みみこのneko的生活

スノーボードとねことともに・・・がんと向き合って生きる

初夏の読書日記

2011-07-16 23:30:13 | 本と雑誌

Dsc03906 Dsc03819Dsc03820

①「こういうこと。」「朽ちていった命」「役にたたない日々」

②みーみーとにゃんちんの安眠を妨害する白い影(ぶっちゃん)。

③「ほんとやーねー。」「でりかしーがにゃいんだから!」(にゃんちん&みーみー)

広瀬隆+たんぽぽ舎「こういうこと。終わらない福島原発事故」金曜日原発=広瀬隆とインプットされているくらい私の中では原発に関する権威です。チェルノブイリ事故後に注目を集め、私も本を読んだり、講演に行ったこともありました。ただ、このような私にとっては全うと思われる発言をされている方は一般の中ではそれほどメジャーな存在ではないのかもしれません。原子力ムラからは大きく外れ、マスコミの報道にも、また、政策を論じる委員会等にも呼ばれない存在です。多くの著書をお持ちですが、この本は原発事故後の4月30日に東京で講演されたものをまとめたということもあり、とても読みやすいです。写真やデータもわかりやすく載っています。

私自身、広瀬さんの講演には行けませんでしたが、別な講演会やパレード(デモ)などにいくつか参加しました。そうだろうとは予想していたけれど、報道されている以上に深刻な状況であることを知り、ショックを受けました。東北(また、関東や関西圏内に至るまで)は今のままではどうなってしまうのか、北海道も本当に大丈夫なのか、また、泊原発はどうしたらよいのかということも考えさせられました。

NHK『東海村臨界事故』取材班「朽ちていった命ー被爆治療83日間の記録」新潮文庫NHKスペシャルでも放送された内容をさらに詳しく書かれた本です。人というのは本当に忘れる生き物で、この本を見て、「ああ、あったなあ」と思い出した事故でした。最初はショッキングにニュース報道されたものの、その後フェードアウトし、なんとなくリアルには感じられずにいたように思います。が、この本を読んで思い出したのは、小学6年生の頃、広島の原爆記念館で見た写真や皮膚の標本の数々でした。子どもながら、本当に本当にショックだった。こんなことがあったのかと。

事故に遭われた大内さんも最初は普通に話もでき、一番被爆線量のあった右腕も少し赤くなっている程度だったのが、11日目を過ぎた頃から状況が悪くなり、26日目の写真では原爆資料館で見たような赤くただれた状態になってしまいます。

医療者がかつて見たことのないようなデータ、経緯、救うことは不可能と思われる状況のなかで、どのように患者や家族に向き合っていくのか、葛藤しながら医療行為を続けていきます。淡々と状況を追っていく文体のなかで、医療者や本人、家族の語りが出てくるのですが、本当にこんなことがあっていいのかと悔しい思いでいっぱいになります。

以前TVで、原発で働いていた夫を亡くし、労災と認められたという経験を持たれた女性のお話を聞いていて、「これは戦争だな」と思いました。人の命を命と見ない、それは戦争と同じだなと。

そして、核は踏み絵みたいなものかもしれません。人にはすべてのコントロールが可能なわけではないし、科学も万能ではない。そのことをもっと肝に銘じるべきなのではないかと思うし、生きていくなかで何が大事なのか、いま一度しっかり考えるべきなのでしょう。

佐野洋子「役にたたない日々」朝日文庫実は、最近、仕事上でいろいろ考えたり、珍しくイライラしてしまうことが続き、精神的にちょっと凹んでいました。そんななかで、読んだこの本。まさに何かにイライラしたり、怒りを爆発させたり、落ち込んだりっていう内容が主なのだけど、なぜか明るく、笑えてしまうんです。ここ一週間はこの本で随分救われました。昨年亡くなられた佐野洋子さん。絵本にも大好きなものがたくさんありますが、エッセイも天下一品です。

また、この本の中には、2年と余命宣告され、抗がん剤や延命を断り、その足でジャガーを買うエピソードも出てきます。佐野さんの生き方というか、死に方というか、そんなところも出てきて、ふむふむといろいろ考えさせられるのでした。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
原発、やはりノーと言いたいです。 (トマト)
2011-07-17 11:08:00
これまでにも、組合でも、反対の姿勢は取ってきたけれど、
押し切られてからは何となく黙認のような感じになっていたように思います。
延命、今回、母のことでドクターに考えるように言われました。
自分で選ぶことができる。
それが一番ですね。
返信する
トマトさん (みみこ)
2011-07-17 21:29:24
そうですね。
私もやっぱり原発はノーです。

確かに、労組のみならず、反原発運動自体が一部の人たちや団体以外は尻すぼみになってしまった印象があります。
でも、数年前に泊のプルサーマル導入に関わっての説明会に参加した時に、若い人たちがずいぶんたくさん参加し、意見をがんがん言っているのを見て、これは少し風が吹いてくるかもと思いました。
現在、報道などではあまり取り上げられていないけど、デモや学習会なども若い人たちが多く参加し、以前とは違った雰囲気で、何かがもしかしたら変わるかもと思えてきます。
私もできることをやっていきたいし、学んでいきたいです。

延命については、自分の入院中からよく考えてきたことで、自分は佐野洋子さんのように延命は希望しないと決めていました。
でも、「朽ちていった命」の大内さんのお話を読んで、さらにまた考えさせられました。
大内さんの家族の思い、医療者の思いを読んでいて、「自分なら、さあ、どうする」と。
本人の場合、家族の場合でも違うでしょうし。
難しい問題ですが、自分が元気なうちから考え、家族に伝えておきたいことでもあります。

返信する

コメントを投稿