月曜朝、眠い目をこすりながらノースエンドへと急ぐ。数ヶ月ぶりにボストン・グローブ紙のフランクと再会し、眠気覚ましに濃い目のエスプレッソを飲みながら、色々な話で盛り上がった。フランクの友人のルイス君も遊びに来ていて、彼はイタリアの某紳士靴メーカーの関係者で、近いうちに東京に直営店を出せないかと考えているんだとか。「日本に行くかもしれないから」と名刺を交換する事になり、東京に店を出すんだったら、本当にのぞきに行こうかなと思ってる。フランクの弟がニューオーリンズのフレンチ・クォーターに住んでいて、来月結婚式を挙げる予定だったんだけど、ハリケーンが来る1日前に町を脱出して無事だったようだ。ニューオーリンズを脱出する前、フランクの弟は何日かかけて滞在できるホテルを探したものの、少し離れた場所にあるホテルも全てが満室となっていて、最終的にテネシー州メンフィスにまで移動したらしい。でも、とにかくよかった。
昨日のブログでは連邦緊急事態管理局(FEMA)のブラウン長官の経歴について触れたけど、今日は最近のFEMAを取り巻く現実についても紹介しておきたい。5日付のロサンゼルス・タイムズ紙は、911同時多発テロ事件後のFEMA内のプライオリティ変化を詳しく報じている。1979年に当時のカーター政権によって設立されたFEMAは、地震やハリケーンなどの災害をメインに扱ってきたが、テロ事件後に局内の予算やスタッフの大部分は災害対策からテロ対策へのシフトチェンジを迫られた。さらに、国土安全保障省に吸収されると、自然災害の専門家達が人員整理の対象となり、災害対策予算も大幅にカットされている。国土安全保障省の管轄下に置かれたこの2年間で、全職員の約1割にあたる500人の人員カットが実施され、FEMA経由で地方自治体にまわされる予算の約75パーセントがテロ対策予算へと変化している。
ワシントンでもカトリーナ関連で動きがあった模様で、AFP通信によると、民主党のヒラリー・クリントン上院議員(ニューヨーク州)は5日、ブッシュ大統領に対して政府による救援活動の遅れを調査する独立委員会を設置するように求めている。911同時多発テロ事件後、超党派の独立調査機関「911委員会が」設けられたが、クリントン議員は同様の委員会の設立を訴えている。一報、ブッシュ大統領は5日に再び被災地域の訪問を行ったが、訪問の詳細がルイジアナ州のキャスリーン・ブランコ知事に全く伝えられておらず(知事のスタッフがメディアの指摘で初めて知った)、全米のメディアは民主党のブランコ知事とブッシュ大統領との間の「ギクシャクとした関係」の存在を報じている。
ニューオーリンズ市警のウォーレン・ライリー副所長は4日、市警に勤務する2人の警察官が自殺を図った事を公式に認めた。「2人の警察官が、自分の銃で自殺を図りました」、ライリー副所長は記者会見で絞り出すような声でそう語った。自ら命を絶った2人の警察官は市警広報官のポール・アッカード巡査部長と、ローレンス・セレスタイン巡査で、複数の同僚は「2人が責任感の非常に強い警察官だった」とAP通信の取材に答えている。5日にも記者会見を開いたライリー副所長は、ニューオーリンズ市警に勤務する約1600人の警察官のうち、400~500人程度と連絡が取れていない状態である事を明かしている。洪水の激しい地域に住む警察官がそのまま取り残されてしまったり、家族の面倒を見るために現場に出る事ができない警察官も少なからず存在する模様だが、単に職務放棄をして現場から去った警察官も存在するとライリー副所長は語っている。
ニューオーリンズ市警警察官による職場放棄問題がクローズアップされる中、現場で救助活動や治安維持に従事する警察官が置かれた過酷な状況も少しずつ報じ始められている。ハリケーンによって町の機能が完全に破壊されると、市警は市内のカジノ脇にあるドライブウェイに災害対策本部を設置したが、水や食料だけでなく医薬品や武器・弾薬の不足も非常に深刻で、個人で所有するショットガンを携帯し始めた警察官も少なくない。エディー・コンパス本部長は先週、記者達に対して「被災現場の警察官は対策本部横のカジノの地下倉庫で排便し、周辺の商店から食料を探し出して、なんとか食べつないでいる状態だ」と語り、物資不足が解決しない現状に苛立ちを露にした。5日午後の記者会見では、通信手段や照明器具が殆ど無い中で武装市民による銃撃で発生した僅かな光を頼りに、犯罪発生現場へ向かっている警察官が何人もいると語り、警察によって何人の武装市民が射殺されたか把握していないともコメントした。
