大倉草紙

旅の記録 食の記録 日々の記録

【京都】 宇治市源氏物語ミュージアム

2008年06月26日 18時03分28秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
6月8日(日)
当日の行程:(京阪・宇治駅) → 【平等院】【宇治神社】 → 【宇治上神社】【宇治市源氏物語ミュージアム】【三室戸寺】 → (京阪宇治バス・三室戸寺~JR宇治駅)…(JR・宇治駅~新田駅)…(徒歩)…(近鉄・大久保駅~西ノ京駅) → 【唐招提寺】 → (タクシー) → 【興福寺】


今年は、源氏物語千年紀ということで、あちこちで展覧会やイベントが催されている。


          
           「祝 源氏物語千年紀」のお茶

展覧会やイベントだけではなく、ペットボトルのお茶までも千年紀を祝っている。
これは、宇治の自動販売機で見つけたもの。
「祝 源氏物語千年紀」と書かれたラベルには、土佐光則作といわれる「源氏絵鑑帖」の中から、宇治十帖の「橋姫」の絵巻が印刷されている。
販売者は、京都府茶協同組合。           
 

宇治の町を歩いていると、意識しなくとも、源氏物語にまつわるモニュメントが目に入ってくる。
そのうちから、いくつかを。

   
                 紫式部像

紫式部像は、宇治橋のたもと(平等院側)にある。


   
              宇治十帖モニュメント

宇治十帖モニュメントは、朝霧橋たもと、宇治神社の前にある。
浮舟と匂宮が小舟の上で愛を語り合う場面をモチーフとしているらしい。
後ろにある屏風には、薫君が透垣から二人の美しい姫君を見る「橋姫」の場面が描かれている。


   
               「早蕨」の古蹟

「早蕨」の古蹟は、宇治上神社の近くにある。


   
               与謝野晶子の歌碑

そのすぐそばの与謝野晶子の歌碑には、次のような歌が刻まれていた。
改行は歌碑のママ。

      橋姫
 しめやかに心の濡れぬ川ぎりの立舞ふ
 家はあはれなるかな

      椎が本
 朝の月涙の如し真白けれ御寺のか
 ねの水わたる時

      総角
 こころをば火の思ひもて焼かましと願ひ
 き身をば煙にぞする

      さわらび
 さわらびの歌を法師す君に似ずよき言
 葉をば知らぬめでたさ

      宿り木
 あふけなく大御女をいにしへの人に似よ
 とも思ひけるかな


  
      「総角」の古蹟             「浮舟」の古蹟

「総角」の古蹟は、宇治上神社から行くと、源氏物語ミュージアムの少し手前にある。
「浮舟」の古蹟は、三室戸寺の境内にある。

フィクションの世界を対象とした古蹟なので、もちろん、物語の登場人物が、そこに生きていたわけではない。
しかし、物語から得たヒントを手がかりに、その舞台を探し出すのは楽しいし、また、自分で探し出さないにせよ、古蹟と定められた場所から、物語や登場人物の匂いを探るのも、わくわくする作業だ。
 


【宇治市源氏物語ミュージアム】


   
           宇治市源氏物語ミュージアム  

宇治市源氏物語ミュージアムは、1998年にオープンしたばかりの新しい博物館だ。
光源氏の邸宅「六条院」の想像模型、実物大の牛車、平安時代の装束等、展示品は、『源氏物語』のことはもちろん、平安貴族の生活様式も再現していて、誰にでも分かりやすい。
映像展示室では、篠田正浩監督による約20分の短編映画「浮舟」が上映されている。
人形とCGを使った作品。
映像展示室は、かなり凝った造りだった。


ところで、最近、おつりで二千円札を受け取った。
お財布に二千円札が入るのは久しぶりだ。
千円札と間違えそうになるので、いつもならすぐに使ってしまうところだが、「宇治十帖」ではないけれど、「源氏物語絵巻」が印刷されているので、とっておこうと気まぐれをおこした。
思えば、10円玉の平等院鳳凰堂といい、一万円札の鳳凰といい、宇治は貨幣にエンのあるところだなあ。