泣ける笑える玉手箱   長崎沙織 

お笑い・ポエムなど
 

(笑い) マックにて 長崎沙織

2010-03-21 09:41:14 | 笑い

・・・・マックにて 

  女子高生二人。

まっこ

 「ちょっとちょっと 見た~?」

くうこ

 「何?」

まっこ

 「右、右」

くうこ 

 「右は壁だけど。」

 まっこ

 「じゃなくてえ・・ レジの一番右にいる男」

くうこ

 「ああ、レジの右ね ああ、あの子が何?」

まっこ

  「ちょっと マツケンに似てない?」

くうこ

 「あのサンバの? オ~レッ!の人に?」

まっこ

 「違うよ! あんた マツケン知らないの?」 

くうこ

 「ほかにいるの? マツケンって人。」

まっこ

 「信じらんない!小雪さんと噂になってるじゃん!

 あんた 幾つ?」

くうこ

 「17歳 いわゆるセブンティーンよ。」

 まっこ

 「完全に時代を無視してるよ くうこは」

くうこ

 「で? あのマツケンが何?」

まっこ

 「イケテルと思わない?」

くうこ

 「どこが?」

まっこ

 「どこがって・・・ほら ちょっと憂いがちな感じでさ」

くうこ

 「機嫌悪いんじゃないの? たまたま」 

まっこ

 「ふ~・・・ あんた 男に興味あんの?」

くうこ

 「今 恋してる・・」

まっこ 

 「エ~~ッ? だ 誰よ誰よ 誰なのよ 相手は?」

くうこ

 「このお方。 見る?」

まっこ

 「やだ~ もうすでに携帯に入れてんの?

 マジ~ ? 

 見せて見せてよおっ! どれどれ?」

くうこ

 「このお方。ホラ。」

まっこ

 「・・・・・・・・・・::::。」

くうこ

 「マツケンなんて話になんないでしょ。」

まっこ

 「あんたね その男の名前 なんて奴?」

くうこ

 「上杉謙信さま」

まっこ

 「金髪でブルーの瞳!プッ!

 ありえね~っ!!

 ていうか それゲームじゃん!」

くうこ

 「何をおっしゃる まっこどの。

  熱い 熱い恋の炎が燃えてるんだな。」

まっこ

 「戦国武将に恋してどうすんのさ!」

くうこ

 「あ! ちょ ちょっと待って!

 今 武田信玄さまが

 風鈴かなんかの旗持って来ちゃって

 上杉謙信さまと争って

 くうこのことを連れ去ろうとしてる! 

 どうしよう!どうしよう!

 どうすればいいの?」

まっこ

 「好きにしなよ!

 あんた 武田信玄と どういう接点があんのさ!」

くうこ

 「山手線でホールズを買ってるくうこに

 一目惚れしちゃったらしい・・

 いつかしら・・・・年末?」

まっこ

 「・・・・・・・ばか・・じゃねえの・・」

くうこ

 「わ~っ!!

 謙信さまが 刀を・・抜いた・・

 信玄さまも 刀を・・・・ヒエ~!!

 やめてやめて!

 ♪けんかはやめて~♪!

 ♪二人を止めて~♪

 ♪くうこのために争そわないで~

 もうこれ以上♪」

まっこ

 「あんた 竹内まりやか!」

くうこ

 「あれれ・・・携帯が

 進まなくなった・・

 いつもいいとこで 続く・・

 になっちゃうんだよね。

 ま そこが ワクワクドキドキなんだけどお・・

 今日の恋は・・ここまでか・・・

 また 明日ね 謙信さま・・並びに 信玄さま」

まっこ

 「・・・・あほか・・・・」

くうこ

 「フ~ッ。疲れた。

 恋って体力勝負だよねえ。」

まっこ

 「くうこ! 現実見ようよ! もっと!」

くうこ

 「じゃ 聞くけど

 この現実世界に いい男って いる?」

まっこ

 「いる・・・かもしんないじゃん」

くうこ

 「たくましくて くうこを引っ張ってくれて

 優しくて 決断力があって

 しかも ハンサム。

 今現在 くうこの基準に合格するのは・・

 戦国武将だけなんだよね。」

まっこ

 「あんた 戦国武将の本物の肖像画

 見たことあんの?」

くうこ

 「そんなの関係ないよ!

 だって架空の恋に現実は必要ないじゃん!」

まっこ

 「織田信長なんて・・ややヘノヘノモヘ字っぽい

 顔立ちのはずだけど・・・そのゲームでは

 どうなってんのよ!」

くうこ

 「たぐいまれなる

 ハンサムボーイ! 何か?」

まっこ

 「・・・・・・・かなりきてる・・・・」

くうこ

 「あんたが 嵐だのタッキーだのって

 騒いでるのと同じジャン!」

まっこ

 「彼らは 今 生きてるし 動いてる!

 ゼ~ンゼ~ン ち が う!」

くうこ

「・・・ふん!・・・・・・・」

まっこ

「・・・・・ふん!・・・・・」

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・沈黙。

・・・・・・・・・・・

くうこ

 「そろそろ いこっか。」

まっこ

 「そうしよっか。」

・・・・・・・・・・

・・マックを出る二人。

・・・・・・・

まっこ と くうこ

 「ああ~~~!!!

 彼氏が 欲しい~~~!!

 やっぱ 生彼氏がいい!!」

いだきあう二人。

青春真っ只中である。

 

               end

 

 

 

 

 

 

 


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