福島ズボラーヌ

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大阪市福島区(並びにその周辺)をうろうろ徘徊。

福島ズボラーヌ日記(12年10月)

2012-10-14 | ■その他
先日、文楽鑑賞に行き、
たった一回の鑑賞で見事にはまってしまいました。

あまりに面白かったので、これからは帰省のタイミングを
文楽の大阪公演の時期に合わせようかと思っているほどです。
千日前線に乗れば、日本橋までスグですし。

古典芸能だから「敷居が高いのでは…」と思って敬遠していたのですが
実際に言って見たら、思いのほか敷居は低かったです。
そして全編、コテコテの大阪弁です。

11月の大阪公演の演目は「仮名手本忠臣蔵」です。
そのPRとして、大阪駅で無料イベントがあるそうです。
残念ながら、私は行けないのですが、もしお時間があるなら是非。

「文楽との出合い」in大阪ステーションシティ

場所:JR大阪駅 大阪ステーションシティ 時空の広場(5階)
日時:10月23日(火) 17:00~18:00
費用:無料



1月にも大阪の文楽劇場で公演があります。
その時には、福島区を舞台にしたものが上演されます。

『ひらかな盛衰記』の「松右衛門内の段」と「逆櫓の段」。
源平時代の物語です。
「逆櫓」と言えば、ご存じの方もたくさんいらっしゃると思いますが、「逆櫓の松」。
福島2丁目にあるマンション、「ドミール堂島」の前に古い石碑が建っています。

私はこの石碑を見るたびに、前の喫茶店(ウインブルドン)でコーヒーを飲みながら
軍議をする武者、というのを想像してはにやにやしていました。

大阪市福島区:名所・旧跡 逆櫓の松跡
wikipedia:逆櫓の松
Yahoo!百科事典:ひらかな盛衰記(ひらかなせいすいき)

『ひらかな盛衰記』の松右衛門さんは船頭です。
福島に住む老人、権四郎さん(同じく船頭)の娘婿ですが、
それは世を忍ぶ仮の姿…というお話らしい。
松右衛門さんと権四郎さんのお住まいがどの辺りかは知りませんが
私の想像の中では、ドミール堂島の住民です。

この「逆櫓の段」の最後には
世は逆まの逆櫓の松と朽ちぬその名を福島に枝葉を今に残しける。
という文言が登場します。

「逆櫓の松」は江戸時代の「摂津名所図会」(昔のガイドブックみたいなもの)に掲載されていましたが
今は枯れてしまい、代わりにひょろひょろの細い松が生えています。
かつては立派な老松だったらしい。

『平家物語』はとても有名な物語ですし、能や文楽、歌舞伎でも取り上げられています。
その昔、人形浄瑠璃はすごい人気で、浄瑠璃本は日本全国で売られていたそうです。
日本中の人が「大坂の福島に『逆櫓の松』がある」と知っていたかもしれません。

もしかしたら、昔の観光客の中には、源平ゆかりの地としてではなく、
「浄瑠璃に出て来る『逆櫓の段』の松っていうのはコレかいな」
と見てた人がいたりして。
(文楽「ひらかな盛衰記」の名シーンに「松の木に登って周囲を見回す」という場面があるそうなので)

なにわふくしま資料館:『大阪府全志 巻之二 上福島聯合(6)』

こちらに掲載されている資料によると、
一説には屋島役のころ逆櫓をよくする船頭松右衛門なるものの住みし旧跡なりともいへり。
逆櫓が得意な松右衛門さん、ってまさに『ひらかな盛衰記』そのもの!
(てことは、やっぱりドミール堂島の住人なのか…)

ちなみに、「逆櫓の松」の前の道は、「曾根崎心中」や「冥途の飛脚」などに出てくる蜆川の跡。
自分の住んでいた場所が、名作の舞台地になっていたと知り、嬉しくなりました。

「ウインブルドン」
住所:大阪市福島区福島2-2-4
電話:06-6442-0661
参考:食べログ「ウインブルドン」

デザートメニューに「自家製あん巻き逆櫓セット」がある。
一体どんなんやろ、気になる…
(抹茶のロールケーキみたいですが)

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追記 2013.01

初春公演、行って来ました。もちろん、「ひらかな盛衰記」を観覧。
すごい面白かったです。
やっぱり「逆櫓の松」は義経ゆかりの史跡ではなく
芝居の「松右衛門の家にあった松」のことではないかと思う。
鑑賞日記は後日改めて。

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「福島ズボラーヌ:逆櫓乃松址
「福島ズボラーヌ:福島ズボラーヌ日記(13年1月)」(観劇感想文)

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