ビタミンA誘導体は、2型糖尿病を治療して心血管系の合併症を予防するかもしれない
寒さに対する曝露は、結果として褐色脂肪と白色脂肪への分化の刺激になる。そして、トリグリセリドから遊離脂肪酸とグリセロールへの転換を促進する。
しかしながら、褐色脂肪細胞では、これらの脂肪酸はミトコンドリアで急速に酸化して、UCP1タンパク質の影響を受けて熱を生じる。
したがって、褐色脂肪は、基底エネルギー代謝を増加させるのを助ける。
ビタミンA誘導体のレチノイン酸は、ミトコンドリア経路(酸化的リン酸化)の脱共役を許すミトコンドリア脱共役タンパク質(UCP1)を促進する。
学術誌参照:
1.オールtransレチノイン酸は、心保護ナトリウム利尿ペプチド系の遺伝子発現を促進して、肥満ob/obマウスの心筋細胞で、線維症とアポトーシスを防止する。
応用生理学、栄養と代謝(2014);
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140616141419.htm
<コメント>
ビタミンAから作られるレチノイン酸は、マウスで白色脂肪細胞より褐色脂肪細胞への分化を促進して、さらに褐色脂肪細胞のUCP1(mitochondrial uncoupling protein)を刺激するというものです。
UCP1はATPを作る代わりに熱を作るので、エネルギーの代謝が上昇します。
しかし、そのためには電子伝達系が機能していることが前提です。
ビタミンAを取れば、即、代謝が上がるというものではありません。
そしてビタミンAは様々な作用があるので、もちろん取り過ぎは毒になります。