銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

銀ステ感謝祭2011

2011年12月18日 | Hの生きる喜び、それは
今年一番の寒さとなった16日、
一年の旅締めとなる「銀ステ感謝祭2011」が出発、
たくさんのご参加をいただき、ありがとうございました

2011年
皆さまにとってはどんな年でしたでしょうか

3月11日
日本は未曾有の大災害に見舞われました
今も避難生活を送っている方も沢山おられます
今日現在でも、津波で行方不明の方は3481名(12/18現在)
徐々に復興に向かっているとはいえ、
まだまだこれから長い道のりです

「このことを忘れてはいけない」

そんな思いから、今年は、心静かにお参りをし、
一年を締めくくっていただくことにしました

そして、皆さまからお預かりした大切な旅行代金の一部を
東北大震災の復興支援の義捐金として、
寄付させていただくことにしました

…ですが、ちょっと、悲しいことがありました

経理担当のスタッフが、その大切なお金を持って
郵便局へ行き、寄付金を送る振込用紙をもらおうとすると

「寄付金?ですか、あ、あの用紙は
どこにしまってあるのかしら…
ここでもないし、あそこでもないし…」

あちこち探し始められたのです

あー、もう、忘れかけられているんだ…

やっといただけた振込用紙で手続きをしようとすると
震災直後は、そのままスグできたのですが、
次は、身分証明やら何やら、色々と本人証明を提出させられ、
たっぷり時間がかかってしまい…

時の流れは、イヤなことを忘れさせてくれるものですが、
同時に、大切なことまで流してしまうものかもしれません

でも、これが現実なのかもしれません
この話を聞き、また、思いを新たにしました

―忘れてはいけない―

感謝祭では、午前中に東大寺へ

今年一番の冷え込み、更に底冷えの奈良です
ピンと張り詰めた空気が一層身にしみます

東大寺と言えば、「大仏さん」が圧倒的に有名ですが、
創建の由来は、聖武天皇の時代、
世の中は飢饉や天然痘、相次ぐ紛争、天災などで、
日本国中が、乱れていたのを
仏教の力で安定させようと「鎮護国家」の目的で
作られたのです

今より、もっと荒れていた時代です

そんな時、人々の心の拠り所となったのが、
穏やかな顔でじっと見つめてくれる仏様であったのでしょう

1300年近く経った今でも、人間としてのその気持ちは変わりません

滅多と出会えない仏様に対峙していただき、
そっと、祈りをささげていただきました

男前やなぁ~
スタイルいいなぁ~

そんな動機で仏様を訪ねていただいてもいいのです
それによって、またとない「縁」が結ばれるのですから

もう1ヶ所訪ねて頂いたのは、大和郡山にある「松尾寺」です
アクセスがあまり良くないので、
地元の者でも、そうしょっちゅう行くお寺ではありません

日本で一番古い厄除け寺です

ここで、今、特別開帳中なのが、
旧本尊 千手観音「トルソー」です

トルソー、とは体の一部を失ってしまった像のこと

仏像に限らず、古代ヨーロッパの彫刻にも、残されています

こちらのトルソーは、元々あったのですが戦禍で焼けてしまい
一瞬、痛々しく見えるのですが、

よーく、よーく眺めていると、それが不思議と
愛おしさに変わってくるのです

この像を見た随筆家の白洲正子氏が
自著『十一面観音』で、こう述べています

「もはや彫刻とは呼べない、しかしいかにも美しい
これは、正しく自然の木に還元した菩薩像の姿である
千数百年の風雪に耐え、朽木と化したその姿は
身をもって、仏の慈悲を示しているような感じがする」
(一部抜粋)

お顔がないのですが、元々あった、優しいであろう
その表情が浮かんでくるのです

本来、地獄の業火に焼かれるのは人間であるのに、
観音さま自らが焼かれて人間の身代わりになり、
今もこうやって焼け残ったトルソーとして
私たちのために祈ってくださっている

そう思いたくなるほど、その姿には強く語りかけるものがありました

華やかさはなかった今年の感謝祭でしたが、
今日一日で、皆さまの心に例え一つでも、心の拠り所となるような
出会いがあったことを、願います

大変な一年でした
それでも、このように、大勢の皆さまと一緒に
旅終いができたことを、とても嬉しく思います

震災の影響で、残念ながら中止になったツアーもありましたが、
「今こそ行かな!」
そんな思いのお客様が私たちを支えてくれました

仏教で「縁」と言うと、全てが因果応報です
つまり、無駄な「縁」はなく、
全てが結果につながっていきます

今、銀のステッキを支えてくださっているお客様とは
特別な「縁」で結ばれている、と厚かましくも感じています

今年一年、本当にありがとうございました

そして、来年も皆さまと笑顔で迎えられることを楽しみに、
年末もう少し、頑張ります!


…つまり、来週から、毎月恒例サロン便り原稿週間に突入…
感傷にひたっている場合じゃありませんよ!
と自分に喝!入れ直しです

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