Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

映画「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」感想

2018-12-19 21:13:44 | 映画


※この文章には「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」のネタバレが含まれています。

みなさんこんにちは。もうすっかり年の瀬ですね。

12月に入ってから周囲がバタバタしているので、あまり年の瀬感がありませんが、もう2018年も終わるんですねぇ…(遠い目)
2018年は色々といろいろ、いろいろがあったので、来年はもっと穏やかな年になって欲しいです。ホント…。

さて、ぼやきはこのへんで終わりにして、「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」の感想を書かねばなりません。
公開してすぐに2Dの字幕版を見たのですが、その時「これは3Dで見ると感想が違ってくるのでは」と思い、3Dで見るまで感想を保留にすることにしました。ええ、別に1回見ただけでは内容を理解できなかったわけではありませんよ、けして。

で、その結果、3Dで見よう見ようとタイミングを計り続けていたら、いつのまにか地元香川のシネコンでは3D上映が終了していました。ががーん。まあ、負け惜しみを言うと、12月上旬に私が滞在していた東京の映画館でも3D上映は結構少なかったから、仕方ないのかもしれませんけど。ちなみに4DX上映館は割とあったのですが、高いからスルーしましたの。おほほ。

というわけで、2回目は2D吹替え版で見ました。字幕版は上映回数が少なくて、見に行ける時間帯の上映がもうなかったので。

あらすじは書くと長くなるので省きますが、簡単にまとめるとこの映画では

前作のラストで逮捕されたグリンデルバルド(ジョニー・デップ)が脱獄して、前作のラストで死んだと思っていたクリーデンス(エズラ・ミラー)を味方に取り込もうとする

のと同時進行で、

魔法動物学者のニュート(エディ・レッドメイン)が、ゴシップ紙の記事を見てニュートが結婚したと誤解しているティナ(キャサリン・ウォーターストン)に釈明しようとする

のと同時進行で、

ニュートたち魔法族と違って魔法が使えないマグル(つまり人間)のジェイコブ(ダン・フォグラー)とティナの妹のクイニー(アリソン・スドル)の悲恋が描かれています。あと要所要所でダンブルドア(ジュード・ロウ)も出てきます。役者名はわかりませんがマクゴナガル先生もちらっと出てきました。

しかしまあ最後まで映画を見たら、いろいろ策を巡らせて敵も味方もばんばん殺すわ魔法使いたちを操って混乱を巻き起こすわのグリンデルバルドより、のちのホグワーツ魔法学校の校長先生であるダンブルドアが一番悪いような気がするのが不思議です。なぜなんででしょうね、グリンデルバルドのように「悪いことしたったでー!」な人より、「いやいや困ったよまったく…ふぅ」って肩をすくめながら首を振る人のほうが、タチが悪く思えてしまうのは。それは多分、この映画の中で明かされたクリーデンスの衝撃の出自とか、グリンデルバルドの目的よりももっと大きな秘密を、ダンブルドアが隠している気がするからでしょうけど。

1回目の鑑賞時は通路側の座席で見たので、スクリーンを正面から見ることができなかったのですが、そこを反省して2回目はスクリーンとほぼ同じ高さで、正面から見られるど真ん中の席で見ました。途中、トイレに行きたくなったらどうしようと不安だったのですが、平日なので私と同じ列に座る人がいなかったので心配はいりませんでした。というかトイレ行かなかったけど。上映時間の長い映画を見る時って、そのへん心配ですよね(若い人にはわからないか)。

というわけで、スクリーンを正面から見た結果、ド迫力の映像を楽しめたので、高所恐怖症じゃなくて乗り物酔いしない人はぜひスクリーンと同じ高さでど真ん中の席で見ることをお勧めします。冒頭のグリンデルバルド護送シーンとか、魔法省の吹き抜けを見下ろすシーンとか。3Dならもっと楽しいだろうけど、2Dでも充分楽しいです。

