記日きつい思れぐま気 from バンクーバー

2012年4月から妻の海外赴任に伴い主夫業と育児に励む30代男性の日常。バンクーバー関係ないことも多々あります。

感想文「全然酔ってません」

2012-07-27 10:37:22 | 本の感想
年中お酒を飲み歩いている大竹聡さんのエッセイ。もうタイトルからして酔っぱらっちゃってます。この一言だけで、ベロベロに酔ったおじさんが鼻を真っ赤にして呂律の回らなくなった口で唾を飛ばしながら何事か訴えている様子が目に浮かびます。ああ、めんどくさいことになったなあ、と。

エッセイの内容は徹頭徹尾お酒。どこそこで誰それとお酒を飲んだとか閉店する飲み屋の思い出だとか失敗談だとか、とにかくお酒。ひたすらお酒。時として読んでるだけで酔っぱらいそうな内容なのですが、著者のお酒に対する愛情が文からにじみ出ていてついつい読み進めてしまいます。この方、とにかくお酒が好きなんですね。理由をつけては飲み、理由がないからと飲む。そんな話をひたすら読み続けていると僕までなんだか飲みたくなってしまうわけです。凍らせた焼酎で作るホッピーの美味しそうなことといったら!そんなシャレた(?)ものはバンクーバーにいるとまずもって飲めないわけでして、飲めないと思うと余計飲みたくなるのが人情というものでございます。

それにしてもこの著者、それだけ飲む人だからさぞや酒豪かと思いきや、電車を乗り過ごし(これを著者は「ブラックアウトエクスプレス」と表現している)、タクシーの運ちゃんにからみ、道ばたで吐き、記憶を失い、翌日ひどい二日酔いに悩まされるわけだからそうでもない。そこがまた本書を味わい深いものにしています。ほんともう、どこにでもいそうな等身大の酒飲みなんですね。

僕も最近でこそあまり飲まなくなったものの、学生時代から社会人3年目くらいまではバカみたいに飲み歩いてましたので、タクシーの運ちゃんにからみこそしなかったものの、ブラックアウトエクスプレスに乗ったのも一度や二度ではありません。でもタクシーに乗って帰るお金はなかったので、車を持っている友達を呼び出して迎えに来てもらったり(←最低ですね)、ファミレスで夜を明かしたり、駅の軒先で新聞をひいて寝たりしてしのいでました。ろくでもない経験ではありますが、今となってはあれはあれでいい思い出だなあなんて感慨にひたってしまったりしちゃいます。

そんなわけで、モツ焼きを食べながらホッピーを飲むことを帰国時の課題に加えておきますので、その節はどなたかご同行をお願いする次第です。


ぜんぜん酔ってません 酒呑みおじさんは今日も行く (双葉文庫)
クリエーター情報なし
双葉社

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