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アラン・ホヴァネス:
・交響曲第53番 作品377「星の燭光」
・交響曲第29番 作品289
・桃の花 作品125
・交響曲第20番 作品223「聖なる山への3つの旅」より第3楽章
指揮:キース・ブライオン
トロンボーン:クリスティアン・リンドベルイ
オハイオ州立大学コンサート・バンド
DELOS: DE 3158
なごむんですよね~、ホヴァネスの音楽。
どれも同じに聴こえますが、それがまたいい。現代音楽ではありますが、とても素朴です。「自然派」と呼ばれる事もあります。素朴なのに奇妙な音組織を持っていて、作品はすぐにホヴァネスのものとわかります。ホヴァネスはアルメニア系アメリカ人。奥さんは日本人のコロラトゥーラ・ソプラノ歌手。作品には山や日本をテーマにしたものが多くあります。作品数はやたらと多く、交響曲だけでも第1番「エグザイル(追放者)」から第67番「山への讃歌」まであります。
交響曲第53番「星の燭光」は2楽章構成で15分程度の短い曲ですが、タイトルがかっこいいですね、「Star Dawn」ですよ。このディスクのメインで、CDジャケットも1960年代のSF映画のポスターみたいでたまりません。曲はSF的でもなんでもなく、なごみますよ~。第1楽章に現れるビブラフォンのキラキラ系サウンドがちょっと面白いです。言われてみれば、ぱーっと朝日が射すような、全体的に不思議なスケール感を持つ音楽です。
交響曲第29番はバリトン・ホルンまたはトロンボーンをソロに迎える協奏曲のような作りで、このディスクではトロンボーンをなんとリンドベルイが演奏しています。トロンボーンの怪人リンドベルイがもったいないくらい、なごみ系の曲調です。とはいえ、中近東のような、インドのような、よくわからない響きですね。
近年ではホヴァネス作品がコンサートやCDで演奏される機会は確実に増えています。ですが、その音楽の「わかりやすさ」ゆえに「通俗音楽」などと軽視されたこともありました。でもそれを言ったら、アメリカの音楽は全て通俗音楽になってしまいます。通俗性と芸術性は相反する物ではないのですけどね。そんな古くさい批評をくつがえし再評価の兆しがある中、2011年はホヴァネス生誕100周年です。はたしてホヴァネスブームが来るのか? 私の中ではちょっとしたブームですよ。
YouTubeで見つけた、恐らく上記ディスクの「星の燭光」第1楽章。
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