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2005年1月スタート

愚痴

2006-02-19 22:49:01 | 日記?週記?
 およそ世の中で最も気に入らないものを一つ挙げよ、と言われたら、「愚痴」を結構な確率で挙げてしまうのではないだろうか?と思う。

 何を産み出すわけでもなく、ただひたすらに非生産的な行為であり、なおかつその非生産的な行為に他人も巻き込んでしまうのである。これほど純粋に有害無益な存在というのもそうそうないのではないか、と思う。

 ツラい、苦しい、というのは多くの場合、嘆き悲しんだ所でどうしようもないものなのだ。足のしびれが切れたり、スネをぶつけたり、或いはあっつあつの湯豆腐を口中に放り込んだときと同様、それが過ぎ去るのをただ黙って耐え忍ぶしかないのである。耐える事を放棄し、泣き叫べば、すなわちそれが愚痴に相当する。

 もっとタチの悪いのは、そのツラさ、苦しさが生ずる原因が、全て自分の他にあるように思い込んでいるような場合である。

 「どうして、椅子じゃなくて、座敷なんだ」
 「誰だ、こんなところに踏み台を置いたのは」
 「こんなに豆腐を煮えさせて、口の中を火傷したじゃないか」

 当人は大真面目に自分の他にある非を責めているが、その姿は滑稽である。ましてや、それを社会全体の非にすり替えるとなれば、こじつけここに極まれり、である。

 実際には、足のしびれを切らして社会が悪い、などという人はさすがにいないだろうが、似たようなレベルのことで、すぐに社会が悪いと決めつけるようなことに時折でくわす。自分ができることをしないままに、社会が悪い、と。

 こんなことがあった。

 町の主催で、ちょっとした芸能人のエンターテイメントショーがあった。チケットの発売日に、役所の窓口に人がズラリ、と並んだ。一向に列が進まない。僕の少し前に並んでいた何人かが話をし始めた。「遅い」「役所だから対応が悪い」「そもそも事前に練習とかしていないのがおかしい」「自分たちの貴重な休日の時間をこういった不手際のせいで失われるのはおかしい」と話はどんどんエスカレートしてくる。

 そのうち一人がやおら携帯電話を取出して、どこかに電話をかけ始めた。「もしもし、今、列に並んでいる者ですが、どうして一向に進まないのでしょうか?明らかにそちらの事前準備のミスではないでしょうか?こうしている間にも、時間は経っているのですよ。我々に迷惑を掛けていながら、平然とされているとはどういうことですか?あなた方がそのような杜撰な仕事をされていることを、苦情として申し立てる事もできるんですよ・・・」

 何と、猫の手も借りたい筈の受付に電話しているのだ。何だろう、この傲慢さは。ミスではないでしょうか?と問いを装って、明らかにミスだと断定している。ミスだの、杜撰だの、そう断ずる資格がこの人たちのどこにあるのだろうか?受付の人が貴重な休日に勤務している事実には目を向けず、自分たちの時間だけが消費されているとしか考えられないのはどうしてなのか?

 その人はひとしきり、文句を言って、携帯を折り畳み、満足そうに仲間に言った。「これだから、お役所仕事って、言われるのよ・・・ホント、日本のお役所、ってダメだわ」

 もう、数年前のことだから、細かい言葉は違っている。でも、大枠は変わっていない。あなたの言った事は全て愚痴だ。あなたの言った事は何の解決にもなっていない。もし、あなたが本当に堪え難くて、何かを変えたいのならば、すぐさま受付に行って、無償で仕事を手伝うべきだ。次の機会に同じ事が繰り返されるならば、また無償で手伝え。変わるまで、変えるまで、一言も不服を洩らさずに、無償で手伝い続けるのだ。それが嫌ならば、黙って列に戻れば良い。

 もちろん、社会に真に悪が潜む事も多々かどうかは知らねど、あるには違いない。上に挙げたようなどうでも良い悪に(悪ですらないかもしれない)目くじらたてるエネルギーがあるならば、本当に社会の不具合の為に不利益を被っている人たちの為にとっておきたい。

 もう亡くなられたが、三宅廉という小児科医の本を読んだ事がある。この世に生を受けた直後の赤ん坊のケアに心血を注いだ方だ。ピンと来ないかも知れないが、その昔は産婦人科は子供を出産させるまでが仕事であり、小児科医は生まれた子供が病気になったら診療するのが仕事であった。だから、生まれながらにして何らかの病や障害を抱えていた赤ん坊は、手の施しようがない存在として、産婦人科医からも小児科医からも見放されていた-とても大雑把に言えば、だが。

 三宅廉氏は、そういった、医療の谷間に横たわる赤ん坊のケアに全力を尽くした。のみならず、医療の谷間に放り出されることが無いように、妊娠以降、出産、そして、15歳に至るまでの膨大なデータを克明に残し、その後の医療の発展に役立てたのである。

 紹介が長くなったが、ある時、三宅氏の病院で、生まれつき両の眼球のない子が生まれた。その三年後に三宅氏は、その子の成長を確認するために、家庭を訪問する。果たして、その子は可愛らしい三歳児に成長し、父親に甘えて膝の上で遊んでいた。三宅氏は、その子の様子をつぶさに観察して、こう言ったのである。

 「ヘレン・ケラーは目も見えず、耳も聴こえず、話す事もできない三重苦の人でした。この子は目だけです。もっと他の感覚を活かさないといけない。転んで泣いても、歩かせる。テーブルや壁を一人で触り、一人で歩かせ、トイレに行かせ、顔を洗わせることが必要です。危なっかしいから、と助けてはいけない。甘えさせてはいけない。この子のためにこそ、しっかりさせなさい。」

