NOSUMOOの犬死日記

日々のくだらない話と不思議な話が核
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第561話 吹き飛ばそうか、芭蕉扇であの霧を。

2012年03月24日 23時18分39秒 | 日記
月日は百代の過客にして行き交う人もまた旅人なり。



別に旅なんてしていないけどさ、
人生下り坂の旅を……なんてつまらないことはやめにしようか。

どうも、お久しぶりです。
命の奥が細いnosumooです。



いやあね、前回更新してから大分たったわけだけど、
皆さんは元気いっぱい過ごしていたでしょかね?

僕なんか、この間にいろいろとあり過ぎて、
ところてん方式で何があったか次々と忘れてしまう始末だ。

この「ところてん方式」なんてのも今の時代では死語なのか、
要するに「上書き式」で古いものは次々にかき消されてしまうということだ。



さてさて、僕がブログを書いているのは、
そういった僕の頭の致命的なプログラムミスにより、
昔のことを覚えていられないということが大きく起因している。

冗談の一種か、「おれなんてきのう食べた晩ご飯を忘れてしまうぜ」なんてね。
みそ汁の具くらいの瑣末なことであればいいのだが、
メインデッシュのステーキの味が思い出せないんじゃあ、書き記すという手段をとるのも理解できるだろう。



というわけで、こうしてせくせくとブログを書くわけだが、
今回は思わぬ事態に書かざるを得なくなったという話だ。

思い過ごしということはよくあることで、
それが誇大妄想にまで発展するのも想定の範囲内だ。

例えば、あの子とちらりと目が合ったというものが、
いつの間にか、あの子はいつも自分のことを見ていると発展し、
あらやだ、自分のことを好きなんじゃないかと大きくなる。

こんな微笑ましい内容であれば、はいはい、適当にやっていてくだされとお茶でもすすればいいのだが、
僕の場合はかなり深刻である。



例えば、赤の他人がさりげなく言った一言が自分のブログでネタにしたことで、
まさかあの人は自分のブログを見ているんじゃないかと恐怖心におびえ、
とうとうネットパトロールなんかで僕のことを監視しているんじゃないかと発展を遂げたわけだ。



……それこそ、はいはい、テキトーにやってくれの部類では?



うむ。
そうして冷静に判断が下せる皆さんはきっと正しい。
しかし、それが仕事の取引先なんていう現実に、僕の睡眠時間はきっと5分は縮まったことだろう。

まあ、僕のブログの内容と来たら、決して微笑ましいものばかりではない。
むしろ、だれかや何かをネタに、ひどく批判的なことが多い始末。

もちろん、お仕事中に、ははは、実は僕はnosumooですと名乗ることはないにせよ、
もしそんなことがばれたら、あれを書いたのはおまえかと恐ろしくなるのである。



というわけで、きょうは何度目かになるが、微笑ましいことを書こうと挑戦をするわけだ。
どうでもいいが、手始めに我がまち札幌のことでも書こうかね。



ご存じのとおり、札幌というのはいいまちである。
何がいいまちかというと、適度に広く、適度に物があり、適度に人がいるからだ。

そんな札幌に一度は来てみたいと多くの観光客が訪れ、
札幌の中心部はそんな観光客であふれ返っている。


観光の醍醐味というのは、言うまでもなく珍しさから来るものである。
だって、自分の家の隣にあるコンビニがたまたま別の土地にあるからと言って見に行きたいなんていうわけもなく、
こんなの私は知らないわ、こんなの僕は見たことがないやということで、興味がそそられるわけだ。

はたまた、今の情報社会だ。
テレビやインターネットなどで見たことや聞いたことがあるけれど、そうだな、一度は自分の目で見てみたい。
こういう流れに乗るのも悪くはない。



どうして札幌に観光客が多いのか、今の簡単な説明でおわかりのとおり、
ほかの地域にはない珍しいものが結構多くあるのではないかという単純な話である。

しかし、こうしてわざわざ丁寧に説明しようにも、
それでは、札幌には一体何があるのかという質問に対して多くの札幌人は答えることができない。

都合のいいことばかりに「記憶にございません」なんて政治家じゃあないけれど、
灯台もと暗しとはよく言ったもので、自分の身近なものへの発見というのは案外難しいのである。



なんてさ、つまらん理屈は抜きにして、じゃあ、一体何が珍しくて、魅力的なのかと問うた皆さんに朗報だ。
だって、皆さんは今の今までここにいるのだろう?



