泣ける笑える玉手箱   長崎沙織 

お笑い・ポエムなど
 

(ポエム) 君の あのひと。  長崎沙織

2011-07-31 11:47:57 | ポエム

君の あのひとは

元気でいるかな。

 

抜けるような

青空を見てると

遠い 遠い 子供時代に

心が 戻っていくね。

 

汗を かきながら

走り回った 遠いあの日。

 

空の向こうに

まだ知らない 未来があったね。

 

君の あのひとは

どうしているかな。

 

日焼けした笑顔も

少し 怒ったような 横顔も

ちゃんと 覚えてるよね。

 

君の あのひとは

あの時のままで

心の片隅に

ずっと いるんだね。

 

抜けるような

青空を見てると

・・・・・・

思い出すよね。

 

夏の青空は

まぶしくて

 

心の風景も

あの時の夏に

帰っていくね。

           end

 

 

 

 

 


(笑い) トメさん 究極のエコに挑む  長崎沙織

2011-07-24 16:32:19 | 笑えるトメさん

ひゃ~~・・

もんのすご~く暑くなってきおった。

世間の噂では

省エネ・エコが 当たり前。

 

クールビズなどというて

なんちゅうの? カジュアルっちゅうの?

ま リラックスタイプ?

そんな服がサラリーマンにも流行らしい。

ヒンヤリ首巻きスカーフなんぞも登場。

 

・・・・・・・なるほど。

ベランダには 緑のカーテン。

部屋には 遮光カーテン。

食べるは トコロテン。

財布の中身は スッテンテン。

お役に立つのは ためしてガッテン。

推理小説は ゼロのショウテン。

 

あとは

このトメのようなばあさんが

どう 暑さを乗り切るかだにゃ。

 

水分をたっぷりとるにしてもだな。

ちょいと 外出する時がだな。

暑いんだな。 これが~~!

チュニックやらスパッツやらが

身体にまとわりついて~~!

考えるだけでも 汗が吹き出る・・

 

そうだ! いいこと思いついた!

なんで 今まで気がつかなかったんじゃろか。

夏といやあ

水着があるじゃないか。

買い物に行くのも

すべて水着にすりゃあいいじゃないか。

 

ほほ~・・・グッド・アイデア!

水着は海や川やプールで などと

固定観念にとらわれておっては

人生に広がりがない!

古い人間の発想だよん。

新たなる標語を

ここで掲げよう!

 

「街で水着を!水着で街を!」

 

今 時は熟した!

誰もチャレンジしなかった 

究極のサマーファッション!

・・・・・・

そうとなりゃあ

たしか・・・だいぶ以前に

区民プールに行ったときに着てた

水着を探さねばいかん。

 

・・・・ええと・・

どこにしまっちまったか・・・

・・・・・ガサゴソガサゴソ・・

あった~~! サーモンピンクの水着!

やった~~!

 

さっそく 着替えるとするか。

・・・ガサゴソガサゴソ・・・

・・・・・・・・・

鏡・鏡と・・・・ウホッホッ!

・・・・悪くないじゃないか。

・・・どちらかと言えば 合格点。

なんか いい~~!!

ステキ!とも言える。

ウエストのくびれは見当たらんが

全体のくたびれ感はある。バッチグー。

 

これに サンダルと日傘がありゃあだよ

どこだって オッケー!

ま これに手提げ袋っていうのが・・

ファション的にはねえ・・ま いいか。

 

早速 出かけてみましょ。

今日は ギンギンに暑い。

最高の水着ファッション日和でごじゃる。

 

まずは コンビニあたりで

軽~く勝負してみよう。

 

スタコラサッサ~ ホイサッサ~

おトメはお出かけホイサッサ~。

 

水着だと 歩いていても

やっぱり 違うにゃ。

日差しは強いが なぜだか涼しい。

これが まさしく トメの目指す

「水着で街を 街で水着を」

 

あれま~ 通りすがりのお方に

なんだか注目の的だよ。

久しぶりだよ こんなに振り向かれるのは。

あらあ~ このトメを見て

みんな 笑顔。笑顔。笑顔の連鎖。

指さす人までおる。

大衆の心をとりこにしちまったんじゃろか。

日傘に水着・・・武久夢二を彷彿とさせる?ワタクシ?

さ 着いたよ着いたよ コンビニくん。

コンビニ店員

「いらっしゃいま・・・・・ゲッ!」

 

・・・・ウワ~オ~!

冷房の冷気が 全身を直撃!

涼しか~~・・・やっぱ 時代は水着でごじゃる。

ええと・・・・冷やし中華でも買うか・・

あと・・・キャラメルコーンと・・

せっかくだからまずは週刊誌を拝見・・・・・・・

パラパラ・・

何々? 彼と彼女の愛の真実が・・明らかに・・?

