カール・ニールセン:
・交響曲 第1番 ト短調 作品7
・交響曲 第2番 ロ短調 作品16「四つの気質」
・交響曲 第3番 ニ短調 作品27「ひろがりの交響曲」
・交響曲 第4番 作品29「不滅」
・交響曲 第5番 作品50
・交響曲 第6番「素朴な交響曲」
指揮;ヘルベルト・ブロムシュテット
サンフランシスコ交響楽団
ポリドール: POCL-2673/5
ニールセンの交響曲はどれも明朗で、構築的で、力強く健全で、ヒューマニズムに溢れている印象があります。デンマークの作曲家であり、どことなく気骨のあるヴァイキングをイメージさせる曲ばかりです。
今回注目したいのは、交響曲第4番「不滅」です。本来のサブタイトルは英語で「The Inextinguishable」で、「消すことのできないもの」という意味に当たりますが、意訳して日本では「不滅」と呼ばれているようです。
この曲は第一次世界大戦の不安の中にあるデンマークで作曲されました。ライナーノーツによると、作曲者が言うには「音楽は生命であり、生命に似て不滅である。この交響曲は人間の魂も不滅であることを明らかにするべく意図された」とのことです。
全体は単一楽章ですが、交響詩のようなものではありません。内部的に4つに大別することもできるため、通常の交響曲の延長にあるものでしょう。書法も平易で特殊な技法も編成もありません。ただ一点、ティンパニ奏者が二人必要なのは意味があることのように思われます。特に最終部での嵐のようなティンパニの連打が人々を奮い立たせるようで、「不滅」を強く印象づけています。
この三枚組のディスクに収録されているニールセンの他の曲もとても肯定的な曲想で(楽天的ではないが)、音楽が直接エネルギーになるような消化の良さがあります。ブロムシュテットの指揮も落ち着いていながら説得力があります。久々に引っ張りだしましたが、割とカロリーの高い曲ばかりながらディスク三枚を一気に聴いてもさっぱりしていて、私もだいぶ元気になりました。
YouTubeにあった、オスモ・ヴァンスカ指揮、BBC交響楽団演奏の「不滅」最終部。
なんか凄いホールです。
ちなみにこちらは上で紹介したディスクから録音したと思われる交響曲第3番「ひろがりの交響曲」第4楽章。
結婚披露宴で私はこの曲で入場した、というちょっぴり恥ずかしい個人的トリビアがあります。
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