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企業は派遣社員を使えば”(物品)諸経費”で消費税を節税できる 

2012-02-05 | 哀 / 労働問題 
 野田政権は本気で消費税を10%に引き上げようとしているようです。増税して社会保障制度は良くなるのか、といったテーマは『学習の友』11月号で勉強してください。ここでは、労働問題との関係について触れます。

派遣で消費税の納税額が減る

 まず、消費税は労働者を大事にしようとしている企業には不利に作用します。正社員のクビを切って派遣や請負に置き換える企業には得で、正社員を雇い続ける企業には損になるという税金なのです。
 それは、派遣や請負に置き換えると、消費税が節税できるからです。

 例を挙げましょう。
 A会社は正社員を1人年400万円で10人雇っているとします。人件費は4,000万円です。B会社は派遣労働者を1人200万円で20人雇っています。人件費は同じく4,000万円になります。

 両社とも売り上げは1億円、諸経費は5,000万円だとします。大雑把な計算ですが、消費税は売り上げから諸経費を差し引いた額にかかります。ですから、A社は差し引き5,000万円に5%をかけて、250万円が消費税額です。
 一方、B社の場合、派遣労働者の人件費4,000万円は派遣会社に支払う物品扱いになるため、諸経費に含めることができるのです。つまり、諸経費は9,000万円。税額は差し引き1,000万円の5%で50万円です。

企業を派遣の導入に誘導?

 同じような売り上げと利益を上げても、税額が200万円も違ってくるということです。
 企業は競争しています。派遣を使う方が得なら、どうしてもそちらに流れやすくなります。
 もともと派遣は人件費が安く、雇い止めもしやすいという企業にとっては「使い勝手のいい」働かせ方です。加えて、節税までできるとなれば、真面目に正社員を雇っているのがバカバカしくなるかもしれません。
 
中小企業を直撃する消費税

 もう一つ、雇用という点で心配なのが、日本の多数の労働者が働いている中小企業への影響です。
 消費税は、ズバリ弱肉強食の税金です。下請け関係をはじめ、取り引きのなかで強い者が弱い者に負担を押し付けやすいのです。
 下請け企業が親企業に製品を納入するとき、消費税分を上乗せします。でも、親企業から「税金分は負けといて」と言われたらどうしますか。あるいは、「もっと単価を下げてくれ」と言ってくるかもしれません。下請けがしわ寄せを受ける点では同じなのです。

 景気が悪く、単価も叩かれっ放しの昨今。そこに下請けいじめの消費税です。
 法人税と違って、消費税は赤字決算でも支払わなければなりません。税率アップで中小零細企業の倒産が増えるのは確実でしょう。それは、労働者の雇用の場がなくなるということです。
 
労働者が使えるお金は減るばかり

 正社員雇用が減り、中小企業が倒産する―少なくとも消費税の税率アップがそうした事態に拍車をかけることは間違いありません。さらに、労働者一人一人の税負担も増えるのです。政府は5%→8%→10%という引き上げを考えているようですが、とんでもない。働く者が自由に使えるお金は減るばかりです。

 日本経済は今のデフレ状態から抜け出せなくなってしまいます。
 
輸出戻し税―大企業への補助金!?

 そんななかでも、大企業、特に輸出型の大企業は消費税アップの必要性をずっと唱えてきました。
 もともと、製品に消費税を上乗せして販売できる企業にとっては、痛くも痒くもありません。下請けに負担を転嫁すれば、自らは負担せずに済みます。

 さらに、輸出戻し税制度があります。国内の製造過程で上乗せされてきた消費税額を、輸出の時点で還付してもらえる制度です。計算上はプラス・マイナスがないはずですが、実際には大企業への補助金になっているとの指摘もあります。
 
-輸出戻し税って?
 A 消費税は外国の消費者から取らないことになっており、輸出した場合、企業は仕入れにかかった消費税額を回収できません。
 これを解決するため、輸出企業に仕入れ段階で支払った消費税を還付するのが「輸出戻し税制度」です。

輸出大企業を抱える地域の税務署では消費税収より「戻し税」還付額が多く、赤字になることもあります。トヨタ本社がある豊田税務署(愛知県)は09年に923億円の赤字でした。

 この制度のもとで輸出企業は、下請け業者などに対して、消費税額を含めた価格で仕入れを行うことが前提とされます。しかし、一部の輸出大企業は、下請け業者などに消費税額分を値引きさせ、負担を免れています。この場合、実際には負担していない消費税が輸出大企業に還付されることになります。こうした制度の悪用は問題です。


許せない自社利益第一の大手労組

 中小企業や流通関係の労働組合は、1997年の消費税引き上げに反対してきた経緯があります。
 一方、輸出型大企業の多い金属大手の労働組合はもともと消費税導入に賛成でした。この問題でも大手労組は企業のスタンスと見事に一致しているのです。



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