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

ピ~ポ~ ピ~ポ~ ピ~ポ~♪

・・・・・・・・・

あれま 誰か具合が悪くなっちまたんじゃろか。

この暑さだからね~

トメみたいに斬新なるアイデアで

夏を乗り切らんとねえ・・

パラパラ・・

ほ~・・今時は水着も洒落たのがあるじゃないか。

花柄もいいねえ・・・・似合うなトメに。うん。

そうだよ・・今度はビキニのほうがいいか・・うん。

・・・・・・・・・・・・

コンビニ店員

「あ ここです ここです!

あのおばあちゃんです!

水着でほら! 今週刊誌を読んでます!

しかも 堂々と!

だいぶ 暑さで きちゃってるみたいです!

お願いします!」

 

救急隊員

「おばあちゃん もう大丈夫だからね。

さ 行こうね。」

・・・・・・・

トメ

「ななな 何だよ!

何すんだよ!やめとくれよ~~~!!!」

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

ピーポー ピーポー ピーポー♪

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

30分後

鬼ヨメがチュニックとスパッツを持って

病院に駆けつけることとなる。

 

病名は

「老人性 露出狂」と診断される。(?)

 

鬼ヨメは激昂し 

帰宅後 七日間

鬼ヨメ監視のもと

外出禁止となり

水着は破り捨てられ

 

「八日目のトメ」              

水着でサマータイムの夢・・・・破れる。

 

                        end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


(笑い) 気性予報士 マダムカステラ  長崎沙織

2011-07-20 11:48:18 | 笑い

マダムカステラの世界にようこそ・・

 

このグラスに注がれた水を

マドラーでシヤッフルして

渦巻きを観察。

あなたの気性を予報致します。

 

マダムカステラ

 「いらっしゃいまし」

 

客・A 

 「レジの行列に並んでいると

 なんだか イライラするんですよね。

 どうしたらいいんでしょう・・」

マダムカステラ

 「・・・♪へクトパスカルヘクトパスカル~♪

 ・・・・・昔ミリバール♪・・・・ポポポポ~ン! 

 ・・・・・・・・見えました。このグラスの水の渦巻きの中に。ハッキリと。    

 あなたの気性は

     レジでもたつくお客様に

     小銭を出すんじゃねえよ

     時間をかけてジャラジャラと!

     あらかじめ用意しとけ! てな感じなのですね?

 このような気性は

 名付けて

     じれっ帯低気圧むか月増す寒気団に属します。

治療方法は・・・ただ一つ。

     暇な時間帯に買い物してね。」

客・A

 「え?」

マダムカステラ

 「つまり・・イライラするであろうシチュエ~~ショオ~ンを

  自ら回避することが 大切なのです~~。」

客・A

 「今 目から うろこが落ちました。ポロリと。」

マダムカステラ

 「おめでとう!」

 

マダムカステラ

 「次の方 どうぞ。」

 

客・B

 「私、 何度もダイエットを試みてるんですけど

  どうしても リバウンドしてしまうんです。」

 

マダムカステラ

 「・・・♪ヘクトパスカルヘクトパスカル♪

   ・・・・昔ミリバール♪・・・ポポポポ~ン!

  ・・・・・感じました。この水の渦巻きの中にはっきりと。

  あなたの気性は

      三ヶ月かけて絞った身体が

      なぜ 三日で戻るのか・・

      謎が謎呼ぶダイエット

      教えて欲しいよそのわけを!てな感じなのですね?

 このような気性は

 名付けて      

     西高東低無理だろ異常食欲再復活暖気団に属します。

 治療方法は・・・ただ一つ。

     食べないことです。」

 

客・B

 「え?」

マダムカステラ

 「なぜ リバウンドするか・・

 真実は明らか・・食べるからです。

 しかも 嬉しそうに。ガツガツと。

 ダイエット終了のゴングが鳴ったその瞬間から。ゴ~ン!」

 

客・B

 「今 目から ウロコが落ちました。ポロリと。」

マダムカステラ

 「おめでとう。

 ウロコだけでなく体重を落としてください。」

 

マダムカステラ

 「次の方 どうぞ。」

 

客・C

 「昔の同級生に声を掛けられたんですけど

  どうしても その人の名前思い出せないんです。

  あせってしまいました。」

マダムカステラ

 「・・・♪ヘクトパスカルヘクトパスカル♪

  ・・・昔ミリバール♪・・・ポポポポ~ン!

