釋守成の転居物語(旧タイトル・GONTAの東京散歩)

またまた転居を目論んでいます。
5年間で5回の転居。
6回目の転居の経緯を書いていきます。

浅草松屋

2010年03月01日 23時47分19秒 | お散歩日記/東京地名の話
浅草の松屋が昨日で4階より上が閉店しました。
愛情をこめて「あさまつ」って呼んでいる下町のデパートです。

昭和6年(1931年)11月1日、東武鉄道が浅草駅まで開通したときに駅ビルテナントとして開店したといいますから、もう79年もたっているんですね。

建物は久野節設計で、昭和初期を代表するアール・デコ調の建造物で、外壁は覆いかぶされていますが、階段などにも建築当時の面影を見つけることができます。



階段の手すりもアールデコ

規模縮小の話は、少し前にニュースで聞いていましたが、まだまだ先の話、こんなに早くなると思っていませんでしたから、ちょっとびっくりしました。

三階より下は今まで通りに営業するので、完全に閉店するわけではないんですが、あのゆるい、東京の百貨店とは思えない雰囲気がなくなるのは寂しいものです。

少し前に、衣料品を買いに行くと店員のおば様が、「それは品物が余りよくないから、向こうのにしたほうがいいですよ。」なんてアドバイスしてくれて、ここは大手百貨店なのかと思いつつも、そのフレンドリーさに驚嘆したのを覚えています。

石鹸やタオルのバラ売りなんかも良くやっていて、本当に不思議なお店でした。

最近は屋上からのスカイツリーの眺めが話題になっていました。
4階から上が閉鎖ということは、当分屋上に上れなくなるなと思って、閉店二日前に出かけました。



でも思ったほどスカイツリーの眺めもよろしくなく、少しがっかりしました。

北側はがらんとした広場。夏にはビヤガーデンでにぎわったようです。
端っこには「正一位出世稲荷」が鎮座してます。





でも、不思議な遊具がたくさんある屋上は一昔前のパラダイス。
隅田川や吾妻橋、工事中で覆いがかぶさった浅草寺の本堂や五重塔、昔はさぞかし景色が良かったことでしょう。

屋上から順番に階を降りてくると、食堂に催事場・・・・全館売り尽くしのなのに催事場でまだバーゲンをやってる不思議さ。
うーん、誰が着るのか場末の洋品店にも置いていないような紳士服に婦人服。

食器売場はたくさんの人だけど、元が高いから半額でも高い。
文房具売場は、半額で黒山の人だかりだけど、ペンの類は赤や青ばかりで黒がありません。

十数年前にここで誂えで浴衣を作ったけど、今は呉服売場もなくなって、数年前から、ユニクロや電気店、書店など直営でない店が売場を占めるようになっていました。

最近は、地下の食料品と1階のお菓子売場しか行かなくなっています。
食料品売場の売り子さんに聞くと、地下はそのまま残るということで一安心しました。

いつまでも残って欲しい場所です。
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