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スクリャービン:ピアノ協奏曲、プロメテウス

2011-02-18 19:50:16 | CD


アレキサンドル・スクリャービン:
・ピアノ協奏曲 嬰へ短調 作品20
・プロメテウス― 火の詩 作品60(交響曲第5番)

ピアノ:ヴラディーミル・アシュケナージ
指揮:ロリン・マゼール
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
アンブロジアン合唱団

ポリドール: F28L-28076



 ピアノ協奏曲と言えばラフマニノフの第2番が有名で、「のだめ」も演奏していました。そのラフマニノフがモスクワ音楽院で学んでいた同時期に、このスクリャービンも在籍していたようで、優秀だった二人はかなり張り合っていたようです。チャイコフスキーの作風の枠内からほとんどはみ出さなかったようなラフマニノフよりも、もちろん私はスクリャービンを好んでいます。

 スクリャービンも始めは割とロマン的でロシア的な音楽を書いていました。その一つがピアノ協奏曲です。私が最も好きなピアノ協奏曲がこのスクリャービンのものです。ラフマニノフの第2番と比べてもしなやかさと繊細さではこちらが上でしょう。ピアニストとして有望視されていたスクリャービンだけあって、ピアノパートも技巧を要求しながらも情感をたたえた作りです。一方で管弦楽パートはやや単純で今ひとつな感じがあります。ピアノの邪魔をしないための配慮なのか、ピアノ以外は苦手だったからなのかはわかりませんが。

 その後のスクリャービンは、神智学なる怪しげな思想にハマり、音楽的にも神秘主義と称される独自の音楽を作り始めました。代表作である「法悦の詩(交響曲第4番)」はこの時期の作品ですが、あまりにもエロ過ぎるということで演奏禁止になったのは有名な逸話です。そのころに神秘和音なる独自の和音を開発し、これを駆使して作曲したのが「プロメテウス」です。しかもこの曲には色光ピアノというスクリャービンの頭の中だけにしかなかった楽器(?)が使われており、楽譜にもパートが書かれています。これは鍵盤を押すとその音に対応した光が発せられるもので、音と光が連動した共感覚を持っていたとされるスクリャービンならではの発想です。曲自体は鮮烈なイメージがあるのですが、肝心な部分で煙に巻かれるような感じがして、好きな曲だけれど何だかよくわからないというのが本音です。

 以下は蛇足の駄文です。私が高校3年の時、2月上旬の最初の大学受験があった日の朝、出かける直前にスクリャービンのピアノ協奏曲がNHKの名曲アルバムで流れていました。「私の好きな曲が流れるなんて縁起がいい! これは受かったな」と確信しました。ですが、その日が永きにわたる浪人生活の言わば始まりになってしまったのでした。しょうもない話ですいません。



 以前の「プロメテウス」の色光ピアノ付きの演奏の動画がなくなっていたので別の動画。色光ピアノの代わりに照明で効果を出しています。演奏は9:50頃から。


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