日日抄録

日々の生活の中で、心にとまったものの記録です。

三重へ 1日目 鳥羽

2009年07月31日 | 

久しぶりに、電車で三重県へ。

職場の方に、青春18切符を使わないかとのお誘いを受けたが、学生時代と違って時間的制約があり、断念。
大学時代に18切符旅で三重入りした時の思ひ出も胸に抱きつつ、今回は「快速みえ」に乗って、ぴゅーっと一気に行ってしまった。



鳥羽駅着。

前々から行きたいと思っていた水族館へ、とうとう来てしまいました!!
子ども連れや保育園児に交じって入場、多分この子たちよりドキドキしている私…。
そう、この水族館には私の好きな哺乳類系海洋生物がたーくさんいるのだ!



お魚たちももちろん好き。
水槽に顔をつけるくらいにしてお魚の目を見つめる、追いかける…と、中にはじいっとこっちを見ながら泳いでいったりするものもいて、面白い。



ひょ~、肉感的な不思議な光景。






わほっ!びっくりしたぜぃ。



そして、キタキターッ!(私が行ったんだけど。)
海獣の王国にて、オットセイの怠惰な姿&アザラシのまあるい頭!!
もぉ寝てるだけなのに、それでちょっとした刺激でヴァオ!なんて鳴いたりするだけなのに、なんでこんなにも面白いんだろうか。
子どもたちは寝ている姿にはあまり興味を示さないようで、「起きろーっ」なんて叫んだりちょっと見て過ぎて行ったりなのだが、私はじぃっくり観察。

その後、白いボディがキュートなスナメリと、水槽の壁越しに遊んだり、カッコイイ黒白模様のイルカの高速泳ぎに目を丸くしたり……



どっしり構えたマナティのお食事の様子を拝見したり……




人魚のモデルとも言われるジュゴンのつぶらな瞳に目が離せなくなったりと……

はぁ~、これは一日いてもよいな、というくらいに楽しめる楽園であったぞよ。



さて、鳥羽ではもう一ヶ所尋ねてみたい所があった。
それが、「鳥羽みなとまち文学館」である。
鳥羽には江戸川乱歩がしばらく居たことがあるようで、そんなあたりを展示してあるらしい、というのが私の仕入れてあった前情報。
『パノラマ島奇譚』という彼の作品は大槻ケンヂが絶賛していたが、私は読んだことがなかった。
しかし今回の旅でちょうどその舞台となるあたりへ行くにあたって、車中で読んできたところだった。
ちょっと、アヤシイ世界へ闖入しに行きますか…




途中、やせっぽちの猫に出会う。
にゃーんと鳴くのでこちらも猫語で返す。
近づいてくるので相当腹が減っているとみた。
しかし、餌になるようなものは持っていない。
しょうがないから、(私の)気休めに、なでなでして人語で何も持ってないことを告げ、元気でな、と背をたたいた。



土蔵作りの建物を入ると、「鳥羽の奇才 岩田準一」の文字が見えた。

十年の歳月をかけて交された“同性愛論議”『南方熊楠・岩田準一往復書簡 男色談義』
『本朝男色考 男色文献書誌』


私は初めて見る名前だったのだが、なかなか面白そうだ。
彼は、江戸川乱歩や竹久夢二と交流があったようで、夢二風の絵を好み、乱歩の作品の挿絵も描いている。

乱歩と準一との出会いは、大正7年(1918年)鳥羽造船所に勤務していた乱歩が、当時中学生だった準一の絵の個展を訪れた時のことでした。
大正14年(1925年)二人は東京で再会し、男色研究を通じて交流を深めていきました。
乱歩は、たびたび休筆宣言をし、放浪の旅に出ましたが、準一が旅の道連れとなったこともありました。


また上に挙げたように、南方熊楠とのやりとりや乱歩と男色文献をあさるといったあたりが、妄想をかきたてる。
写真を見ると、けっこう美形の男子だ。
田舎の港町にこんな青年がいたとはね…。

奥へ進むと、いよいよ乱歩の暗く倒錯した世界が小出しに紹介されているのだった。

乱歩は『人形』と題された随筆の中で、「仏像からあやつり人形に至るまでの、あらゆる人形に、限りなきみ力感じる」と述べ、人形に対する思いを次のように語っています。

 人間に恋は出来なくとも、人形には恋が出来る
 人間はうつし世の影、人形こそ永遠の生物


『人でなしの恋』の解説である。

また、『パノラマ島奇譚』の「パノラマ島」とは、鳥羽水族館すぐ近くにある現在の「ミキモト真珠島」ではないか、ということも書かれてあった。

御木本幸吉が真珠養殖の実験にしたこの島は、乱歩の目には得体の知れない不思議な場所として写っていたのかもしれません。



外へ出ると、琺瑯看板や昔の映画ポスター、紙芝居屋さんの自転車、裸電球などが配された昭和時代の空間。



わが部屋にいるのとはちょっと違った顔の、ナショナル電球おじさん。






この細い小路の向こうが現実世界…。




なにやら曇天も手伝って、密かな白昼夢的時間を過ごしたようだった。

最後に、パノラマ島を臨んでしばしぼんやりと時間を過ごす。

あ、そうそう。
こんなちらしが置いてありました。
「相差かまど 本物の海女文化にふれる 海女小屋体験」
「海女さんが体を休める海女小屋『かまど』で現役海女さんの話を聞きながら、食事やおやつを食べる体験ができます。」

鳥羽はよいところです。


引用:鳥羽みなとまち文学館 解説パネル


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
鳥羽までは (円町住人)
2009-08-04 01:46:52
あーっ、私の家の近所に「いる」電球のおっさん!
って、そういえばねこまろさんが彼について教えてくれたんでしたね。
毎年鈴鹿山系に登ってますが、鳥羽まではなかなか行きませんねぇ。
海沿いなら電車で何とかなりますが、ちょっと内陸に入ると電車がなかったり、あっても恐ろしいダイヤですからね。
懐かしいなぁ、鳥羽水族館、ミキモト真珠島。
海女デモンストレーションも見たことあります。
わりとみうらじゅん的エリアかもしれません。
10年くらい前に・・・ (たまのママ)
2009-08-04 17:39:50
懐かしい。鳥羽水族館、ミキモト真珠島、行きました。。
ももニャン似の猫ちゃんを発見。
猫が道案内??
こういう道って風情があっていいですね。ナショナルのブリキの看板もGoo!!
ねこまろさんの姿、かすかに見えました。
懐かしの場所でしたか。 (ねこまろ)
2009-08-07 16:57:11
円町住人さん

海女さん見たんですか!
おっしゃる通り、MJ 氏となぜだか嗜好が似てしまう…。
なんでしょう、どういう共通点があるのかなあ。
成育の過程で何か…。

ともあれ、鳥羽は懐かしくもあり、ちょっと陰な感じでしたね。
好きです。


たまのママさん

ももニャン似ですね!!
旅先で出会った猫もいいですよ~。
つい、交信するべく鳴いてしまいます。
私の中の猫の血!?が…。

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