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 バイクが教えてくれたことなどを勝手に気ままにつづるブログです。
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その6 穴埋めにやって来たバイク NS250F(1984~86)

2012年11月03日 16時38分09秒 | 5.思い出のバイク

さて、全損したRZ350に変わって足が必要です。 同じバイク屋のおっちゃんに「なんか、代わりに無い?」と相談すると、「やっぱり 2ストか?」と聞くので、「そうやねぇ、400は重いし。。」と当時中免ライダーなので、やはり面白い2ストです。

Ns250f_1984


この時はもう、第2次レプリカブームで、ホンダはNS250R、スズキはもちRG250Γ、ヤマハはTZRが覇を競っており、初戦はヤマハ優位だったものの、各社実力伯仲の状態。そこに、ちょっとレプリカ色の無い、地味なネイキッド版のNS250Fが有りました。

私にしてみれば、RZのホンダ版と言う感じで、ポジションも楽だし、いち早くメッキシリンダーを採用して、ヘタらなくなった2ストエンジンを試してみようという気も有って、中古の2年落ちでゲットしました。

そして、手に入れてから半年ほどは石川でリハビリ兼自分の慣らしという走りをしましたが、どういうわけかこの時に女子とお知り合いになり、「バイクに乗りたい」ということで、では「免許を取れ」と指南しつつ、数年ぶりの2ケツ運転を何度か、NSには担当してもらいました。
 


NSは今でも中古あるなら買って損はしないと思います、というのも第1期2ストとは違って、明らかにピストンクリアランスが狭く、摩耗もしないので、ピストンリングだけ代えれば、ほぼ初期のパワーが出るでしょう。クランクもそんなにオイル絞った設計で無く、それなりに煙が出ますので、ベアリングが厳しいものも無いのではなかろうか。


で、このNS、これまで経験した2ストのなかで、一番のジキルとハイド、そして高回転型。何をもって2ストらしさと言うかは、原体験のバイク次第でしょうが、やはりパワーバンドに入った時にターボのごとくモリモリ走る場面と、一旦はずれたら、モモー、モ~っ 、、と「おまえは原付か!」と言うほどの腑抜け状態の入れ替わりでしょう。(これは、わざというより、ホンダの2ストに対する技術の遅れとあせりを体現していたようにも思います)


このNSは、下は125cc程度で走れるよ、という領域が5000回転?ぐらいまであって、そこで盛大に谷に落っこちて、吹けない領域が1500回転ほど。その死の谷をくぐって、再び6500あたりから今度は猛然とダッシュし始め、頭打ち感無く1万回転まで綺麗にまわるという、非常に玄人好み(Sの人?)と言う感じです。


従って、2ケツなんてもっての外で半クラッチ使わないと、なさけなーという場面に何度も出会うし、かといってバンドをキープした日にゃ、「あんた、私を殺す気!」と言われかねないw。しかし、2ストの面白さと言う点では記憶に留まる面白い車でした。

半年後東京に引っ越してから、五反田、白金台、六本木と通過して通勤したのは25、6歳の頃だったはず。朝の通勤ラッシュで、パワーバンドキープしてコンクリートジャングルを駆け抜けるのは、結構楽しかったなぁ。仕事も慣れて来た頃だったし。


NS250Fは、フルカウルのRと、その後に続くNSRとは違う路線、で忘れ去られる身でありました。そこには、高額化するレプリカ群に付いて行けない貧乏小僧を拾ってあげよう、というホンダの情けだったのかもしれません。事実、安かったし。私はフルカウルが必ずしも好きではなく、裏山サーキット&ツーリング派だったので、鉄パイプフレームの2ストネイキッドは、結構つぼだったのです。


この分野には、後のR1-Zとか、TDRとか、市場を認めてくれたメーカの御仁達が送りこんでくれて、それなりに根強い隠れ人気車であった。それが証拠に、中古車市場で、修理されつつ今でも現役の車が少なくない。実際、今TDRとか、NS250Fのテイストを実現した160kg程度で4~5kg・mのトルクを持ったヤンチャツーリングバイク(貧乏学生ターゲット)のバイク出して、バイク人を育ててくれていけば。。。 この人達は、バイクを降りない人生を歩く確率がひと際高いと思うんだけどね。


そういうわけで、貧乏な若き社会人の生活の足として、都会とローカルを泳ぎまわった我がNS250Fでした。


(ちなみに、2ケツの彼女は無事免許取って、SRX250Fとこれまた短命なバイクを買って、何度か一緒にツーリングしましたが、転勤とともにフラれてしまうのでした(笑)。そのせいで通勤グランプリ参戦していたのかもなぁ、、と改めて思い起こした今日でした)


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