それは5月も終わりごろのある夜のこと、たしか日曜日で、NHKの大河ドラマ「篤姫」を見ていたときだったと思う。ピンポーンとチャイムの音。もう、今いいところなのに…。
テレビドアホンを見ると若い女性の姿。「はい、何でしょうか?」、「あのー、私○○と申します。こちら神戸から来られた方ですか?」、「いいえ、違います」、「すみません」。
10分ほどすると、またピンポーン、「はい」、「このアパートに神戸の人はおられませんか?」、「おられませんよ」、「すみません」。
また、10分ほどしてピンポーン、「はい何でしょう?」。今度は何だったかもう忘れてしまったが、私にしてみれば「逃げた彼氏でも探し回っているのかな、かわいそうに…」とくらいにしか思っていなかった。だが、これが悪夢の始まりだったとは…。(ちょっと大げさか)
6月12日木曜日、夜の10時半ごろ、ピンポーン。画面を見るとこの前の女性の姿が映っている。今度も3回ピンポーン、前回と同じようなことをいう。さすがの私もあきれ果てて、「どういうことですか? この前も同じことを…」。すると、「あのー、トウチョウの件で…」という。「トウチョウ?」、最初はピンと来なかったが「盗聴」のことだという。夜だし見も知らぬ人にドアを開けるのはイヤなのでインタホーン越しにいろいろ尋ねたのだが、後で聞けば、その一部始終がアパート中にまる聞こえだったそうだ。
きちんと氏名を名乗り話し方も丁寧だし、画面で見る限り普通の女性に見えたので私もまともに受け答えしていたのだが、どうにも不可思議な話だった。女性が言うには、盗聴したテープを返すからどこそこの○号室を訪ねるようにと言われたという。それが私のところだというわけなのだが、もちろん私には全く心当たりがない。どこの誰だかわからないが、衛星放送の電波を通して声が聞こえるのだという。
おかしなことを言う人だなあとは思いながらも、「若い娘さんがこんな時間に歩き回ってはいけない。何かあったら大変だから警察に届けて調べてもらいなさい」と心配までしてやったのだが、後になってみれば、お人よしを通り越して大マヌケもいいとこだった。
次は6月19日木曜日、また同じ時刻にピンポーン。ドアホンを見ると例の女性で、今度は「ドアを開けて話を聞いてもらえませんか」という。「話を聞いてもどうしようもないでしょう、心当たりがないのだから…」といっても帰る様子はない。「だったらこれから警察を呼びます。警察官立会いの上でなら話を聞きましょう。呼んでもいいですか?」というと「はい、いいです」という。
早速110番。110番は岡山県警本部につながるそうで、県北の地理がよく分からないという。地図で探しているが該当番地にアパート名がない、国道の北か南か? そういわれても方向音痴の私にはとっさに分かるわけない。ようやく隣の大家さんの名前を告げて分かったのだが、こんな要領を得ないことで急な事件が起きたときに間に合うのだろうか。
15分ほどしてパトカーがやってきた。事件ではないと告げていたのでサイレンも赤色燈もなし。1人の警察官が女性に免許証の提出を求め、色々尋ねている。もう1人が私にも氏名と生年月日などを尋ねたのだが、私はあわてていたのだろう。生年月日を「平成16年6月14日」、「えっ、4歳?」と、笑われる始末。それで少し落ち着きを取り戻すことができて、当初からの事情を説明したのである。(長い話なので、つづく)
何かミステリー?な話ですよね。
結局この女性は、妄想の人だったんですか?
②以降が楽しみです(笑)
ところで警察に用事がある時は110番をせずに、市内の本署の電話番号に掛けると、最寄の交番に連絡してくれたり、電話を回してくれますよ。
北京オリンピックの体操の予選が間もなく始まります。
応援よろしくお願いします
ミステリーで笑えるうちはよかったのですが、大変だったんですよ。
警察署の電話番号が分からず、早く来てくれると思ったので110番したのですが、次からは止めました。
体操、水泳、バレー、楽しみです。時差が1時間なのでいいですね。