 わかりました。この水の渦巻きの中にはっきりと。

 あなたの気性は

    もう 過去のことなんて知ったこっちゃないわ。

    あの人・・・・ええと・・・う~んと・・

    名前が出てこなくてどこが悪いのよ~。 てな感じでしょうか。

 このような気性は

    忘却前線活発風速始終メートル 雲?荒れ?模様 に属します。

 治療方法は ただ一つ

   忘れたことを忘れることです。」

客・C

 「え?」

マダムカステラ

 「忘れたことを忘れれば

 思い悩む必要も・・ありません。」

客・C

 「目から ウロコが落ちました。ポロリと。」

マダムカステラ

 「おめでとう。」

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

よいこらしょと。

ええと・・・今日のお客さんは三人か・・。

この料金箱に

お好きな金額をそっと入れて帰って下さいって

言ってるから

かなりの高額になるはず。

アドバイスも完璧だったでせう。

ど~れどれ・・・・・・・

・・・・・・・・・・・ん?んんん?んんんん?んんんんんん?

どっひゃ~っ!!

ウッソ~! ビタ一文入ってない!

ウッソ~! あれほど 親身なアドバイスをしたのに!

いくら 口から出まかせっていってもさ~

それなりに このカステラ 考えてなくもないのにさ。

 

・・・・おや? 箱の底に何か…入ってる・・

ナンだ?ナンだ? キラリと光ってる・・宝石かしらん。

ひょっとして高額なるお礼?

・・・・・・・

・・・・・・ギョ?

ウ・ロ・コ・・・だよ。 しかも三枚。

あいつら これだけ残していったのか・・・

台風の目じゃあるまいし!

なんて奴らなんだ!

 

グググググ~!! シドイシドイ!

 

マダムカステラご本人の気性予報は

アマタツ!!じゃなくて 腹立つ!!

ちきしょ~~~~!!

完全なる暴風雨となり

マドラーはへし折られることとなる。

                   end

 

 

     

  


(日記) 想像力  長崎沙織

2011-07-19 15:38:18 | 日記

姉の長男夫婦は

アフリカ・ アジア・ ヨーロッパ・・

4人の子供たちと一緒に

長い間 海外生活をしている。

 

日本に帰って来るのは

夏休みと冬休みの短い期間

長崎市にある自宅マンションは

ずっと閉められたままのことが多い。

 

長男家族が帰国する日が決まると

その数日前に

姉は諫早市から 電車に乗って

長崎市の長男家族のマンションへ向かう。

 

長い間 閉め切ったままの窓を開け 

空気を入れ替え

部屋に掃除機をかけ

何枚もの布団を干し

きれいなシーツや枕カバーをつけ

たくさんの買い物をして

家族が日本に帰ってきても

すぐ食べられるように

冷蔵庫に食料や飲み物を用意し

なんでもなかったように

また 諫早に帰る。

義兄は

「自分たちでするだろうから せんでもよかよ。」

と言うらしいが

たくさんの子供たちを連れて帰ってくる

長男夫婦のことを思うと

そうせずにはいられないそうだ。

 

想像力・・・・。

 

姉は 三人の男の子を育てあげた。

しかも 下の二人は双子のわんぱくな男の子。

若い頃から

忙しい日々を過ごした。

子育ての大変さをよく知っている。

だからこそ

あわただしく帰国のための荷造りをし

遠い外国から

飛行機を乗り継いで帰ってくる長男家族が

どんなに疲れているだろうと

思うのだろう。

 

息子家族が

自宅に帰り着いた時

部屋もすっきりと気持ちよく 

孫たちも冷たいジュースを飲めて

食事の用意もすぐに出来て

のんびりと

フカフカの布団で眠れる・・・

ふるさとの我が家で 

みんなが笑顔になれる・・

そんな息子たちの幸せなひと時を

想像しながら・・・・・

一生懸命 掃除や買い物をするのだろう。

 

もう すっかり大人になり 

独立し

それぞれが自分の家庭を持ち

父親になった・・三人の息子たち。

 

姉は 

母親の役目を終えて

ホッとしながらも

どこかに

寂しさも感じているに違いない。

 

マンションの窓を開け

景色を眺め・・

深呼吸をし・・・

走り回っていた頃の

幼かった息子たちのことを

思い出しながら

月日の流れを

切なく感じているのかもしれない。

 

遠くから帰ってきた息子の

「母さん ありがとう・・」

そのひとことを聞くのが嬉しくて

かいがいしく

動き回るのだろう。

 

想像力・・・・・。

 

それは 

たとえ ささやかなことでも

相手を思いやることが出来る

愛情でもあり

その小さな積み重ねが

やがて

人の創造力を

生み出していく気がする。

              end

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


(笑い) ③泉ポンコのアルバイト探し  長崎沙織

2011-07-19 15:38:01 | 泉ポンコシリーズ

とある喫茶店にて。

 

ウエイトレス

 「じゃ 今日から働いていただきます。

 ええと・・聞いてると思うけど

 あなたの出勤日は

 金・土・日 とっても忙しい曜日なんで

 とにかく まずは ミスのない接客でお願いしますよ。」

泉ポンコ

 「任せてください。

 私 これでも 少し前までは

 料理教室の先生してましたから。」

ウエイトレス

 「そんなの 何の役にも立ちませんよ!

