さあ~てと 帯しめましょか。

人生、山あり谷あり
向かうはわが身の置き場所よ。
帯締め、気を染め、往きましょか・・・  ~part 2~   

看病記3☆9

2008年03月24日 21時15分15秒 | 看病記

私の人生の中での忘れられないことを、「思い出語り」として書いています。  

今は、 『看病記3☆9』 高校1年生、冬休み前~春休みの時の話・・

 

 

 

第3部_9話 ≪別れの日≫

 

学期末テスト最終日、この日が終われば6日間のテスト休みに入り、

そして終業式の後、2週間の春休みの予定でした。

さあ、あと20分で終了という時でした。 

それは、突然・・・本当に突然・・・でした。

 

ーー 母、危篤の連絡が入ったのは・・・

 

 

病室へ入ると、異様な雰囲気が漂っていました。

直接心臓に注射するのと、電気ショック、この二つをみると

もう最後の手段という気がしてしまうものです。

 

ーーー もう、やめて もういいんじゃないの

ーーー せめて最後は静かに逝かせてあげて

 

私は、声を出しそうになって、両手で自分の口をふさぎました。

なんだか死者に鞭打つような気がして見ていられませんでした。

親族が見守る中、私は病室から外へ出ていました。

私は母と別れをするのが嫌だったのかもしれません。

父が泣き崩れる姿をずっと見ていられなかったのかもしれません。

  




暫くするとみな病室から出てきました。後々の相談をするためでしょう。 

私は入れ替わりに中へと入りました。

私はなぜだか、冷たい子供だと思われるかもしれませんが、

ものすごく冷静に受け止めていました。
 

 

 

看護婦さんがエンジェル・ケアをしてくれていました。

 

「綺麗に体を拭きましょうね・・・

どんなに年とっても、女性だものね。

お化粧をして口紅もつけて、髪もとかしましょうね」 

 

ほんのり化粧された母は、見違えるぐらい美しく、

まるで眠っているようでした。 

そして、今までの煩わしさから解放されたかのようでした。

看護婦さんが エンジェルセットを片づけて、出て行かれました。

 

 

 

 

 

ーーー かあさん・・・

 

 

 

ーーー よかったねえ きれいにしてもらって・・・

 

 

 

 

 

 

 

私は ・・・ とめどなくあふれくる涙を・・・

 

 

            もう ・・・ 抑えきれませんでした。

 

                                     

 

 

 

 

 

                                看病記_第3部_完 


 

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4 コメント

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Unknown (楽人)
2008-03-24 23:13:35
電気ショックは、本当に残酷な感じを受けますね。
稀にそれで助かる人もあるのでしょうが、本当にそこまでやらなきゃいけないのか、と思う時もあります。
返信する
いよいよ (ドクターKです)
2008-03-24 23:54:10
来てしまいましたか
覚悟は出来ていたとはいえ
余りにも突然すぎましたね
確かに蘇生措置は、家族にとっては
辛いですよね
確かにお医者さんは懸命に蘇生させようとしてるの
でしょうけれど、楽にしてあげる事も
必要だと思います
返信する
楽人さん、ありがとうございます! (obichan)
2008-03-25 10:24:30
蘇生術は、医者が一生懸命、手を尽くしたという
一種の表現になってしまってる気がします。

もう少しいろいろな表現の仕方があっても・・と思います。
返信する
ドクターKさん、ありがとうございます! (obichan)
2008-03-25 10:37:35
突然はやっぱり辛いものがありました。

蘇生術も独特な雰囲気があっていやなものでしたね。

>楽にしてあげる事

それも必要な時もあって当然だと思います。
返信する

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