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ワイヤレスのアンテナ

2018年12月26日 11時07分41秒 | 音響関係

大道芸やイベント出演の現場で、音響のセッティングは非常に大切なこと。

大道芸では通常だと100人~200人、イベント出演でのステージでは500人前後、
ホールなどでは800人~1000人くらいを想定し、
全てのお客さん全員に心地よい音が届くようにすることが仕事なので、
その都度音量なども変化するし、場合によっては装備している機材では不十分になることもあるので、
別に持って行ったり、ステージイベントやホールでの出演時は設置されているPAへの接続をお願いしたりします。

人数に対しての音量とか、スピーカーの配置なども気を使いますが、
意外と重要なのに気にされていないのがワイヤレスの運用。

大道芸ではいろんな電波が飛び交っているところなどでも使用することが多いので
ワイヤレスマイクのセッティングは毎回のように気を使い、音切れやノイズがないかなどのチェックを行います。

1ヵ所であまり動かないパフォーマーの場合にはそのリスクは少なくなりますが、
スピニングマスターズの場合はパフォーマーが動き回るので、
ステージイベントやホールでショーを行う場合には時間が許せば動き回る範囲すべてで
ワイヤレスチェックを行うことにしています。

半年くらい前からとある現場でOK!ヒロヤがディアボロのパートに突入したところで
数か所の音切れを確認しました。いつもしないところでだったから「あれ?」と思いましたが
1秒もないくらいの短時間だったのであまり気に留めず、、そのままショーが進行して終了。

たぶんお客さんも気付いていないほどだったのですが、
それから同じ現場で毎回のように同じポイントでOK!ヒロヤの肉声だけが途切れる瞬間があったのです。

その時使用していたワイヤレスシステムはLINE6 XD-V75でした。

2.4GHzを使用したワイヤレスなのでWi-FiやBluetoothと同じ。なので、
例えばそれまでなかったWi-Fiスポットを施設が新設したとか、アンテナ配置を移動したとか、
最近は監視カメラも無線化に同じ周波数帯でWi-Fiを使っており増えておりますので、
そんなちょっとした理由でも干渉は発生するものです。

Wi-Fiの方はネットワークやインターネット接続の利用が多いので、一瞬途切れたとしても
ユーザーは気付きにくく、まして自宅ではない外出先での一時的な利用であればわからないのが現状。

しかし、我々パフォーマー側はトーク中に途切れるとこれはギャラリーにとっても
パフォーマーにとっても不快。
度々そうなるとひどい場合にはショーが中断してしまうケースもあるほどです。

Bluetoothは一般的な送受信範囲が見通し線で10mほどで、ギャラリーの中で使っている人が居ても
殆ど問題になったことはありません。逆にこのBluetoothはマイクとして使う製品も…

ネットで2000~3000円程度で売られているBluetoothを使った小型のヘッドセットもありますが、
スピニングマスターズのケースで言えば全く問題外。不安定極まりなく、ブツブツ切れたり復活したり、
さらにはコンデンサーマイクのカプセルがあまりにも音質がひどく、大道芸ならともかくとしても
ギャラを頂いて出演させていただくイベントなどでの使用はあり得ないと思っております。

スピニングマスターズとしては、そういう理由からワイヤレスマイクに関しては極力安心できる製品を
チョイスしていますし、デジタル方式のワイヤレスマイクを採用した時も
音声がとてもクリアだったことがキメ手でした。
ただし、問題なのは同じワイヤレスシステムを使っていたり周辺のWi-Fi環境との干渉。

話を戻しますが、周辺の環境やフェスティバルや
大きなイベント会場で同システムのワイヤレスを使っている場合など電波干渉を避けなければなりません。

音響屋さんどうしだと話は簡単で機材のチャンネルなどを変更する程度の一手間でOK!