 この喫茶店はたくさんのお客様が

 入れ替わり立ち代わりの忙しい店ですから

 まずは テキパキとした接客を心掛けてくださいね。」

泉ポンコ

 「私 いつごろから 厨房で

 料理ができるのかしら?」

ウエイトレス

 「ですから~ そんなことより~

 入ったばっかりなんですから~

 まずは 接客を覚えることが大事だって

 言ってるでしょうが!!」

泉ポンコ

 「あら やだ!

 料理教室にいた助手の女の子みたいに

 切れやすいタイプ? あなた。」

ウエイトレス

 「もう・・・そうじゃなくて

 この店の客層とか 混む時間帯とか

 そんなことをしっかり覚えてから

 そのあんたの希望とやらの

 厨房に進むってことなんだよ!

 店長がそう言ってんだよ!」

泉ポンコ

 「ま~・・乱暴な言葉使い。

 それじゃあね お嫁にいけないわよ~~うふふふ。」

ウエイトレス

 「むかつく・・・・

 つべこべ言わずにやんなさいよ!」

泉ポンコ

 「はいはいはいは~いのはい。

 で? どうしろってことなのかしら?」

ウエイトレス

 「まず お客さんが入ってくる・・」

泉ポンコ

 「はいはいはい そりゃ入ってくるでしょう・・・

  入り口が開いてれば。 で?」 

ウエイトレス

 「いらっしゃいませ。空いてるお席にどうぞ。と言う」

泉ポンコ

 「あら いやだ お客さんは空いてない席には

 座らないでしょう?」

ウエイトレス

 「ば~か! 空いてる席なら

 どこでもいいですよって

 お客さんに自由な選択をさせるんじゃないの!

 あんただって どっかお店に入ってさ

 こちらのお席どうぞ・・なんて

 勝手に決められるのいやでしょ?」

泉ポンコ

 「あら 私 そっちのほうが好き。

 どこに座ろうか・・なんて迷わなくていいじゃない?」 

ウエイトレス

 「この店はね 自由に座らせるんだよ!!

 わかった??」

泉ポンコ

 「はいはいはい。・・・で?座ったら?」

ウエイトレス

 「まずは お客さんの人数を確認して

 ほら このコップに水を入れて

 お水とその横のおしぼりを人数分だけ

 テーブルにもって行く・・

 これくらいは わかるよね?」

泉ポンコ

 「はいはいはい。

 子供じゃあるまいし わかりますわ。・・・・で?」

ウエイトレス

 「いらっしゃいませ。

 こちらにメニューがございます。

 お決まりになりましたらお呼びください。」

泉ポンコ

 「決まらなかったらどうするのかしら・・ね。」

ウエイトレス

 「あんたね

 何かしら 飲んだり食ったりしようって気になったからこそ

 この喫茶店に来るんだよ。お客さんっていうのは!!」

泉ポンコ

 「あら・・・・私なんか・・何となく座りたい

 できれば 真水で充分・・って感じのときもあるのよ。

 そんなお客様も いるんじゃないかしらあ??」 

ウエイトレス

 「超・・・ムカツク・・・・グググ」

泉ポンコ

 「あら 腸が悪いの?吐き気も?

 少し 横になるといいのよ そんなときは・・ね?」

ウエイトレス

 「・・・・・・ク~っ ・・・・ウ~。。。ググ。

 どこまで 説明したっけ・・」

泉ポンコ

 「あ~ 真水問題のところからかしら?」

ウエイトレス

 「とにかくね! ここのお客さんは

  必ず! 何か! 頼むんだよ!」

泉ポンコ

 「まあ~ そうなの?」

ウエイトレス

 「お客さんがね メニュー見ながら

 注文するから

 必ず メモを取りながら

 最後に復唱しなきゃだめなんだから!

 わかった?」

泉ポンコ

 「そうだわ。あなたの言葉で思い出したのよ 今。

 私ね 高校時代コーラス部でね・・・」

ウエイトレス

 「そりゃ 合唱だろう!

