岡山市立市民病院 総合診療グループ(ER+GIM)

岡山市立市民病院の総合診療グループである『総合内科』と『救急総合診療科』の日常の雰囲気を伝えていきます。

OCH救命救急 M&Mカンファレンス(2014/09/26)

2014-10-02 19:18:10 | 院内カンファレンス
こんばんは。Dr.Waveです。

先週から『OCH救命救急 M&Mカンファレンス』を開始しました。
毎月最終金曜日に開催とします。

今回は初回ということで桐山救急副センター長にM&Mカンファレンスの意義とやり方を15分ほどで説明していただき、その後前の週のケースカンファレンスで取り上げた症例を基に症例検討を行いました。

同じ症例でもケースカンファレンスとM&Mカンファレンスとで追及する内容が変わってくるということを具体的に示していただきました。

どのようにしたら診療サービスが向上していくか、どのようにしたらゼロにはならない診療リスクをゼロに近づけていけるか、どのようにしたら個人的な努力だけでないシステム的なバックアップをかけることができるか、など、医療は知識や技術だけでなく「システム」であることとして突き詰めていきます。

M&Mカンファレンスを通して「岡山ER」を鍛え上げていきたいと考えています。









倉敷中央病院訪問と電子カルテ

2014-10-02 15:27:59 | 院外活動
こんにちは。Dr.Waveです。

昨日は倉敷中央病院を訪問しました。
目的は電子カルテの運用についてご教授いただくことでした。

当院はNECの電子カルテシステム「MegaOak」を利用しています。
倉敷中央病院も同じ電子カルテを導入しており、病院スタッフの規模と予算の関係から当院のversionとcontentsより数歩先を歩んでいます。

来年度5月の移転に際し、当院でも一気にversionアップをとげる予定ですが、何ができていて何が未だに課題なのかは自前だけの経験では見通しが立ちにくいこともあり、今回のような機会を作る運びとなりました。

今回訪問した際、倉敷中央病院のSEスタッフ様方が丁寧に説明をしてくださり、今後の岡山市立市民病院の電子カルテの運用方針にかなりの示唆を提供していただきました。お忙しい中本当にありがとうございました。

電子カルテは性質上ユーザー(病院)とメーカーが共に育てていくものです。プログラム開発にはお金と時間がかかり、開発されたプログラムを導入した場合当面の間競合するプログラムとのトラブルシューティングが続きます。病院のSEさんが多忙を極める原因です。一つの病院で特異的なプログラムを作る場合もありますし、複数の病院に応用できるプログラムを作る場合もあります。一定の評価を得られたプログラムは次のversionで標準化されたりします。
課題のない医療がないのと同じように、課題のない電子カルテも存在しません。それぞれの施設の電子カルテの課題を克服したり問題を改善したりするには、「使いやすさ」と「システム許容」と「予算(人的にも開発的にも)」の絡みを理解していくことが肝要です。

いい電子カルテ環境を育て上げ、岡山市立市民病院で診療を受ける患者様に喜んでいただけることが最大のアウトプットとしてとらえています。





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倉敷中央病院について
倉敷中央病院は1923年に倉敷紡績社長の大原孫三郎氏によって設立された歴史のある病院です。「治療本位の設計」、「病院くさくない明るい病院」、「東洋一の理想的な病院」の設計思想とそのベースにある理想主義と人間重視の考え方が反映されています。病床数は1161床で職員数2982人(平成26年時点)で医師は464人にもなる巨大な病院で、循環器領域もさることながら様々な分野で一流の診療を実践されています。そして目を見張るところは「サービス」に対する意識であり、病院の作りからシステムまで見習うところが多々あります。

病院における電子カルテのシェアについて
病院向け電子カルテ ベンダー別稼働状況 (2011年度)(月刊 新医療「電子カルテ&PACS白書 2011~2012」より )はシェア1位は富士通で455施設導入でシェア33.09%、2位はSSIで233施設の16.95%、3位はCSIで195施設で14.18%、4位は我らのNECで175施設の12.73%となっています。5位からは導入件数が45施設と2ケタとなっており、これらの4つがトップ4と考えておいてよいようです。