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スティーブ・ライヒ:
・大アンサンブルのための音楽
・ヴァイオリン・フェイズ
・八重奏曲
ピアノ:スティーヴ・ライヒ
ヴァイオリン:シェム・ギボリー
他
ECM: 827 287-2
ライヒと言えばミニマル。ミニマルと言えばライヒ。テクノや民族音楽とも相性が良いミニマル・ミュージックというものを世間に認識させたのは、一応クラシック畑に分類されないでもないスティーヴ・ライヒその人です。
もともとライヒが作曲するにあたってのコンセプトとして、作曲家の個人的な情緒を一切排除し、なおかつ演奏者の解釈や偶然性に頼らずに作曲家が完全に制御する、というものがありました。その結果として出来たのが、テープに録音した人の言葉(意味は重要でない)を2トラック同時にひたすら繰り返して流し、一方のトラックがちょっとずつずれていくという、「それの何が音楽なの?」と疑問を抱かずにはいられない作品でした。本ディスクではヴァイオリン・フェイズがその系譜になります。
その後ライヒは方向を修正し、基本的な音パターンを繰り返しつつもアンサンブルが色彩的に変化していくという、より「音楽的」な作品を作るようになります。それはまさに長大な織物のようであり、とても耳に心地よく、それでいて強靭な発展性を持っていたのです。クラシックの1ジャンルである現代音楽は、音楽の形式や権威をブチ壊そうとしていながら、逆に個人の作曲技法の中に閉じこもって行きました。私のような好き者ならそれも面白いのですが、作曲者以外には知りようがない理屈で固められた音楽など聴きたがる人は少ないでしょう。ライヒが発掘したミニマル・ミュージックによってクラシック音楽が聴衆の耳に戻って来た、という面もあったと思われます。
私はこのディスクを聴きながら都会を歩くのがとても好きです。「大アンサンブルのための音楽」や「八重奏曲」は似たような音のパターンを繰り返して無機的に聴こえるようで、実はちょっとずつ音楽が変化していき、全体として大きな流れが存在しています。このことが都会の風景の移り変わりに重なるのです。ドライブにもいいかもしれませんね。
恐らく同じ音源の「大アンサンブルのための音楽」の動画。作曲者もピアニストとして参加しています。爽やかな曲ですが、6拍子の曲が途中で5拍子に変わり、また6拍子に戻るあたりがちょいと捻っています。
クラシックCD紹介のインデックス
HMVで買ってきました。
現代音楽と言われるものは仰るように難解で
まともには武満徹くらいしか
聴いたことがなかった(知らなかった)のですが
これは面白かったです。
短いフレーズの連続が
テクノやゲーム音楽まで彷彿とさせる感じで・・・。
その後ちょっと調べたりもして勉強になりました。
現在BGMにさせてもらってます。
あと「死者の歌」は
紹介されてる盤が無くて
エリアフ・インバル 指揮 ウィーン交響楽団という
(もちろん歌手も違う)
廉価版のCDを買いました。
やっぱりずいぶん違うのかな・・・
確かにゲーム音楽には近いかもしれませんね。ゼビウスとかスターフォースとかの音楽もミニマル・ミュージックと言えそうです。あまり思考を邪魔しない音楽だから、BGMにはいいですね。
武満徹はほんの数曲(ノヴェンバー・ステップス、など)だけ聴いたことがありますが、なんだか崇高な音楽ですね。もうちょっと聴き込んでみたいです。
歌手によって歌い方が違うと印象が全然違いますよね。インバルの「死者の歌」をアマゾンで試聴してみましたが、第5楽章「用心して」がノリノリでした。いい演奏だと思います。