 そうじゃなくて復唱! お客さんの注文したメニューを

 間違えないように 繰り返して言うんだよ!」

泉ポンコ

 「あなたって 根っからの乱暴者ね。

 よく お客様商売が出来るわよね・・不思議発見!だわ。」

ウエイトレス

 「(無視)・・・それからね

 ランチセットには飲み物が付くからね

 お飲み物は先にお持ちしますか?って聞くのも忘れちゃダメ!」

泉ポンコ

 「聞くのを忘れたらどうするのかしら?」

ウエイトレス

 「聞きにいけよ! 」

泉ポンコ

 「頭いい!!」

ウエイトレス

 「でね その注文の紙・・

 ほら この紙に書いて 厨房に渡す。

 コーヒーやジュースの飲み物は

 私たちが 作るんだからね。

 あんたさ コーヒーメーカーとか

 使ったことあんの? すぐ出来るの?」

泉ポンコ

 「ま~・・・私 料理教室をやってたのよ。

  コーヒーなんか・・・関係ないわ。」

ウエイトレス

 「ふ~・・・・ウザイ・・・」

泉ポンコ

 「惣菜なら 得意よ。」

ウエイトレス

 「ソウザイじゃなくて・・・ウザイっていったんだよ!」

泉ポンコ

 「ソがぬけちゃったのね。ダメじゃないの。」

ウエイトレス

 「(無視)あとでコーヒーメーカーの使い方

  特訓するからね!ちゃんと覚えてよ!」

泉ポンコ

 「はいはいはいはい。そうしましょう。」 

ウエイトレス

 「注文の品 お客さんのところに運び終わったら

  これで 間違いございませんか? 

  ご注文の品 全部 揃いましたか? って

  ちゃ~んと確認してから 伝票を渡すのよ!

  ここは 最も大切なポイントなんだから!」

泉ポンコ

 「誰に渡すのかしら? 3人とかだったら迷うわねえ」

ウエイトレス

 「一番 年食った人の前に置けばいいんだよ!」

泉ポンコ

 「じゃあ じゃあ・・例えばよ

 そうだわねえ・・中年のご夫婦と

 もう やっと歩けるくらいのおばあちゃんの場合は

 どうなのかしら・・

 やっぱり 一番年上のおばあちゃんに伝票を?」

ウエイトレス

 「あんた それはね ヘリクツっていうんだよ!」

泉ポンコ

 「そうだわ! それで思い出したんだけど

  クツはどうするのかしら・・

  サンダルかなにか履くの?

  それとも ピンヒール?フクスケのスニーカー?」

ウエイトレス 

  「サンダルが支給されるから心配するな!」

泉ポンコ

 「まあ・・なんだか頼もしいわ・・心配するな なんて。

 久しぶりに聞いたわ。」

ウエイトレス

 「とにかくね。もうすぐ 

 ほかのウエイトレスも 出勤してくるから

 今日は 他のウエイトレスの動きかた

 しゃべり方 後片付けのやり方を

 しっかり観察して早く覚えてちょうだいよ!」

泉ポンコ

 「そうよね。 えらそうに

 あなたから なんだかんだ言われるより

 実際に見て覚える・・・これが一番なのよね。」

ウエイトレス

 「ふ~・・・ったく。 でも・・・あんた・・いい年して

 なんで ウエイトレスに?」

泉ポンコ

 「ずっと経営してたお料理教室が

 時代の波についてゆけず・・・閉店。

 助手の女の子も

 ひどい捨てゼリフを残して去っていったのよ。

 でもね・・・やはり・・・食べるのが好きなの。

 ちょうど このお店の前を通りかかったら

 ウエイトレス募集 しかも年齢制限が書かれてないじゃない?

 だから・・事務所に電話して・・・」

ウエイトレス

 「・・・でも よく 店長が雇ったわねえ 

  あんたのこと。」

泉ポンコ

 「あ・・・・・ひとつ言い忘れてたわ アナタに。

 あの店長ね・・・・実は・・

 私の息子なのよ。内緒なんだけど。

 気がつかなかった? 名前が 泉 湧く造

 あなたに伝えるのが 遅すぎたかしら~?」 

ウエイトレス

 「・・・・・・・え?・・・・」

泉ポンコ

 「気にしないで 気にしないで ねねね

 気にしないでね。

 あなたのそのデカイ態度は 息子には

 言わないから・・・たぶん。あるいは おそらく。」

ウエイトレス

 「もう~~っ!!ひど~い!

 やめてやる!!フン!」

ドタドタ・バタバタ・・・バタン・キュー~。

泉ポンコ

 「あら~・・・一人辞めると

  私 新人なのに 忙しくなっちゃうわ。

  今日から コーヒーメーカーの猛練習しなくちゃ。」

・・・・・・

ほかのウエイトレスたち 出勤。

 

 「あれ? 先輩は? まだ来てないの?

