ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

馬にひかれて

2007-09-30 07:32:36 | 第1紀 生きる
学生時代、東京で僕は5年間に四回、転居した。
三軒目は東小金井駅から歩いて20分ほどの大きな農家の敷地にある長屋だった。
場所柄、府中に近いこともあって、東京生活にも慣れ、アルバイトで定期収入も得、少し大人びたことに関心を持ち始めた僕はこの頃、競馬場に通うことになった。

地方出身のハイセイコーが世を熱くした少しあとのことである。
競馬のことは寺山修司の本で学んだ。
だから、馬券よりは少し馬の物語を見る方が好きだったのかもしれない。
それにしても、パドックで見る競争前の馬はきれいだった。
馬にひかれる、そんな感じだった。

ひいきの馬はトーショーボーイだった。
テンポイントがいた。
クライムカイザーがいた。
グリーングラスがいた。
それぞれにファンが分かれ、熱狂した。
一走ごとにドラマが繰り広げられた。

そして、いつものように歩いて府中に行っている間に、友人が高校の同級生の訃報を持って、アパートを訪れていた。
目に見えぬ厚い防御壁で守られていた少年時代から、これも各々の帰らぬ時間と言う流れの中の、それぞれのドラマが繰りひろがれる人生と言う舞台へ、一歩、足を踏み込んだ。そういう歳、そういう時だったのだ。

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