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皮膚を簡単にドーパミンニューロンに変換する方法が発見される

2016-01-03 06:06:54 | 
Discovery puts designer dopamine neurons within reach

Parkinson's disease researchers discover a way to reprogram the genome

December 7, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/12/151207081821.htm


(ニューロンにのみ見られるタンパク質(赤色)、ドーパミンを合成する酵素(緑色)、細胞のDNA(青色)を示した画像)

数十年に及ぶパーキンソン病の研究における『とらえどころのない聖杯/究極の目的elusive holy grail』は、不完全なドーパミンニューロンを修復して患者に戻し、ドーパミンを再び作り始めるための方法を見つけることだった
その目的のために研究者たちは胎児由来の材料materialを使ってきたが、得るのが難しく、質も不安定なものだった
胚性幹細胞embryonic stem cellsは途方もない革新tremendous innovationの象徴ではあったが、
幹細胞からドーパミンニューロンを作るのは長いプロセスを必要とする割に成功する割合は少ないa long process with a low yield

これらの問題から、研究者は皮膚のような簡単に得られる細胞を通常脳内に隠れているドーパミンニューロンへと変換する方法を開発する努力に迫られてきた
しかし、それも十分な量のニューロンを得るのは難しかった

今回ニューヨーク州立大学バッファロー校Jacobs School of Medicine and Biomedical Sciencesに所属するパーキンソン病の研究者は、そのような細胞変換の障害を乗り越える方法を発見し、皮膚の細胞からドーパミンニューロンへの変換を強化する方法を開発した
彼らが言うには、それは同時にあらゆる細胞を研究する科学者のやり方を変化させる深い意味を持つという


細胞の『門番』
A cellular 'gatekeeper'

Nature Communicationsで12月7日に発表された新たな研究は、転写因子であるp53が『門番』として働くという発見を中心に展開するrevolve around

「我々はp53が細胞内の『現状the status quo』を維持しようと努力することを発見した
p53はある細胞タイプから別のタイプに変化することから守っている」
生理学部と生体物理学部の教授である首席著者のJian Feng, PhDはそのように説明する

「p53は門番の一種として働き、細胞のタイプが変化しないように防いでいる
我々がp53の発現を低下させると興味深いことが起きた
線維芽細胞を非常に簡単にニューロンへ再プログラムすることが可能になったのである」

この進歩は基礎細胞生物学にとって重要な意味を持つとFengは言う

「これは細胞のタイプを変化させる一般的な方法generic wayである
変化への障壁を取り除けば細胞をソフトウェアシステムとして処理できることを我々の研究結果は立証する
どの遺伝子のスイッチがオン/オフに切り替わるのかを制御する転写因子の組み合わせを明らかにできれば、どのようにしてゲノムが読まれるのかを変化させることが可能である
我々はより素早くこのシステムをいじるplay withことが可能になり、体内の組織と似たような組織を作ることが可能になるかもしれない
そう、脳組織でさえ」

「人々は物事が階層的に進むと考えるのが好きであり、人間が一つの細胞から始まってだんだん40兆の細胞からなる大人へ成長すると考えるが、我々の研究結果はそのような『階層』がまったく存在しないことを証明する
我々の細胞は全てが最初の細胞と同じソースコードを持ち、このコードが異なった読まれ方をすることで体を構成するあらゆるタイプの細胞が作られる」


細胞を変換して新しいドーパミンニューロンを作る
Generating new dopamine neurons via cellular conversion

タイミングが彼らの成功の鍵だった
Fengは言う
「ゲノムの複製準備が全て整ったことを保証ensureするために細胞が環境を感知しようとするまさに直前、
細胞周期におけるそのようなポイントが『ゴールデンアワー/prime time』であることを我々は発見した」

※prime time: 一日で最も視聴率の高い時間

細胞周期のまさにその時間にゲノムの門番であるp53を抑制することによって、彼らは以前の研究で発見されていた転写因子の組み合わせ(Ascl1, Nr4a2, Lmx1a, miR-124)を使って皮膚細胞を容易にドーパミンニューロンへと変えることが可能になった
これらの操作はDNAを修飾して脱メチル化する酵素であるTet1の発現をオンに切り替え、ゲノムの読み方を変化させる

http://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=ASCL1
>This protein plays a role in the neuronal commitment and differentiation and in the generation of olfactory and autonomic neurons.
(このタンパク質はニューロンのコミットメントと分化に関連する)

http://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=NR4A2
>Mutations in this gene have been associated with disorders related to dopaminergic dysfunction, including Parkinson disease, schizophernia, and manic depression.
(この遺伝子の変異はドーパミン作動性の機能不全に関する疾患と関連する)

http://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=LMX1A
>This gene also plays a role in the development of dopamine producing neurons during embryogenesis. Mutations in this gene are associated with an increased risk of developing Parkinson's disease.
(この遺伝子はドーパミン産生ニューロンの発達に関与する)