 おばさん ここで 何してんですか?」

泉ポンコ

 「あ 今日から ここでアルバイトさせていただく

  泉ポンコです。 よろしくお願いするわね。」

 「あの~ 山崎先輩は?」

泉ポンコ

 「なんだか・・この喫茶店に不満があるらしく

 今日を限りに辞めるんですって。ねえ~

 どうされたのかしら ねえ~。」

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

ドタバタ・・・ドドンガチャ。

 

さっきのウエイトレス

 「ちょっと! おばはん!

 さっきの話しの流れでうっかり騙されるとこだったわよ!

 うちの店長ね!よ~く考えてみたら

 泉 湧く造じゃなくて

 原野 達三だったわよ! もう!

 語呂が似てるだけで

 全然違う名前じゃないの!

 アブナカッタ~!! 主任の職を失うとこだったよ。」

泉ポンコ

 「あらら~ 店長のお名前

  これで間違いございませんか?って

  確認するのを忘れてしまったのね。

  たしか さっき 復唱と確認が

  最も大切なポイントだって言ってたわね。

  まだまだ 甘いのねえ。

  あなたと一緒にお仕事は・・無理みたい。

  でも おかげさまで 

  今日も 退屈な時間を過ごさずに済んだわ。

  幸楽びよりな 一日だった。

  明日はね・・ 

  回転寿司 「グルリンコ」の面接なの。

  毎日毎日 目が回りそう!

  面接三昧で。

  明日で ちょうど50軒目。

  なんだか 達成感さえ感じるの。

  もうね ここまでくれば

  面接も スポーツなのよ。

  料理の腕を発揮できる場所を探して

  泉 ポンコ まだまだ頑張ります!」

・・・・・・・

・・・・・・・・・・シ~ン。

泉 ポンコ

 「あれ~? どうしたのかしら。

  誰も いなく なった・・みたいね。」

 

こうして

泉ポンコの旅は 続いていくのだった。

                      end

   

  

  

   

  

  

   

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 


(ポエム) もう一歩。  長崎沙織

2011-07-19 15:37:35 | ポエム

いつだって

悲しみは

突然 やってくる・・

 

心の準備が出来ないまま

突然 やってくる・・

 

その悲しみを

与えられた試練なのだと

せいいっぱいの

心で受け止め

 

新しい一歩を

踏み出せば

 

少しずつ 道が生まれ

少しずつ 希望が生まれ

少しずつ 笑顔が生まれる

 

悲しみは 突然なのに

幸せは  ゆっくり訪れるから

 

時には

誰かに寄りかかって

 

一歩  一歩  一歩  一歩

 

あきらめずに・・・・・

 

もう 一歩。

               end

 


(笑い) トメさん クーラーで汗だく?  長崎沙織

2011-07-19 15:37:07 | 笑えるトメさん

こりゃあね

もしかしたら

超常現象じゃなかろうか。

 

節電を心がけておる トメくんも

さすがにここ数日の暑さには参ったんよ。

 

狭い室内の気温の急上昇に 

 

普段はバツグンの思考能力が

どどん~と落ち込み

はっきりせんじゃおまへんか。

がが我慢の限界・・だ~。

プチ。

と エアコンのスイッチを入れてもうた・・

冷房。 28度。ほんのチョビットだけでよか。

頭を冷やしたい・・・。

さ~ 出てこいや~ 

ひんやり冷たい風~

お お お お!!

きた~~っ!

風がきた~~~!!!

やった~~!!

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・?????

うん? なんだかよ。

暖か~くなってきたぞ。

・・・・・・・・・

モワ~モワモワ~・・・・・。

あじゃ~ 冷房のつもりが

暖房を入れてしもうたよ・・

んもう トメとしたことが。

ええと どれどれ

ここか・・・運転切り替えボタンはと・・

うん? ちゃんと冷房になっとるじゃないか!

え? えええええええ~っ?

どげなこと?

 

・・・・はは~ん・・

エアコンくんも

しばらく お気楽に過ごしておったのに

久しぶりに運転命令を受けて

びっくりしたんだにゃ。

わかったよわかったよ。

一回 スイッチを切ってと。

・・・・・・・

スイッチ オン! プチ。

今度は ダイジャブじゃろう・・・

エアコンくんも心の準備ができたじゃろ。

 

きたきたきたきた~っ!

・・・・・・・・?

熱風が~~っ!@;@;@・。

アッチ~~!たまらん!

・・・・・・

ウッソ~~!!

どうなっちまったんだ!お前!

何を血迷って熱風を吐き出してんだ!

とりあえず・・止めろ。プチ。

・・・・・・

と~んでもないことになっちまったよ。

信じられんよ!