映像美の点では、今回も魔法動物たちがかわいくて個性的で、ニマニマしながら見てました。1作目からおなじみのニフラーは赤ちゃんニフラーも登場、ボウトラックルはピンチに活躍、新登場の猫科の魔法動物ズーウーは、巨大なのにかわいい。暴れててもかわいい。ズーウーをなだめるために、ニュートが猫じゃらしみたいなおもちゃを使う場面があるのですが、あれと同じものを物販で売ってくれたら買うのになーと残念に思いました。

ズーウーだけでなく、今作には新しい登場人物が多くて、その分自己紹介につぐ自己紹介に尺を取られて、あまりストーリーが進んだ気がしませんでした。そのくせ肝心なところは終盤一気にたたみかけるようにセリフで説明してくるし。説明し終わったと思ったらその人物はすぐ死んじゃうし。いや、もしかしたらクリーデンスみたいに生き残ってるかもしれないけどさ。ハリポタの世界では死者とも会話できたりするから、その線もありうるし。

映画のラストで、クリーデンスは“赤ん坊の時に海難事故で死んだと思われていたダンブルドアの弟”だということになっていましたが、それまでに出自について二転三転しているので、果たしてそれがホントかどうかはまだ怪しいです。そもそも、グリンデルバルドはダンブルドアのことしか考えてなさそうなので、そのためならなんでも駒として利用するんじゃないかと疑ってしまう訳です。

ニュートのかつての想い人、リタ・レストレンジ(ゾーイ・クラビッツ)は、ニュートの兄テセウス(カラム・ターナー)と婚約していて、なおかつクリーデンスの出自とも深く関わっている重要人物なのですが、そんな彼女も映画の終盤であっさり退場してしまうので、このシリーズは油断なりません。再登場の可能性がないわけでもないですが、これ以上登場人物増えるのもつらいです。

公開前に話題になっていた、マレディクタスのナギニを演じるのは韓国人俳優のクローディア・キム。ハリポタファンの間ではヴォルデモートに仕える蛇として知られているナギニが、かつては人間の女性の姿をしていたという設定に批判の声もありましたが、彼女がどんな経緯を経てヴォルデモートに仕えるようになるのか、今作の中では予想がつかなかったので今度の展開が楽しみです。ファンタビシリーズは全5作あるそうなので、残り3作もあれば大丈夫ですよね、きっと、うん(自分に言い聞かせている)。彼女とクリーデンスの関係は恋愛ともいえないくらいに淡いものでしたが、寄る辺ない身の2人が寄り添っている姿は美しくも悲しくて、やるせない気持ちになりました。ま、美男美女なんだけどさ。

悲恋の2人といえば、前作のラストで別れたジェイコブとクイニーが、今作の冒頭でみごとカップル復活…したかと思えばラストでまた別離で、もしかしたらこの先最終作までこれを繰り返すんじゃないかと疑う気持ちもありますが、前作同様に今作の別れも泣けました。最後には結ばれてほしい2人ですが、J.K.ローリング先生だから油断ならない…。

ハリポタ時代同様、情け容赦なく登場人物をバンバン殺していくローリング先生ですが、ハリポタ1作目に名前だけ出てきた錬金術師のニコラス・フラメルが登場したのは嬉しかったです。死なないのわかってるし。しかも若い魔法使いたちをばしっと指揮して戦うし。私は戦うおじいちゃん、戦うおばあちゃんが大好きなので、これはとても嬉しいサプライズでした。

他にもいろいろ書きたいことはあるのですが、いま先走って感想を書いて、3作目で予想が外れてがっくしなんてことになってもいけないので、これくらいにしておきます。最後にひとつ書くなら、グリンデルバルドが信奉者たちにみせた幻影、“これからマグルが犯す愚かな行為=戦争”が現実にあったことばかりなのに慄きました。ファンタビの映画の中で、第2次世界大戦やそれ以降の戦争についても描かれるんでしょうか。ナチスも、原爆(とおぼしきキノコ雲の映像があったので)も。それはとてもチャレンジングなことですが、どういった視点で描かれるのかとても気になります。


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