田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

降臨ベルゼブブ2/奥様はバンパイァ 麻屋与志夫

2009-12-15 13:16:33 | Weblog
奥様はバンパイァ97

○人の形はしている。

だが、全身に蛆と蝿がわいている。

ベゼルブブが話すたびに。

全身にたかっている蝿が。

いまにも飛びたつように。

翅をふるわせる。

「なぜなの? いつの時代でもわしたちの邪魔をする。どうして」

「かんたんじゃない。嫉妬よ。いつの時代でも美しいものはもてはやされる。わた

したち醜いものはうとまれる」

「嫉妬で、こんなひどいことをしてきたの。人狼と吸美族をあらそわせ、憎しみの

情を煽りたてた。」

「ひとに、食う喜びをおしえてあげた」

「ちがうでしょう。ひとを食い物にするために餌をあたえているのでしょうが」

「きつい指摘。いたみいる」

「もう、この土地のひとを食い物にして、堕落させるのはやめてください」

玲加がmima の影で念を放射している。

ベゼルブブにはその気配を察知されないように。

かすかな念波をあびせている。

蝿の羽音がうるさい。

蛆が蠢く。

「もうこんなことはよしにしましょう」

「そうはいかないね。あんたらここから帰れないよ」

みよ。

洞窟の奥から穴居人と見まがう知能の低下した人の群れがあらわれた。

そのなかには、さきほどmimaたちの前進を阻んだものも交じっている。

「やっちまいな」

「やめて。わたしたちは……あなたたちの敵ではないのよ。こんな生活つづけてい

たら、ますます知性が鈍磨する。

目を覚まして。

働いて。仕事をして」

どんどんどんと地響きをたてて襲ってくる。

野球のバットを手にしている。

「野犬狩りだ。キツネ狩りだ」

彼らには、そう見えるのだろう。

それは金髪白人の美女を白面金毛の狐と、玉藻の前を狐とおもわせたベルゼブブの

イルージョンをみせるトリックだ。

「G!!! いいわよ」

やっとGの出番が来た。

ベルゼブブに向かって炎を放射する。

グワーンという炎の波がベルゼブブの全身をおおう。

それとどうじに四方の壁がべろんと溶けだす。

「なんだこれ!!! 発泡スチロール製か」

熱には弱い。

岩に模した壁が溶けるとただのコンクリートにかこまれた無愛想な部屋だ。



●カミサンのブログもぜひご愛読ください。奥様はバンパイアのモデルのmima
の薔薇ブログです。

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●私事ですが、「星の砂」に「初恋の白いバラ」を載せました。そちらもぜひお読みください。

      




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