「我々の方法は以前開発されたものよりも早く、そしてはるかに効率的である」
Fengは言う

「これまでの方法では2週間かかって5%のドーパミンニューロンを作成するのが最高だったが、
我々の方法は10日で60%のドーパミンニューロンを得ることができる」

研究者は多くの実験を実施し、これらのニューロンが中脳ドーパミン作動性ニューロンとして機能することを立証している
パーキンソン病で失われるのはこの種のニューロンである

この発見により研究者は患者それぞれに特異的なニューロンを試験管内で作成し、脳内へ移植して壊れたニューロンを修復することができるようになる
それはまたパーキンソン病の新たな治療法を効率的にスクリーニングするために使うことも可能である


OPEN
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms10100
Cell cycle and p53 gate the direct conversion of human fibroblasts to dopaminergic neurons.
細胞周期とp53はヒト線維芽細胞からドーパミン作動性ニューロンへの直接変換をゲート制御する

線維芽細胞から誘導ドーパミン作動性ニューロン/induced dopaminergic (iDA) neurons等への直接変換は、細胞運命の可塑性を実証する
これらの比較的早い変換の効率の低さは、動的な障壁が存在して細胞アイデンティティを保護していることを示唆する

今回の研究で我々はp53の抑制を細胞周期のG1での停止ならびに適切な細胞外環境と組み合わせることで、転写因子とマイクロRNA(Ascl1, Nurr1, Lmx1a, miR-124)によるヒト線維芽細胞からiDAニューロンへの分化転換transdifferentiationの効率を著しく増大することを示す

この変換はTet1依存的である
なぜなら、G1停止かp53ノックダウンまたは再プログラム因子発現は相乗的にTet1を誘導するからである

Tet1ノックダウンはこの分化転換を無効化するが、Tet1過剰発現は変換を促進する

iDAニューロンは中脳ドーパミンニューロンのマーカーを発現し、活発にドーパミン作動性の伝達をする

我々の結果はこのような動的な障壁を乗り越えることで非常に効率的なエピジェネティック再プログラム化を全般的に可能にし、
パーキンソン病の研究と治療に役立つ患者特異的な中脳ドーパミンニューロンを生成するであろうことを示唆する



関連サイト
http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/31255
ヒト繊維芽細胞から機能を持った誘導神経(iN)細胞を作れることが、3つの研究により実証された。
Pangたちは、Ascl1(別名Mash1)、Brn2(別名Pou3f2)、Myt1lという3つの転写因子の組み合わせが、ヒト胚性幹細胞のニューロンへの分化を著しく促進することを明らかにしている。
Caiazzoたちは、Mash1、Nurr1(別名Nr4a2)、Lmx1aという3種類の転写因子の混合物を使って、マウスとヒトの出生前繊維芽細胞および成体繊維芽細胞を、機能を持ったドーパミン作動性ニューロンへと変換している。
Yooたちは、miR-9/9*とmiR-124をヒト繊維芽細胞で発現させると、機能を持ったニューロンへの変換が起こり、この過程は神経発生を誘導する転写因子をさらにいくつか加えることで促進されることを明らかにしている。

http://dx.doi.org/10.1038/476158a
Regenerative medicine: Bespoke cells for the human brain

References
1.Pang, Z. P. et al. Nature 476, 220–223 (2011).
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/nature10202

2.Caiazzo, M. et al. Nature 476, 224–227 (2011).
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/nature10284

3.Yoo, A. S. et al. Nature 476, 228–231 (2011).
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/nature10323



関連サイト
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2011/kr7a43000009logj.html
慶大、皮膚の細胞から2週間で神経幹細胞を作成することに成功



関連サイト
http://www.med.keio.ac.jp/gcoe-stemcell/treatise/2012/20130328_01.html
miR-124はPTBを標的として選択的スプライシングを介して神経細胞への分化を誘導する
 

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