ヌーおぢさんは投稿する

ネタが尽きるまでで始まり、現在に間延びしている・・・

劒岳<点の記>

2009-02-18 05:00:00 | 
登山をするので(長いこと登っていないが)、山に関する本は気になる。



山頂には地図(地形図)を作るための測量用の標石がある。

見通しの良い山には大抵、埋定されている。

このような行為は、明治時代になってから国政として本格的な一大事業に。

江戸幕府の命による伊能忠敬の日本地図作成は有名。


が、明治になっての近代日本では5万分の1の地図を作ることが国政となった。

現在では、登山をするのに5万分の1あるいは2.5万分の1の地図を使う。



この<点の記>は明治時代後期、

参謀本部陸地測量部三角科に所属の陸地測量手・柴崎芳太郎の物語。

昭和13年没、享年64歳。


参謀本部陸地測量部は、現在の国土地理院の前身。



測量部は3つに分かれており、他に地形科と製図科があった。

主人公の柴崎は地図作成の先となる現場測量をする仕事だった。

山に登り、山の位置、山の標高、地形(厳密には柴崎の仕事ではない)を調査。






当時、劒岳周辺の地図は無くて空白地帯だった。

誰も登ったことがない、誰も登れないという伝説の山「劒岳」、

その頂上に三角点を埋定しようとする。


「点の記」とはその三角点を設定するための公式な記録のことをいう。

公式名称か、呼称かは知らないが。



当時の登山装備は今と比較にならないくらい貧弱。

ルートもない。

そのような中で測量を行う知られざる測量官の物語。



現在では「劒岳」も一般の人が登山できるルートがある。

(以前、山行予定があったがお流れになり、未だに登っていない)




作家は、「八甲田山 死の彷徨」「強力伝」「武田信玄」の新田次郎。

山岳物が多い。




一気に、徹夜で読んでしまった。

(その後、爆睡があったのは言うまでも無い・・・


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