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【ゲームクエスト】LOVE★パラ ラブリー東京パラパラ娘

2011-01-23 19:39:27 | ゲームクエスト
LOVE★パラ ラブリー東京パラパラ娘(プレイステーション)

2009年1月22日掲載

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 このようなゲームを誰が買うのか?

 ゲーム製作・販売には、限られた購買層を想定していることでしょう。たとえどんな「大作」でも、国民全員を対象にしているはずがありません。本作「LOVE★パラ ラブリー東京パラパラ娘」が狙う購買層を私が想像すると、以下のような感じでしょうか。

・都会で遊びたい10代後半の女の子
・ゲームはするが特に好きというわけではなくお金はかけない
・パラパラ系のダンスが好き
・即物的

 なんだか「コギャル」という死語が頭に浮かびます。オタクである私とは正反対の人種です。むしろ天敵です。オタクの基本は「自分なりの理屈」ですが、そんなものをくどくどと語ったところで、勢いに任せるのみのコギャルには通用しません。「キモーイ!」と言われるだけです。

 そんなオタクの私にコギャルを操作させようとしているのがこのゲームです。私も不本意ですが、コギャルにしてもいい迷惑でしょう。音楽に合わせて指示通りボタン(○×△□)を押して、コギャルにパラパラを踊らせるのです。コギャルの名前はパラ子(芸名)。18歳。上京してパラパラダンサーとしてバイトを始めたとのことです。

 最初のステージはあこがれのクラブです。今更パラパラがどれほどの勢力を持っているのかは知りませんが、パラ子はバックダンサーを従えてセンターで踊るという注目度です。へえすごいですねえ、いよいよここからパラ子のダンサー生活が始まるそうですよ、とか他人事のように思いながらゲームスタートした5秒後。

 なんて金のかかってないゲームなんだ!

 …定価1500円ですから。それでもこの金のかかってなさったら凄い。ゲーム制作で最も金のかかる部分はグラフィック制作(の人件費)なので、グラフィックを簡略化するのが低価格への第一歩です。で、本作の音楽は毎分150拍くらいの速度で、アニメーションは1拍ごとです。1秒あたり2~3枚のアニメーション。もうパラパラどころかパラパラマンガ以下で紙芝居レベルです。

 それにゲーム中は画面上方の指示ゲージばかりを凝視して、ダンスを鑑賞することができません(良いのか悪いのか)。そのゲージにしても、慣れないうちは「□△×□」とか「□×△○」とか表示されても反応なんてできません。それでも最初のステージですから「○○××」などの簡単なパターンばかりなのでクリアはできるでしょう。するとパラ子の前にチャリンチャリンとチップが投げ込まれました。

 なんというむき出しの物欲!

 あまりの表現の直接性に驚き、コギャルの美的センスを疑ってしまいそうでした。でもアクションゲームでも地べたのコインを集めることはよくあることだと考え直しました。コギャル、ごめん。

 最初のステージが終わると、バイトと称して様々なステージで踊ることになります。はじめの頃はチップ1枚が10円とか20円です。一回のダンスで最大200枚のチップが投げ込まれますから、本当にささやかな稼ぎです。クリアするごとにバイト先のステージが増え、また各ステージのレベルも3段階まで選択できるようになります。もちろんレベルが高いほど稼ぎがイイのです。

 グラフィック関係ですが、ずっこけそうになったことがもう一点あります。パラ子と「クラブで踊るカッコイイ人たち」は普通に表現されているのですが、「一般ピープル」は落書きのような適当な絵なのです。しかも人間も動物も幽霊も全部同じような顔です。コギャルの目には世界がこのように映っているのでしょうか。名声が無い人には顔すら必要無いというのでしょうか。それではまるで修羅の国ではありませんか…。

 ゲーム中盤になると、脳の中に変な回路ができてきて操作に混乱はなくなります。そしてついに隠しステージとしてAKIBAが出現! コギャルとオタクはお互いどう接するのか!? どちらの肩を持てばいいかわからないが、とにかくスタートだ!

 4人のバックダンサーもオタクだが、思った以上にオタク描写がひどい! 長髪、Tシャツ、メガネに小太り。顔の造形も最低レベルだ! これがコギャルが認識するオタク像なのか!? 一方、パラ子に目もくれず、背を向けて画面奥に歩いていくアキバ系オタク達! コギャルがよく言う「アウト・オブ・ガンチュー(眼中に無い)」はお互い様だということか! パラ子にとっては完全なアウェーか?

 とはいえ、クリアすればちゃんとチップが投げ込まれます。「自分なりの理屈」をもってパラ子を評価するオタクもいるのでしょう。しかもレベル3ではチップ1枚あたり1万円です。1ステージで最大200万円は稼げます。今まで小銭をちびちびと稼いでいたのはなんだったんでしょう。オタクすげえ!

 オタクは他人の趣味に関して基本的に口出ししません。なぜなら自分の趣味に口を出されたくないからです。「その趣味は私は好まないが、君が好むのは自由」というスタンスです。そしてオタクは自分が好んだ対象には惜しみない愛情を注ぎます。奔放なコギャルにとって、オタクは案外いいパートナーなのかもしれません。

 オタクが金を持っている限りは。

 プレイ中はL/Rボタンで効果音を鳴らすことができます。あるタイミングで鳴らすとゲームを有利に進めることができます。また、稼いだ金額でエンディングが変わっていくようです。私は今のところ2000万円稼ぎましたが、そのうち1億円まで稼いでやるつもりです。

 バブリーでキャッチーな音楽、わからなそうでわかる操作感覚、チープで派手で凶悪なグラフィック、ビミョーに歪んだコギャル時空などが、税抜き定価1500円で楽しめます。ただし、本作の購買層はコギャルとオタク限定ですよ!


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