衆議院を解散した理由

2005年08月25日 | 思つてみました
こんなに国政について考える日が来るとは…

風雲急を告げるというか、何でもアリというか
予想通りの泥沼の選挙戦になりそうですね。

自民党290人、民主党289人、公明党9人、
共産党275人、社民党37人、国民新党5人、
比例代表単独を含め計1068人だそうで…
自民党と民主党と共産党の出馬数が異常に多いですね。
というか共産党ってコスト効率悪いな…

で、どうしても衆議院を解散した理由が判らなかったのですが
Webを調べて回っても、イマイチ望みの回答が得られず
ブレインズの反応もイマイチと、途方に暮れていましたが
意外なトコロから回答を頂きました。

奥様の友人のおねーさんズの一人が教育学部の社会学科だったそうで
忘れてるかもしれないけど、という前置きながらも
詳しく教えていただきました。

・何で衆議院を解散したの?
衆議院で可決して、参議院で否決したのに
何で衆議院を解散するの?という素朴な疑問なのです。


衆議院で可決した法案は、参議院で否決されても
再度衆議院に戻して3分の2以上の賛成を得られれば
法案化できるんだそうな。
そういえばテレビでもそんな事言ってたかも。

が、今回の衆議院での可決はたった5票差なので
再度もどしても3分の2以上の賛成を得るのは
コイズミさんも流石に無理と思ったのでしょう。

で、ココが目ウロコだったのですが、
現行の衆議院で3分の2の賛成が取れないのであれば
3分の2の賛成が取れる衆議院にすればいい
というのが政治家の理論だそうで…

自民党の議員が多数当選するというコトは民意が
郵政民営化を求めているという事で、
それによって反対議員も減るので3分の2は
行けると読んで衆議院を解散したのでしょう
との説明を受けました。

個人的にはそれで議席が確保できなくても、
「郵政民営化に反対した」という解釈にして
決して自らの構造改革の失敗とはしない気がする…
はふん

・あの解散は普通なの?
解散の方法が一方的だった気がするんだけど、どういうこと?
という質問です。


今回は憲法7条に基づく解散で「7条解散」といわれるけど
わざわざそう呼ばれるのには理由があるとのコト
というか「7条解散」と呼ばれていることも知らなかった…

日本国憲法では69条による解散が王道とされていて
7条と69条で何が違うのかというと
7条:天皇は内閣の承認によって衆院を解散させられる
69条:衆院で内閣不信任案が可決又は内閣信任案が否決されたら、
10日以内に議会を解散しなければ内閣は総辞職しなくてはならない
という違いがあるんだそうな。

つまり7条は天皇が衆議院を解散できる権利なのであって
決して内閣総理大臣にその権限があるわけではないというコトらしいのです。
小泉さんは、自分が解散権があるかのように転用してますが
これは憲法解釈上ちょっとおかしいとのコト

以前同様の解散がされた後、合憲か違憲かで裁判になって
そのときの最高裁は
「高度に政治的すぎて裁判所が決定するのにそぐわない内容」
として却下したんだそうで。(出展探せなかった…)

以降合憲がどうかグレーとされながらも、
内閣総理大臣による解散の根拠として「7条」が使われた事が
過去に何度もあるそうなのです。(知らなかった…)
で「7条解散」とわざわざ数字をつけて取り上げられるんだそうで。

天皇もヒトコト物申したい気分で一杯なのじゃないかと想像します。

・何で総理大臣の罷免をしないの?
そもそも内閣総理大臣を罷免できるのかどうかも判らないんだけど
何で皆で「総理大臣やめちゃえ」ってやらなかったの?


総理大臣を罷免っていうのは憲法上存在しないんだそうで。
今の憲法ではいったん総理大臣になっちゃった人を辞めさせるには
内閣不信任案提出 -> 可決 -> 内閣総辞職 -> 総選挙 -> 首相擁立
というステップなんだそうですよ。
そうか、結局、総選挙は避けられないのか…

・何で内閣総辞職を求めなかったの?
同じく「内閣も入替えよう!」という風にはならないの?という疑問


で、結局、内閣総辞職の要求=不信任案の提出だそうで…
それすら知らなかった…

じゃあ、不信任案を実際に提出したとして可決できなかったの?
と思うけど、実際は無理だったんじゃないかな?ってゆわれました。
結局、郵政民営化法案に反対していた議員さんも法案に反対なのであって
自民党を辞めたりしたいわけじゃないし、自民党を崩壊させたい
わけでもないので、郵政反対派の自民党議員が野党とくっついて
過半数勢力を作って、というシナリオは現実的じゃないんじゃ?
ってカンジらしいです。確かにそうですね。
すっかり郵政反対=自民党反対みたいな気分になってますけど
あくまで一つの法案ですもんね。

まぁ、過半数取れないのがわかっていても民主党あたりが
提出することにパフォーマンス的な意味はあったとしても
結局は総選挙なんだし、いたずらに政局を混乱させるだけに
なってたのかもしれませんよね。

・国民投票という選択肢は可能なの?
小泉さんは国民の真意を問いたいのであれば
国民投票にすればいいのに、と思うのですが…


が、通常の法案成立には国民投票は無いんだそうです。
憲法改正の時だけは別だった気がする、って言われました。
うっ、学校で習った気がする…

所得税導入の時とかに、日本でも国民投票を導入しろ!って声は
時々あるんだけど実現するには憲法改正手続きが必要なんだとか…

確かに日本は国民が直接法案に是非を示せず、選んだ議員が代表して
立法する代表(間接)民主制ですからね…
直接民主制的な国民投票のシステムは無くて当然か…

昨今のネットワークの発達を見ると、立法は国会議員が行うけど
導入の是非の判断は国民が行う、なんて事もありえそうですね。
セキュリティの問題さえ解決できれば…つか無理か。

なんかの小説で、週末にはテレビで投票するっていう
記述があった気がする…なんだったっけ?

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そんなカンジだそうです。個人的には非常にスッキリしました。
政局にではなく、疑問が解消されたことに、ですが。

というかね、Web上にはこんなにも知識の断片が転がっているのに
教えてもらわないと確信が持てませんでしたよ…
奥様とキャイキャイ議論を戦わせても、結局それが
正しいのかどうかも判らない始末…

結局知識を求めるにも知識ベースと知恵が必要である事を痛感。
やっぱ勉強しないとダメだわ。
知識を蓄積して知恵を醸成します。

関連エントリ:
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