 そう、我々に愚痴をいう暇など、ほとんどないはずなのだ。

入学の準備

2006-02-12 20:17:34 | 日記?週記?
 先々週の話。スーパーに行って、子達の入学式用の服を買った。本来の目的は姪の1歳の誕生日のプレゼントを買うことにあったのだが、生来の出不精もあって、できることなら用事は一度で済ませたいということで、我が子達の服も買うことにしたのだ。

 しかし、売り場に行くと、たかだか6歳のガキ、いや、お子様に着せるにしては、何だか飾り過ぎでないかい?と言いたくなるような服ばかりである。全国のそこここで、入学を目の前にした子供に、親達はたった一度きりしか着ないだろう洋服を、購うているのだろう。ああ、日本は平和だ。浪費社会万々歳だ。

 なんて斜に構えてはいるが、結局はうちのお子様にもこういったお洋服を買おうとしているのである。偉そうな事は言えない。娘ナゴミは白いヒラヒラとした服を早々に買う事に決めた。息子ハジメはスリムなスーツを選んだ。いっちょまえに胸ポケットにはネクタイと同じ柄のチーフが覗いている。いや、そもそもネクタイをすること自体もキザに過ぎる。

 とりあえず、ハジメに選んだスーツを試着させてみた。最初は機嫌が良かったのだが、ズボンを履く段になって、「ええ~、半ズボンなの?」と言って哀しそうな目で親を見上げた。その瞬間に、30年近く前に、自分もお子様スーツを買ってもらったことを思い出した。その時、確かに僕も半ズボンである事に失望を覚えたのだ。そういう記憶が甦った。

 一旦甦った記憶は、抑えようとしても、ずるずるとそれにまつわる記憶を引きずり出してくる。入学式の日、花崗岩の石段、木造校舎・・・そして、突然小学4年生の記憶に飛ぶ。

 その頃ちょっとした習い事をしていて、クリスマスに近所の結婚式場でパーティーをすることになった。何を思ったか小学4年生の僕は、入学式に着たスーツを出してくれ、と母親に懇願したのだ。自分なりにフォーマルな格好をしなければ、と思ったのだろう。渋る母親を説き伏せて、件のスーツを着てパーティーに出席し、家に帰ってきた。

 小学校に入学した頃の僕は、あばらが透けて見えそうなくらいガリガリに痩せていたのだが、その後もりもりとご飯を食べて、小学4年になった頃には随分と丸い体型になっていたはずである。そして、季節は冬。当然セーターなんかも着込んでいたのではないか(記憶では上着を羽織ったりはしていない)、と思う。丸々と太った僕がつんつるてんのスーツを着て、なおかつ着膨れしている、おお、想像したくもない。何も知らないというのは恐ろしい。「オカン、何であの時引き止めてくれんかったんや・・・」と思わず独りごちてしまう。

 というわけで、将来我が子達がつんつるてんになった入学式のスーツを着たい、なんて言い出したら、僕は身体を張って阻止するつもりだ。

 しかし、あの時のスーツ - アイボリーの生地に茶色のギンガムチェックの入ったスーツ - は今でも実家にしまわれているのだろうか?実家に帰ったら、親に尋ねてみようかな?

<おまけ情報>
 昨日、ツマが鼻息も荒く「ねえねえ!わたし、とうとうできたんだよ!!」と言うから、一体何が?と思ったら、「フラフープ」だった。何度か実演を見せられたが、そんなに見て楽しいものでもないし、どう対応したものか、正直言って戸惑っている。

 

 

最近の話題を3つ

2006-02-06 01:22:51 | 日記?週記?
■売ってます
 最近オークションでせっせと物を売り払っている。趣味の品も含まれているが、そもそも最近趣味そのものともご縁がない状態なので、それだったらスッキリしようと思ってオークションに出している。我が息子娘の勉強机を入れるスペースも確保するのも目的の一つだ。でも、とにかくオークションは面白い。オークション自体が趣味と化しているような気さえする。

■辛い
 チリ・ペッパーを買ったので、最近何にでもかけて食べる。土曜日に天天有のラーメンを作って、そこにチリ・ペッパーをどわっ、と入れて食べたら、頭からドワッ!と汗が出てきた。そうして、日曜日の夜食に近所で見つけて買った辛ラーメンを食べて、また汗をかいている。

■眠い
 先週は珍しく眠気に襲われた週だった。昼休みも机に突っ伏して深く眠った。自宅でも湯船につかって深く眠った-湯が冷めて寒くて目が覚めた。休日はふざけているつもりで息子の腹をマクラにして寝たフリをするはずが、本当にそのまま眠ってしまった。実は今も時々意識が途切れそうなほど眠い。

■おまけ
 眞露のCM、むちゃくちゃ気に入ってます。ボンッ!

意思疎通

2006-02-01 01:45:21 | 日記?週記?
 日曜の夜にインターネットに接続できなくて、久し振りの投稿となる。

 本日のお題は休日の親子の会話・・・

 娘(ナゴミ-以下ナ)「おとうさん、頭に白い毛がある!」
 息子(ハジメ-以下ハ)「ホントだ、白い!」

 僕「あのな、とても疲れてる人は、髪の毛の色が抜けてしまって、白くなるんや。ということは、お父さんは・・・」

 ナ・ハ「おじいちゃん!」

 違うやろ、お前達・・・。