えー、昨日の続きをしようと思っていたのだが、iwagumiさんからの質問が、コメントでは回答しづらい物だったので、急遽予定を変更して、被写界深度の話を・・。
いつまで経っても初心者レベルから離れられない俺が、偉そうに講釈を垂れるのは、かなりくちはばったい気はするのだが、まあ、初心者なりの理解という事で・・。
えーっと、背景などのボケ具合は、”被写界深度”と呼ばれる物で決まります。
被写界深度ってのは、平たく言えば、”ピントの合う (合って見える) ”範囲の事です。
被写界深度が浅い=ピントの合う範囲が狭い。
被写界深度が深い=ピントの合う範囲が広い。
と言う事になります。
被写界深度に影響を与えるもの一つ目は、絞りの値 (F値) です。
カメラの絞りは、F値が大きくなるほど光の通路が狭くなっていきます。
光の通路が狭くなればなるほど、被写界深度は深くなっていきます。
詳しい説明は、写真の専門誌に譲りますが (言葉だけでは説明が難しい・・。) 、実例として、”写るんです”の写真がパンフォーカス (近くから遠くまでピントが合っている状態。) になっているのは、レンズが小さい (=絞りを絞っているのと同じ状態。) だからです。
ちょっと判りにくいかも知れないのですが、下の二枚の写真、同じ位置から、同じレンズで絞りのF値だけを変えて撮っています。
バックのボケ方が違うのが判るでしょうか。
露出時間 : 1/25秒
レンズF値 : F10.0
露出制御モード : 絞り優先AE
露出時間 : 1/80秒
レンズF値 : F5.6
露出制御モード : 絞り優先AE
この他に、焦点距離の長いレンズで被写体に近寄った方が被写界深度は浅くなりやすい。
また、カメラー被写体間の距離と被写体ー背景間の距離の差が大きいほどぼけ易くなります。
よって、背景をぼかすには、
1)なるべく、被写体と離れている背景を選ぶ。
2)焦点距離の長い (望遠系) のレンズを使用して、出来るだけ被写体に近づく。
3)絞りを出来るだけ開ける (解放F値の小さい、大口径レンズの使用が望ましい) 。
となります。
実際にはこの他に、撮像素子の大きさと言う要素も有るのですが (撮像素子が大きい方がぼけやすい。) 、今回は同じカメラでと言う前提で割愛します。
以上、非常に簡単ですが、ぼけについての初心者なりの解説でした。