僕がいるじゃないの。



こんなセリフをかわいらしい女の子の前で言えたらきっと僕は数十年前から人生は変わっていただろう。
今やキーボードで味気なくたたく音だけが壁に染みいる蝉の声。



……。



あっ、はい。まじめにね、まじめにね。



というわけで、僕が答える。
実は何もないんだよね。



はぁ!?



これが世に言う世間様の力で、別に札幌が特別に何かにすぐれているというわけではない。
じゃあ、何で札幌は観光客であふれ返っているのかというと、
先ほどのお話に戻ってしまうが、
適度に遠い、適度に交通の便がよい、適度に何かあるがそろっているからだ。

要するに、話は戻るけれど、
みんなが旅行だというときには、まさかとは思うが、近所の公園なんて話にはならないだろう。

それじゃあ、少しばかり遠くを目指そうとするわけで、
でも、本州は陸続きだし、間違って新幹線なんかに乗ってしまえば、
通勤感覚でどこへだって短時間で行けてしまう。

そうか、旅だもの、少しばかりは旅に出たという感覚を味わいたい。
そうして、人は皆、北海道へとやってくる。

あっ、それに涼しいしね。



そうして、降り立った北海道。
思っていた以上に田舎ってわけでもないし、それじゃあすごく都会だというわけでもない。
見上げるほどのビルはあれど、そこまでずらりと並ぶほどに多くはなく、
遠くにそびえる山々はあるが、田んぼでイナゴが踊っているわけでもない。

札幌へと行けば、それなりに楽しめたのか、楽しめていないのかすらわからないくらいで、
どうにも特別というか、ここに来たかったのだという実感がわいてこないのだ。

あっ、少し涼しいくらいだね。

そうして、何日か過ごすと、いよいよお別れのときだ。
わざわざ飛行機に飛び乗ってきた札幌だけれど、一体何が印象的だったろうかと目を閉じる。
まあ、全く何もないとは言わないが、何かの特別があったとまでは言いがたい。

そうすると、可もなく、不可もなくってことになるわけで、
不可がないってことはつまり可ってこと?なんて頭の中で勝手に解釈を始め、
疲れただけではつまらないから、結局、楽しんだことにしてしまえ。
そうして、札幌という幻の魅力的な都市が誕生したのだ。



これはね、心理学で言う「1ドルの報酬」という実験によく似ている。



簡単に言うと、自分のマイナスの内的意識をプラスに変換させ、
よかったのだと思い込む人間の心理を見たものだ。



札幌は観光都市だなんて言われているけれども、それはホントのところは大きな誤りで、
何もかもが平均的であるがゆえに魅力を見出せないもやのかかった桃源郷みたいなところだ。
いやいや、せっかくだしタイトルとかけまして、兵どもが夢の……。



あれっ、何だかきょうもよからぬ方角へと賽を放り投げたのだろうかね。



そんなことは抜きにして、
いよいよ春も近づいてきたころだし、ブログ再開と行こうかななんて思いもよらないことを考えたせいか。
それとも、春の匂いに少しは浮かれた自分がいるのか。

どちらにせよ、あまり期待はできないということだけは確かのようで。

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2 コメント

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Unknown (キラ)
2012-03-31 11:28:07
こんにちわ。

久しぶりにブログ見にきちゃいました。

やっぱりnosmooさんの独特の世界観を見てると癒されます。
ありがとうございますm(__)m
返信する
お久しぶりです (nosumoo)
2012-04-05 14:10:21
癒されるなんて、僕にはもったいない言葉ですね。これから時間を見つけてぱらぱらと書いていこうと思いますので、ご期待ください。
あっ、あまり期待できる内容はないかもしれませんがね。
返信する

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