中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

ヤクの乳で作ったバター=酥油

2013年05月13日 | 少数民族の食べ物

2011年冬に20数年ぶりに訪れた雲南省の麗江市内の農易市場で、ヤクの乳で作った酥油(注:ヤクの乳等で作ったバターを中国語では酥油と言うようです。)を初めて見ました。20数年前にも麗江は何度か訪れた事もあったのですが、麗江等で動物のヤクを見たことはありましたが、ヤクの乳で作ったバター酥油は見たことがありませんでした。当然酥油も食べた事もありませんでした。

旅行などでいろいろな地域を尋ねた際に、その土地の農易市場を訪れるのは結構楽しいものです。場所により売っている物も違いますし、その土地ならではの食べ物、野菜、特産物等を見ることが出来る上に、その土地で生活している人々の生活の様子も垣間見る事が出来るような気がしてとても楽しいものです。

たまたま買い物に行った麗江市の農易市場で、ヤクの乳で作った酥油を見かけたのでその酥油を買いました。値段は、確か一キロで80元だったように記憶しています。それまでは雲南省の他の場所では酥油は見かけた事がありませんでした。ヤクは海抜3000メートル以上の高原に住む動物だそうで、海抜の低い昆明市や大理市等では、ヤクも生息していない事もあり酥油も売っていないようです。貴州省でもヤクは見かけた事もありませんでしたし、当然酥油も見たことはありませんでした。

酥油は、ヤクの乳の独特の臭いがするものの、この手作りの酥油は本当に美味しかったです。知り合いの中国人にも、酥油を差し上げたら大変美味しいと言ったのを覚えています。その中国人も生まれて始めて酥油を食べたと話しており「癖になりそう」と感想を述べた事を思い出します。その中国人は日本やアメリカ、イギリス等長い間生活した事のある人で、いわゆる洋食にも慣れている人です。

私は、日本に居る時も、そもそも本物の美味しいバターを食べた事がないせいか、バターを余り美味しいと思った事は有りませんでしたが、このヤクの乳で出来た酥油は本当に美味しいと思いました。一度食べたら病みつきになりました。これまで、本物の手作りのバターを食べた事がないせいか、余りバターを美味いと思った事は有りませんでしたが、このヤクの乳で出来た酥油は本当に美味しいです。ヤクの乳で作った酥油は20度超える程度の温度でも溶けることもなくちゃんと形を保っています。市販のバターがどの位の温度で溶けるのか私には分かりませんが、酥油は20度超える程度の温度でも溶けることもなくちゃんと形を保っているのは、それだけでも普通のバター等は違う点で酥油の凄い所だと思います。

 これが酥油、麗江市内の農易市場で買った酥油。こういう円形で売るのが一般的のようで、一個80元。重さは一キログラム。この様に紙で包んで売っていました。常温でも溶けないとは言え、店では日陰に置いてあります。店頭には並んでない事が多く、「有酥油」 (注:酥油あります)という看板があるだけの事が多い。

また機会があれば酥油を食べたいと思っていたら、私が今滞在中の大理古城で行われた大理三月街という祭りで、チベット族が酥油を売っているのを見かけたので当然買いました。値段は一斤(500g)で80元でした。

以前中国のTV番組ですが、雲南省のチベット族の住むある村で、今でも続けられている昔ながらの方法でヤクの乳から酥油を作る様子を見た事があります。絞ったヤクの乳を、大きな竹筒に入れ1,2時間もかき回すと、ヤクの乳が分離しはじめ、塊が出来始め、それが酥油となるのを見て感動したのを覚えています。その村ではヤクを遠くの放牧場に連れて行き、ヤクの乳を搾り、その搾ったヤクの乳はすべて酥油にして売るとの事でした。そのチベット族の村にも、近年多くの旅行客が訪れるようになり、観光客相手のゲストハウス、みやげ物屋、食堂等を経営する村人が多くなり、ヤクを放牧しながら昔ながらの生活をする人も減り、昔ながらの方法で酥油を作る人も減り、それに伴いの酥油の生産も減っているとの事でした。酥油を手に入れるのは、これからもっと難しくなるかも知れません。

雲南省の麗江市、シャングリラ等に行かれる方は是非、一度手作りの酥油を食べて見てください。絶品です。

 

 

 



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