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リゲティ:室内協奏曲、弦楽四重奏曲第2番、他

2011-03-04 21:21:49 | CD


ジェルジー・リゲティ:
・室内協奏曲
・ラミフィケイションズ
・弦楽四重奏曲 第2番
・アヴァンチュール
・ルクス・エテルナ

指揮;ピエール・ブーレーズ
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
ラサール弦楽四重奏団
ソプラノ:ジェーン・メニング
メゾ・ソプラノ;メアリー・トーマス
バス;ウィリアム・ピアソン
指揮;ヘルムート・フランツ
ハンブルク北ドイツ放送合唱団

ポリドール: F28G 50497



 映画「2001年宇宙の旅」の音楽と言えば、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」があまりにも有名ですが、それ以外にも何曲かクラシック音楽が使われています。ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」、ハチャトゥリアンの「ガイーヌのアダージョ」、そしてこのリゲティの作品である「アトモスフェール」「レクイエム」「ルクス・エテルナ」です。また、映画のエンドクレジットには表記されていませんでしたが、「アヴァンチュール」も使われているようです。リゲティの音楽は映画のどのシーンで流れるかというと、モノリスのシーンで蜂が飛び回るような耳障りな音だったり(レクイエム)、スター・ゲートのシーンでのゴゥゴゥいう音だったり(アトモスフェール)、音楽というよりは音響として使われています。

 このディスクにある「ルクス・エテルナ(永遠の光)」は月面への着陸シーンで流れる女声の無伴奏ハーモニーです。といっても、リズムも旋律も無く、ハーモニーだけがあるような曲です。濁ったハーモニーと澄んだハーモニーが入れ替わり現れ、巨大な規模の自然現象を見ている気分になってきます。聴く人によっては宗教的な体験をするかもしれません。




 「アヴァンチュール」は映画の最後のシーンであるホテル風の部屋でチャカチャカなっている音です。この音は実は3人の歌手による声で、ひそひそ話だとかのちょっぴりヒミツでアヤシい雰囲気を醸し出している作品です。友人に聴かせたら「怖すぎる」と言っていましたが、確かにスプラッタ系の音楽にも聴こえます。

 私がこのディスクの曲で気に入っているのは「室内協奏曲」の第3楽章で、メカニックなリズムと広がる音域と多彩な音色が鮮烈です。リゲティの音楽はこういうミクロの世界を眺めているようなものがある一方、「アトモスフェール」や「ルクス・エテルナ」のような巨大なスケール感のものもあります。一般的にはペンデレツキの作品同様にトーン・クラスターを使った一派であるように認識されていますが、なんというか、ペンデレツキは社会科学系、リゲティは自然科学系という印象が私にはあります。そういえば、「アヴァンチュール」を聴かせた友人にペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」のディスクを貸したのですが、怖くて最後まで聴けなかったそうです。恐がりだなあ。


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