5日の記者会見で連邦政府の対応の遅さについて聞かれたコンパス本部長だが、「私は役人ではなく警察官なので、そういった質問には答えません」と直接的な政府批判を避け、「必要物資を早く届けてほしいのですが、来る気配がぜんぜんありませんね」とコメントするにとどまった。被災地域には州兵や海兵隊も展開しているが、全米各地の警察官も応援に駆けつけている。先週末、ニューヨーク市警は172人の警察官をルイジアナ州での救援活動に派遣したが、5日にも150人が追加派遣されている。全米各地から被災地に派遣された警察官は2000人程度いる模様で、その多くが軍隊経験者ということだ。これまで経験した事の無いストレスに悩まされる警察官が少なくないため、ニューオーリンズ市警では現場の警察官に順番で5日間の休暇を取らせ、アトランタやラスベガスで少しの間リラックスしてもらい、そこで心理カウンセリングを行う事も決定している。
学生時代の仲間と再びディナーに行く前、久しぶりにハーバード・スクェアまで行って、書店めぐりを楽しんだ。1時間しか時間が無かったんだけど、専門書から輸入本まで品揃えが豊富で、ニューヨークとボストンでは絶対に書店巡りをするようにしている。今日は時間が無かったので、明日夕方か水曜日朝にもう一度だけ本屋に立ち寄りたい。でも、そんな中でもシッカりと面白そうな本を買ってまいりました。ボストン・レッド・ソックスのイヤーブック(これは1999年から欠かさず買い揃えている)に「スタッフ・ハプンズ」という昨年ロンドンで行われた舞台劇の戯曲、そして「ワード・ラバーが知っておくべき100語」という本を購入した。大学院に行くために受けるGREという共通試験で、僕はボキャブラリーのテストが結構得意だったんだけど、この本を見て忘れている単語があまりに多い事実に愕然とし、少しだけ勉強しなおそうかなと思ったわけで。三日坊主にならぬよう頑張ります、たぶんね。
昨日のブログでは連邦緊急事態管理局(FEMA)のブラウン長官の経歴について触れたけど、今日は最近のFEMAを取り巻く現実についても紹介しておきたい。5日付のロサンゼルス・タイムズ紙は、911同時多発テロ事件後のFEMA内のプライオリティ変化を詳しく報じている。1979年に当時のカーター政権によって設立されたFEMAは、地震やハリケーンなどの災害をメインに扱ってきたが、テロ事件後に局内の予算やスタッフの大部分は災害対策からテロ対策へのシフトチェンジを迫られた。さらに、国土安全保障省に吸収されると、自然災害の専門家達が人員整理の対象となり、災害対策予算も大幅にカットされている。国土安全保障省の管轄下に置かれたこの2年間で、全職員の約1割にあたる500人の人員カットが実施され、FEMA経由で地方自治体にまわされる予算の約75パーセントがテロ対策予算へと変化している。
ワシントンでもカトリーナ関連で動きがあった模様で、AFP通信によると、民主党のヒラリー・クリントン上院議員(ニューヨーク州)は5日、ブッシュ大統領に対して政府による救援活動の遅れを調査する独立委員会を設置するように求めている。911同時多発テロ事件後、超党派の独立調査機関「911委員会が」設けられたが、クリントン議員は同様の委員会の設立を訴えている。一報、ブッシュ大統領は5日に再び被災地域の訪問を行ったが、訪問の詳細がルイジアナ州のキャスリーン・ブランコ知事に全く伝えられておらず(知事のスタッフがメディアの指摘で初めて知った)、全米のメディアは民主党のブランコ知事とブッシュ大統領との間の「ギクシャクとした関係」の存在を報じている。