エアコンで温度が更に上昇・・クラクラしちゃうよ。

 

はて・・・・な。

この信じられない現象は・・

何が原因じゃろか。

エアコンくんってば

冬の暖房に使ってそのまんま東 

フィルターの掃除もせず

ほったらかしにしておったんで

ご機嫌をそこねたの?うん?どう?そこんとこ?

 

それとも・・

この夏の古型エアコン同窓会イタズラ新企画で

暖房のスイッチで冷風を吐き出し

冷房のスイッチで熱風を吐き出すように

アレンジしてみたんじゃろか。

こりゃ ありうるぞ。

って~ことはだよ。

暖房にスイッチを切り替えて

やってみっか。

案外 冷風が出てくるんじゃないかい?

運転切り替えで 暖房・・と。

よっしゃ~!

スイッチ オン! プチ。

・・・・・・・・・

アッチ~っ!!

またまた!性懲りもなく

熱風じゃないか!

これじゃあ 冷暖房エアコンじゃないぜよ!

暖暖だけなのエアコンなんて 今までに冷がないよ!

どうなってんだ!何の目的なんだ!

このばあさまを

熱中症にさせようと・・・悪だくみしたのは

いったい 誰?

ま さ か・・・鬼ヨメが・・

このリモコンに・・細工を・・

とうとう・・そこまで・・・

このトメへの憎しみが・・・・

・・・・・・

しかし・・・あの女に

そこまで細工をする

電気の知識があるじゃろか。

はて・・・?

結論・・ 「ない」。 即決。

 

ってことはだよ

30年以上も使い込んだこのエアコンが

去年の暑さで 恐ろしいほどのフル回転

心の中で もう勘弁してくれ~と叫びまくり

そして 今年・・

まさかの 中高年夏バテ? あかん?

ついに いかれちまったんだにゃ。

 

ふ~・・・・・・・・・・・・。

まさか こげなことが待ち受けておったとは・・・

この夏も去年並みに暑いとの噂も・・

いくら 節電とゆうても

小さな扇風機だけじゃ乗り切れそうもない・・・

修理を頼むか・・・・

どうすべか・・迷路に入り込んだトメ。

・・・・・・・・・・ 

そうだ! オホッ!

いまどきのエアコンは 

古いエアコンと違って

確か・・省エネじゃないか。

電気代も年間でずいぶん安くなるらしい。

テレビのコマーシャルで見とったら

自分で掃除までするエアコンもあるらしかよ。

修理代も浮く。 電気代も浮く。 掃除代も浮く。

浮かれ話で お得満載!

ここんとこを強く強く主張してだな

オオバカ息子の奴に

新しいエアコン買ってもらうことにするっぺ。

鬼ヨメには内緒で。エヘ。

熱中症の母を見捨てることは 許さんぞ!

 

そうと勝手に決めちゃったら

さっそく 池袋にゴ~!

新型エアコンをば

山口電気とビックリカメラで調査開始するぞ~!!

そうだ・・ものはついでだ・・

美顔ローラー・・あのコロコロ顔中転がすやつ

あれも欲しいんだよ。

エアコンの美風オプションということで

ごまかして

オオバカ息子に買わせるとするか。 ウホッ。

 

                    end

 

 

 

 

 

 

 

 

 


(笑い) トメさん 薬指の謎にせまる   長崎沙織   

2011-07-19 09:26:39 | 笑えるトメさん

久しぶりに コンビニで

週刊誌でも立ち読みするか。

現代社会に遅れをとってはなるまい。

噂話もおつまみには最高!!

オッ! あったよあったよお久しぶりじゃないか。

「習慣女性エイト」

よ~し! さ 一気読みだ!

時間は うんざりするほどある!

店員がこちらを睨んでも

あるいは

周りをうろついても

微動だにするもんか!

どれどれ?

ほ~・・・・・

なるほど・・・

あいつと こいつが そうなって・・

あいつも こいつも どこの誰?

時代は進んでしまっとる

ああして そうして どうなって・・・

なんだか かんだか ドドスカドン・・

毎週毎週 よくも まあ

週刊誌の連中 

どこからか知らんけんど

こんな情報をば集めてくるもんだな。

・・・・・ふんふん・・・

スクワランでも

アナタのお肌は救われんってか?

ほっといてくれ!

パラパラ・・

・・・・・・・・・・ピタ。

え~~っ・・?? ナンだって?

薬指が? 人差し指よりも 長い人は?

胎内にて

男性ホルモンをたくさん浴びて

生まれてきた可能性あり?

どげなこと? 指の長さだと?

ちょいと待ちナ!

ほんまかいな ・・・

ええと・・・・トメくんの指はどうなっておるのか・・

フンギャ~~!!

