記日きつい思れぐま気 from バンクーバー

2012年4月から妻の海外赴任に伴い主夫業と育児に励む30代男性の日常。バンクーバー関係ないことも多々あります。

感想文『潜入ルポ 中国の女』

2012-02-17 22:08:21 | 本の感想
何でオススメされて手にとることになったのか忘れてしまったのだけれど、すごく興味をひかれたので読んでみました。


「凄まじい。」


まず出てくるのはそんな一言。いやね、中国って国、なかなかちょっとちょっとな国じゃないですか。臓器売買とか人身売買とかあるよーとか、情報統制すごいよーとか、漠然とした知識としてはもちろんあるんですけどね、取材対象者の息遣いや表情が伝わってくるようなものすごく生々しくリアルな描写に触れると、改めてすごい国なんだなあと思うわけです。日本で普通に生活していたらまず見ることはおろか想像すらすることのない世界があるんだなと実感させられ、息苦しささえ感じさせられます。

この本に出てくる人たちは、エイズ村と呼ばれる、村民の多くがHIVキャリアの村の女性や、都会で楽しく暮らそうと騙されて北京に出てきて売春婦をやる女性、嫁にするために人身売買で買われてきた女性、危険思想の持ち主とされて当局に追われる女性などが次から次へと出てきます。農村では「女性に生まれるくらいなら牛や馬に生まれる方がまし」と言われるくらい虐げられる女性達。そんな彼女達を「たくましく生きています」なんて軽々しく書かず、ただひたすら現実を描写する著者の筆力に圧倒されるのです。

読んで何をするわけでもないし、すごく楽しい本でもないのですが、色々と感じるところがある一冊。色々な方に是非読んでみてほしい本です。すごくオススメ。

潜入ルポ 中国の女
クリエーター情報なし
文藝春秋



しかし、中国がこんな国になったのはやはり共産国家になったからなんでしょうかね。毛沢東さんの手によるものなのかしら。以前いただいてまだ最初しか読んでない「マオ」を読まねばなあと思ったのでした。これも読んだらまた感想を書きたいと思います。

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