原作ファンも概ね満足な映画化
IMDb(─)
goo映画(81点)
超映画批評(80点/オススメ)
無性に漫画を読みたくなり、『この漫画がすごい!』で紹介されていた『デトロイト・メタル・シティ(DMC)』を買って読んだのが2年前のこと。いやあ、面白かった。面白かったけれど、無理に連載を引っ張っている感があり、途中で飽きて読むのを止めてしまった。同じネタでいつまでも引っ張るのは、ねぇ。
主演は松山ケンイチ。予告編の期待を裏切らない好演。ビジュアル再現度も高い。オカマ走りや歌っている時のクネクネはオーバー・アクションだったが、見ただけで笑えるのでよしとしよう。そもそも、クラウザーさんの時と素のギャップを楽しめれば、それでいいのだ。
どうしても原作と比較してしまうが、映画の場合は様々な制約があって、クラウザーさんの悪行がマイルドになっている。タンバリンや東京タワーをレイプするエピソードがカットされたのは残念だが、子供も観に来る映画で何でもかんでもレイプするのはまずいか。どうせなら「R-15」指定にして激しくやって欲しいところだったが、出演者のイメージもあるだろうし、難しいところ。
暗黒面がソフトになっている分、相対的に素を気持ち悪いくらいになよなよさせる必要があったのかも。
ちょっと残念だったのは、スウェディッシュ・ポップはそうではなかったけれど、デスメタルの歌詞が聞き取れなかったこと。デスメタルってそんなもの? 原作では「甘い恋人」が貶されたことで名曲「悪い恋人」が生まれた。その歌詞がまた強烈だったのだが、映画ではどうもよく聞き取れなかった。
ちなみに、歌詞はこんな内容。
朝 目覚めるとキミがいてー
オレの両親焼いてたさぁ
クレイジーベイビー キミはそうさ 悪い悪い俺の恋人
さぁ出かけよう オシャレ共殺りにさ
チェーンソー片手 キミはハシャイでる
人ゴミ切り裂き 行こうよあのお店
おそろいの凶器 今日買う約束だから
ああ、やっぱり時節柄いろいろとマズいか。
そうした点が原作信者には不興を買うかもしれないが、キャスティングは完璧だし、ジーン・シモンズと対決するクライマックスは最高に盛り上がるしで、『この漫画がすごい!』あたりでDMCを知ったにわかファン(おっちゃんのことだ)や出演者のファンには十二分に楽しめる内容に仕上がっている。監督の李闘士男は『お父さんのバックドロップ』といい、手堅くまとめるなあ。
あと、邦画にしては珍しくオープニングのキャスト紹介が秀逸。痺れました。
加藤ローサが最後に女優魂を見せてくれていたら、完璧だったのに。
IMDb(─)
goo映画(81点)
超映画批評(80点/オススメ)
無性に漫画を読みたくなり、『この漫画がすごい!』で紹介されていた『デトロイト・メタル・シティ(DMC)』を買って読んだのが2年前のこと。いやあ、面白かった。面白かったけれど、無理に連載を引っ張っている感があり、途中で飽きて読むのを止めてしまった。同じネタでいつまでも引っ張るのは、ねぇ。
主演は松山ケンイチ。予告編の期待を裏切らない好演。ビジュアル再現度も高い。オカマ走りや歌っている時のクネクネはオーバー・アクションだったが、見ただけで笑えるのでよしとしよう。そもそも、クラウザーさんの時と素のギャップを楽しめれば、それでいいのだ。
どうしても原作と比較してしまうが、映画の場合は様々な制約があって、クラウザーさんの悪行がマイルドになっている。タンバリンや東京タワーをレイプするエピソードがカットされたのは残念だが、子供も観に来る映画で何でもかんでもレイプするのはまずいか。どうせなら「R-15」指定にして激しくやって欲しいところだったが、出演者のイメージもあるだろうし、難しいところ。
暗黒面がソフトになっている分、相対的に素を気持ち悪いくらいになよなよさせる必要があったのかも。
ちょっと残念だったのは、スウェディッシュ・ポップはそうではなかったけれど、デスメタルの歌詞が聞き取れなかったこと。デスメタルってそんなもの? 原作では「甘い恋人」が貶されたことで名曲「悪い恋人」が生まれた。その歌詞がまた強烈だったのだが、映画ではどうもよく聞き取れなかった。
ちなみに、歌詞はこんな内容。
朝 目覚めるとキミがいてー
オレの両親焼いてたさぁ
クレイジーベイビー キミはそうさ 悪い悪い俺の恋人
さぁ出かけよう オシャレ共殺りにさ
チェーンソー片手 キミはハシャイでる
人ゴミ切り裂き 行こうよあのお店
おそろいの凶器 今日買う約束だから
ああ、やっぱり時節柄いろいろとマズいか。
そうした点が原作信者には不興を買うかもしれないが、キャスティングは完璧だし、ジーン・シモンズと対決するクライマックスは最高に盛り上がるしで、『この漫画がすごい!』あたりでDMCを知ったにわかファン(おっちゃんのことだ)や出演者のファンには十二分に楽しめる内容に仕上がっている。監督の李闘士男は『お父さんのバックドロップ』といい、手堅くまとめるなあ。
あと、邦画にしては珍しくオープニングのキャスト紹介が秀逸。痺れました。
加藤ローサが最後に女優魂を見せてくれていたら、完璧だったのに。