薬指のほうが 人差し指より

断然! 長い! 

中指に迫るほどの長さじゃおまへんか・・

しか~も よりによって両手とも・・

・・・・・・あじゃ~。

なになに?

しか~も!

薬指が人差し指より長い女性は

左利きが多い・・当たり!ドンピシャ。

足が速い・・これまた大当たり!

逃げ足はことのほか。エヘ。

・・・・・・・

・・・・・・・・

なるほど。そうだったのか・・

学べる週刊誌。

ああ~ああ~・・ 

我が人生を振り返れば・・

料理・掃除・洗濯という女の三原則に

なじぇか・・・ ああ~ なじぇか・・

この年になるまで

興味を持つこともなく生きてきた。

いやいや あるいは しぶしぶ 

やってきた。

いや・・やってはこなかった。あれま。

ましてや

裁縫・手芸・お茶・お花などという

緻密なる手仕事や趣味には興味が湧かず

そうさな どっちかといえばだよ

ペンキ塗り・ダンボールつぶし・釘打ちなどに

妙に心惹かれ

ニッカポッカにときめき

乱暴なる仕草などと後ろ指をさされながらも

甘えるより ウホッ

脅すのが好き。

ぶたれるより ウホッ

叩くのが好き。

ウムム・・・・ 

・・・・・・・・

今 心の奥に70年以上漂っておった

どんよりんことした

厚い雲と霧が晴れ渡り

草原をスキップしながら歩くトメ。

ご納得だよん。

つまり・・・このトメの性格はだな

男性ホルモンをば たっぷり頂いた

遺伝的なものであると。

だからだな 

な~んも 心配はいらんと。

胸を張って歩けと。

ま そういうことじゃないか。

・・・・・・・・・・

・・・・・そうだ・・あの鬼ヨメの指は

どうなっておるんじゃろか。

まさか・・・このトメと同じ 薬指>人差し指?

やや男気味同士の戦いが永遠に繰り広げられるってか?

こりゃあ こうしちゃおれん。

すぐさま 家に帰って

何が何でも

鬼ヨメの指チェックだ!

あの強力なるキャラクター・・

あいつ・・ひょっとすると・・

このトメをはるかにしのいで

薬指が 中指よりも長いんじゃなかろうか・・

おおお・・・おそろしかあ~。

                    end

 

 

 

 

 

 


(笑い) トメさん IT関連会社 設立へ  長崎沙織

2011-07-14 17:25:04 | 笑えるトメさん

ええ・・・・・

みなさん・・

お集まりいただきまして

このトメ

大変迷惑しております。

 

まず!

そちらのお二人さん!

なんのつもりか知らないけんど

丸い皿なぞ持っちまって

しか~っも!

左のお方は 特に気にいらんよっ!

階段あたりで 大活躍!

んもう! 許せん!

 

それからね

そこの丸太のようなお方!

上に重いもの乗っけてるから

回転もできんようになっちまったか!

グキグキ音させるんじゃないよ!

 

それから・・

コチコチに緊張したお二人さんよ!

そんなにつっぱらんでもよかろう?

鉄板か!

 

どいつもこいつも

ろくなメンバーじゃないよ

全く!

 

ええ・・・メンバーが

まだまだ増え続けるようなので

ここでだな

思い切って

会社を設立してだな

株を発行するぞ!

 

え? 何の株かって?

もちのろん!

アイテ~ッ!!(IT) 株だよ。

今のところだな

一部上場気味と思われるのが

さっき集まっておったメンバー。

 

膝痛 二株。(お皿付き)

首痛 一株。(頭乗せ)

肩痛 二株。(両肩)

 

これから

このトメ株は

腰痛・足首痛・背中痛・・・(未公開株)

年取るたんびに 

まだまだ増えるぞ!

株価上昇まちがいなし!

 

今のうちに

誰か この株を買ってくれんじゃろか?

安くしとくよ。

頼んだよ。

                end.

 

 


(ポエム) 与えられたもの  長崎沙織

2011-07-14 17:24:49 | ポエム

生まれたときから

与えられたもの・・・

 

誰かと比べて

引き算ばかりして

 

嘆いてばかりいると

 

人生は 味気ない

 

与えられたものに感謝し

 

与えられたものを磨き

 

与えられたものの意味を思い

 

自分の手で

少しずつ飾りつけをすれば

 

人生は 彩り豊かになる

 

与えられたものを

大切に育んでいけば

 

新しい喜びが

いつのまにか生まれ

 

新しい出会いが

いつのまにか生まれ

 

人生は 悪くない・・・

 

そう思える日が

 

きっと やってくる

 

それが・・・

 

生きること。

 

            end