ファームの打線の中にあって、
橋本到の打撃は今シーズン、アタマひとつ抜きん出ている。
昨年もそうだったが、今季は特にそう感じる。
昨シーズンは1軍に上がると、やはり、バッティングにあらが目立った。
それはヒットがなかなか出ないという結果で現れた。
我慢して使い続けてもらえるほどジャイアンツの野手陣に隙間はない。
それは今季も同じことだ。
しかし今季の橋本は昨年とは明らかに違う。
上がれば何某かの足跡は残す。
昨季、ファームで首位打者を獲得し、今季の打率も安定している。
上と下の差を痛感し、ファームの試合でも上の投手との対戦を想定し打席に立つと以前、
インタビューに応えている。
アマイ球は確実に捕らえ、追い込まれてからはよりコンパクトなスイングを心がける。
この日の試合でも、サードランナーからのホームへのスタートの良さを解説の吉村氏が
「周りの選手と比べて一つレベルが抜きん出ている」 と高い評価をした。
一方、同期で同じ外野枠を争う大田もバッティングフォームに今季は工夫を凝らす。
打席内で常にバットを軽く動かしながらタイミングを計る。
常に動いている中でよりスムーズにバットを出すための対策らしい。
動から動、といことのようだ。
今季1年目の辻東倫(つじはるとも)という内野手がいる。
菰野高からドラフト3位で指名された左打ちの大型内野手だ。
高校通算36本の本塁打、守備が課題と入団時の記事で目にしたのを憶えているが、
ここまで多く試合に出場しているので守備もバッティングも何度か見る機会を得たが、
思っていたよりもかなり守備がいい。見た目以上に動きも俊敏でなにより肩が強い。
ここまで何試合かファームの試合を見てきたが、
同じく今季の新人で大卒ドラ2の守備に定評のあった内野手・大類のほうが意外と守備の粗さ、ミスが目立つ。
バッティングに関してはまだ完全に受身の状態といえるか。
それでも何度かうまく三遊間を抜くヒットも目にした。
辻のバッティングに関しては吉村氏が 「タイミングがゆったり取れていてボールを長く見れている。
ボールを長く見れるのは良いバッターの条件の一つ」 と辻のタイミングの取り方を褒め、
変化球への対応も早く慣れると太鼓判を押した。
さらに原監督のコメントとしてオールスターの監督をやっていなかったら、
オールスター期間中の練習に辻を呼んで直接見たかったと言っていたことを紹介。
高卒新人にしては期待の高さが伺える。