ニューオーリンズ市警のウォーレン・ライリー副所長は4日、市警に勤務する2人の警察官が自殺を図った事を公式に認めた。「2人の警察官が、自分の銃で自殺を図りました」、ライリー副所長は記者会見で絞り出すような声でそう語った。自ら命を絶った2人の警察官は市警広報官のポール・アッカード巡査部長と、ローレンス・セレスタイン巡査で、複数の同僚は「2人が責任感の非常に強い警察官だった」とAP通信の取材に答えている。5日にも記者会見を開いたライリー副所長は、ニューオーリンズ市警に勤務する約1600人の警察官のうち、400~500人程度と連絡が取れていない状態である事を明かしている。洪水の激しい地域に住む警察官がそのまま取り残されてしまったり、家族の面倒を見るために現場に出る事ができない警察官も少なからず存在する模様だが、単に職務放棄をして現場から去った警察官も存在するとライリー副所長は語っている。
ニューオーリンズ市警警察官による職場放棄問題がクローズアップされる中、現場で救助活動や治安維持に従事する警察官が置かれた過酷な状況も少しずつ報じ始められている。ハリケーンによって町の機能が完全に破壊されると、市警は市内のカジノ脇にあるドライブウェイに災害対策本部を設置したが、水や食料だけでなく医薬品や武器・弾薬の不足も非常に深刻で、個人で所有するショットガンを携帯し始めた警察官も少なくない。エディー・コンパス本部長は先週、記者達に対して「被災現場の警察官は対策本部横のカジノの地下倉庫で排便し、周辺の商店から食料を探し出して、なんとか食べつないでいる状態だ」と語り、物資不足が解決しない現状に苛立ちを露にした。5日午後の記者会見では、通信手段や照明器具が殆ど無い中で武装市民による銃撃で発生した僅かな光を頼りに、犯罪発生現場へ向かっている警察官が何人もいると語り、警察によって何人の武装市民が射殺されたか把握していないともコメントした。
5日の記者会見で連邦政府の対応の遅さについて聞かれたコンパス本部長だが、「私は役人ではなく警察官なので、そういった質問には答えません」と直接的な政府批判を避け、「必要物資を早く届けてほしいのですが、来る気配がぜんぜんありませんね」とコメントするにとどまった。被災地域には州兵や海兵隊も展開しているが、全米各地の警察官も応援に駆けつけている。先週末、ニューヨーク市警は172人の警察官をルイジアナ州での救援活動に派遣したが、5日にも150人が追加派遣されている。全米各地から被災地に派遣された警察官は2000人程度いる模様で、その多くが軍隊経験者ということだ。これまで経験した事の無いストレスに悩まされる警察官が少なくないため、ニューオーリンズ市警では現場の警察官に順番で5日間の休暇を取らせ、アトランタやラスベガスで少しの間リラックスしてもらい、そこで心理カウンセリングを行う事も決定している。
学生時代の仲間と再びディナーに行く前、久しぶりにハーバード・スクェアまで行って、書店めぐりを楽しんだ。1時間しか時間が無かったんだけど、専門書から輸入本まで品揃えが豊富で、ニューヨークとボストンでは絶対に書店巡りをするようにしている。今日は時間が無かったので、明日夕方か水曜日朝にもう一度だけ本屋に立ち寄りたい。でも、そんな中でもシッカりと面白そうな本を買ってまいりました。ボストン・レッド・ソックスのイヤーブック(これは1999年から欠かさず買い揃えている)に「スタッフ・ハプンズ」という昨年ロンドンで行われた舞台劇の戯曲、そして「ワード・ラバーが知っておくべき100語」という本を購入した。大学院に行くために受けるGREという共通試験で、僕はボキャブラリーのテストが結構得意だったんだけど、この本を見て忘れている単語があまりに多い事実に愕然とし、少しだけ勉強しなおそうかなと思ったわけで。三日坊主にならぬよう頑張ります、たぶんね。
記事大変興味深く拝見しました。改めて現場の悲惨さ混迷ぶりを思い知らされた気がします。
いろいろ考えさせられます。
時々のぞかせていただきます。
プレイオフが近づくにつれ、ヤンキースファンに対する風当たり(冷たい目)がシカゴでは強くなってきました。やつらはプレイオフで負けるのが怖いのです。ひろふみさん、ブロ具は大いに楽しませてもらっていますが、僕はあなた方レッドソックスが憎いです。どうか9月中はいい関係を続けましょう。
シカゴのことはよく分からないのですが(小学生時代からセントルイスには何度も滞在しているんですが…)、「レッド・ソックス憎し」と考えるファンがそんな所にまでいてくれるとは、正直嬉しい限りです。僕らはニューヨーク以外はあまり気にしてこなかったのですが、いつか新しいライバル関係が生まれるといいですね。