Wi-Fiに関しては周波数帯を変更してもらうことなど事実上不可能。
こちらでセッティングを変える必要が出てきます。

その、とある施設でのディアボロルーティン中に発生するデッドスポット。たとえ0.5秒だけでも
トークが途切れるのは自分は嫌なので、いろいろ試してみました。

1)アンテナの配置や向きを変える。

2)LINE6のチャンネルを変える。

3)OK!ヒロヤのベルトに装着しているトランスミッター(送信機)を同機種のスペアに換える。

4)音響台に設置しているレシーバー(受信機)を同機種のスペアに換える

5)レシーバーの配置を変える。

6)電池はエネループなどの充電式ではなく、アルカリ乾電池を使用。毎回新品に!

7)アンテナを換える。

と、試してみて、一応機材の不良や故障が原因かと思ってやってみた3)と4)は何ひとつ変化なかったので
機材の調子が悪かったという説は外しました。

1)も2)も5)も大きな変化はなく、起きる時には音切れが…

6)はあまりにも初歩的で…

結局解消に至ったのは7)アンテナの交換。LINE6からは数種類のアンテナが発売されとります。

1/4波長のもの、1/2波長のもの。(これは本製品に付属されていました)
どちらも一般的なホイップアンテナというものです。

マニュアルに記載のスペックによれば1/2波長のホイップアンテナはゲインが5dBで無指向性。

 

そして、たかがアンテナ!されどアンテナ!!プライス的に高額ですが、
パドルアンテナというものがあり、360度の無指向性と180度の指向性の2タイプが販売されていました。

形状がウチワのような薄いもので、マイクスタンドなどに取り付けて設置します。

3dB、12dB、23dBゲインも3段階で調整ができるのも魅力的。
※ゲインというのはちょっと難しいのですが、簡単に言うと電波の強度と一般的には言われております。

特に指向性の180(上記写真左)はアンテナ設置場所より前方向でしかパフォーマーは動かないので余分な方向からの
Wi-Fiなどの干渉波を受けなくて済みので興味はありました。

どちらも効果あり!だと思うのですが、試してみるには高額だったことと、
スピニングマスターズのお片付け事情からすると毎回邪魔になりそうだったので、とりあえずは
最終手段として一時的に棚上げ。

 

ではどうしようかと考え、Wi-Fi用のアンテナでもう少しゲインがあるアンテナを試してみようかと、
ふと思い立って、早速ネット通販で買ってみました。(笑)

 

21日に実施した滋賀竜王センターコートでの大道芸時は下の写真の付属品のアンテナ。(赤丸)
こんな風に音響ボックスのフタの一番高く左右に開いたところにアンテナがあります。

 

届いたアンテナに交換しての犬山城下町 大道芸まつりではこの長さ!!(笑)

長さが重要ではなく、このアンテナのゲイン12dBというスペックを試すためにテストをしたのですが、
大正解!!今のところ気になっていた場所でのデッドポイントが解消できました。

また、客上げの時などにワイヤレスマイクのレシーバーやアンテナから遠くに離れても途切れることなく
クリアーなので、一先ず良かったのではないかと思います。

アンテナはそのまま装着することができず、BNCタイプのコネクターへ変換する必要があります。

Wi-Fi用のアンテナの多くはSMAタイプ。
装着するためには変換コネクターや同軸ケーブルを自作することになります。

今のところ安定した状態ではありますが、すべての現場でテストを済ませていないことと、
あくまでLINE6メーカーサイドからすればサードパーティーの製品なので
使うこと自体には問題が無くても、メーカーに質問しても答えは返ってはきませんのでご了承を。

 

普段あまり気にしないで使っているワイヤレスマイクシステムですが、
現場周辺のちょっとした環境変化で急に不調となったり、
逆にアンテナを交換しただけで安定したりとデリケートなものなので、
毎回サボらずに音声チェックをしなければと思いました。

 

明日からは強烈な寒波がやってくるそうです。

スピニングマスターズは滋賀竜王センターコートの予定でしたが、
急に場所が使えなくなったことと、帰りの関ヶ原が心配なので明日の滋賀竜王ete前での大道芸は中止しました。

それでは!皆様も風邪引かないようご自愛ください。

 

 


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