女王をもてなしている写真もあった。

来訪の際にはいろいろエピソードもあったそうで、女王が人前で初めて靴を脱がれた、なんて話もある。

そう、韓国も家に入るときには誰でも靴を脱ぐ。


河回村については、ここをクリック


          


両班の立派な建物、土壁に瓦を葺いた土塀が続く静かな路。



          


医師の家?薬草や?薬草を入れる細かな引き出しが見えている。


          


藁ぶきの門の邸宅。



          


中庭を囲むように建物が配置されている。

男性の居室と女性の居室はしっかりと別れている。男女7歳にして席を同じうせずの儒教の教えに従っているのでしょう。


          


樹齢600年を超えるという楠の木。子供を授け子供の成長を助けると伝えられている神木だそうだ。

御神籤のような願い事を書いた細長い紙を沢山結んである。韓国にはこういう風習は無かったとソさんの話だった。日本人が御神籤の文化を持ち込んだのかな?


          


この村は美味しい野菜が沢山収穫されるそうだが、高い建物もなく広々と畑の見える景色で、私にとってはこれも立派な絶景である。電線も見えないし。


          


宿泊を予約している北村宅。ヨン様がフォトエッセイ「韓国の美をたどる旅」の取材時に泊まったところである。

ヨン様目当てではないけど、このような由緒ある韓国の家屋を体験したかったので、いいチャンスと宿泊することにした。

よく磨きこまれたすっきりとした佇まいが清々しい。


          


夕食は付いていない。そして案内所のある辺りには店もある。しかしこの村には夕方6時を過ぎると入れないと聞いている。

ガイドをして下さったソさんの紹介で一軒の農家で食事をとることにしたが、これがどうもいまいちだった。
 
畑の中の藁ぶき屋根のその家は、食事をするのは屋根の下ではなく、ビニールで囲った板の間でその寒いこと。つまり家の外であった

支度をしてくれたおばさんは充分にフレンドリーだったけど…。

せっかくの安東名物の鳥料理「チムタクッ」もすぐに冷えてしまい、マッコリも残すという私たちとしては珍しい結果になった。

「サムっ!」とつぶやきながら、きれいな星空のもと、暖かな寝床を求めて宿に戻った

塩田貞治さんとの一日

2010-04-21 23:51:45 | 韓国あれこれ
           


今日は韓国語仲間のお誘いを受けて、こんな素敵なイベントに行ってきた。

ソウルと日本の両国で俳優活動をしている塩田貞治さんの出版記念のランチ付きのトークショー。

塩田さんについてはほとんど知識のないまま参加したが、「世界ウルルン滞在記」で韓国の農家にホームステイしたことがきっかけで、ソウルの大学に語学留学。その後日韓で映画や舞台を中心に活躍中の若手俳優さんとのこと。

はるばる大阪や熊本なんて遠いところからの参加者もいらした。


場所は人形町にある三日月座というおしゃれなカフェ。


           


出版された本は塩田さんの目で選んだソウルガイドブックで、もう少し前に出版されていたら参考にしたのにとちょっと残念。


           


今日は塩田さんの手作りのランチ付きという、ファンには何とも美味しい企画だった。

デザートの説明をする塩田さん。エプロン姿が甲斐甲斐しい


          

まず、韓国風サラダとアサリと豆腐の辛いスープ。


          


メインのプレートは鶏肉と野菜の煮込みときのこの入ったオムレツ。このオムレツは雑誌「オレンジページ」で紹介されたそうだ。


          


チョコレートケーキにフルーツを添えたデザート。リンゴにはカラメル、バナナも火を通してなかなか手が込んでいる。

私はゆず風味になっていたのが嬉しかったかな。


          


テーブルのフラワーアレンジも塩田さん。

小さな会場だったのでアットホームな雰囲気で、塩田さんの誠実なひととなりも伝わるお話だった。ウルルンの撮影後にも自分の手がけた作物を収穫するまで一人残ったことと、それを喜んで受け入れた農家のご家族の話は、彼が韓国が心から好きになった経緯がよく解ったし、私が何度も韓国を訪れるようになった気持ちと共通するものを感じた。

失礼ながら、殆ど予備知識もなしの参加でしたが、とても暖かな素敵な会でした。


アッ、これから「オレンジページ」に塩田さんのスイーツのコーナーが出来るそうですよ。