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道路のくぼみによる転倒と賠償責任

2015-05-30 06:28:05 | その他

 熊本地裁平成27年2月3日判決は、スクーターで走行していた人が県道のくぼみで転倒し、負傷した事故について、県に賠償責任を認めました。

 この判決は、道路に欠陥があり、しかも事故は不可抗力によるものではないとしました。

 判決は、スクーターなど軽量車両も走る県道に深さ約10センチメートルのくぼみがあったことについて、通行車両にとって危険であることは明らかであり、欠陥があるとしました。

 また、県は、事故の1ケ月前に生じたくぼみを補修していましたが、判決は、くぼみが生じやすい場所であったのだから抜本的な工事を行うべきであったとして、事故は不可抗力ではないとしました。

 以上の結果、県に事故による損害について賠償責任を認めたのです。

 この事故は県にとって想定可能な事故だったと言え、結論としては穏当なものかと思われます。

 

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                       弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)

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センターラインを超えた自動車と衝突した自動車を運行に供していた者の損害賠償責任

2015-05-29 19:22:56 | 死亡事故

 福井地裁平成27年4月13日判決は、センターラインを超えてきた自動車と衝突した自動車を運行に供用していた者について、自動車損害賠償保障法3条による賠償責任を認めました。一般的には過失がないとも思われる側に賠償責任を認めた事例として報道もされた事例です。

 前提として、自動車損害賠償保障法3条の規定を見ておきましょう。同条は、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者または運転者以外の第三者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったことなら身に自動車に構造上の欠陥又は機能の障害があったことを証明したときは、この限りではない」としています。つまり、自動車を運行の用に供する者は原則損害賠償責任を負うことになっているのです。例外的に、注意を怠らなかった場合に損害賠償責任を負わないことになります。

 さて、福井地裁判決は、センターラインを超えてきた自動車を発見することができた地点を特定することができないことを前提に、それと衝突した自動車の運転手が前方不注視の過失がなかったとは言えないとします。つまり、過失があったとも言えないが、なかったとも言えないとして、上記自動車損害賠償保障法3条の規定にあてはめをして賠償責任を認めたのです。

 つまり、同判決は、事実関係がはっきりしないことが前提のものであり、一般的にセンターラインを超えて走行してきた自動車側が損害賠償請求をすることができるとの判断をしたものではありません。それにしても、被害者救済にとって一定の意味を持つとは思います。

 

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後部シートベルト不装着と過失相殺 その2

2015-05-14 13:46:20 | 過失割合(その他)

 以前、このブログで、後部シートベルト装着義務化後、後部シートベルト不装着の場合に被害者側の過失が認められる可能性があると指摘しました。

 後部シートベルト義務化後の裁判例は、やはり後部シートベルト不装着の場合に被害者側の過失を認め、あるいは場合によっては認める可能性を前提としていると思われます。

 例えば、名古屋地方裁判所平成24年11月27日判決は、母親が運転し、子どもら2人が後部座席にシートベルトなしで座っていた事故について、子どもら2名がシートベルトを締めていなかったことが損害を拡大させたとして、被害者側に5パーセントの過失割合を認めました。この事故は平成20年6月21日であり、平成20年6月1日の後部座席のシートベルト義務化の直後でした。

 過失割合の程度については、この事故が義務化直後で後部座席でシートベルトをするということが必ずしも浸透していなかったと思われる事故であるという特殊性があるので、後部座席シートベルト不着用の場合には機械的に5パーセント過失が認められると見るべきではないでしょう。しかし、シートベルトをしていてもいなくても同じ結果が発生したと言えるような場合は別として、後部座席のシートベルト不着用が過失相殺の対象となることは前提として踏まえておくべきでしょう。

 

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