エステティシャンと上肢障害

　東京地裁平成２６年１月２７日判決は、エステティシャンが上肢障害を発症した件について、労災との認定をしました。参考になるのでご紹介します。

　このエステティシャンについては、上肢に負荷をかけて行うマッサージに携わっていたこと、異動後に顧客数が相当数増加したこと、にもかかわらず施術を行うことができる従業員の数が少なかったため当該エステティシャンに負担が行ったと思われること、室温が３６度に設定されていたこと、休憩時間も相当程度の勤務をしていたこと、緊張感を伴う作業であったことなどの事情がありました。判決はこれらの事情を考慮し、エステティシャンとしての勤務が上肢障害の原因となったとして、労災認定をしたのです。

　上肢障害についてはキャビンアテンダント、手話通訳従事者、鍛造作業員などについて問題になりえます。本件判決は、それらの労働者の上肢障害認定にあたっても参考になるものと言えると思います。


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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弁護士　齋藤裕（新潟県弁護士会所属）

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