精神世界と心理学・読書の旅

精神世界と心理学を中心とした読書ノート

健康生活の原理・活元運動のすすめ(野口晴哉)

2010-04-13 09:34:09 | 気功
◆『健康生活の原理・活元運動のすすめ』(全生社)

講演の記録なので野口晴哉の本のなかでは分かりやすい。その基本的な考え方を知るための入門書である。この本では、大きく二つの視点から語られている。

まずは病気の意味についてである。 「病気をする人は、病気をしないといけない状態になっている。そして病気をして経過すると、今までの疲れが抜ける。眠っている力が出てくる。ひょっとしたら病気はそういう居眠りしている力を喚び起こすためになるのではないだろうか。」

この考え方は、『風邪の効用』でも強調され、野口整体にとって基本であり、また活元運動についての考え方とも重なる。活元運動とは、人間に本来備わっている自然治癒力によって体がバランスを取り戻そうとする運動だ。思わずクシャミをしたり、アクビをしたり、無意識に痛いところに手を当てたりするように、体がひとりでに動くのも一種の活元運動だ。

病気もまた、活元運動と同じように体のバランスをと取り戻そうとする反応と捉えられる。しかし、訓練を重ねていると、徐々に体が敏感となり、体が必要を感じた時に、バランスを取り戻すために最も適した運動が出やすくなるという。人間に備わる自然のリズムに添って動く活元運動が活発になれば、それによって自然に健康が保たれるようになる。

もうひとつ野口整体の基調になるのは、「外から気を伝えるというのではなく、 気と気が感応して、相手の中に元気が沸き起こる」という「感応」の考え方だ。愉気(ゆき)法とは、「人間の気が感応し合うということを利用して、お互いの体の動きを活発にする方法」であるという。愉気して呼びかけると、呼び出されたままに感応して動き出してくる。気は、体の中の勢いを誘導する。とくに体調が崩れたひとは、早く快復しようとする動きが起こる。弱い人は丈夫になろうとする要求が動きだす。

活元運動の誘導も、人間が気に感応するという働きを使って成立する。なぜ動き出すのか分からなくとも、また動かそうという格別の工夫をしなくとも、ひとりでに自然にしたがって体が動きだしてくる。そういう動きで体を整え、丈夫を保つの が活元運動なのである。本書では、活元運動を誘導するための具体的な訓練法にも触れられている。

本書は一般の書店では入手しにくいようだが、全生社の以下のサイトで入手できる。また以下の本も活元運動を知るのに参考になる。

http://www.zensei.co.jp/haruchikabookpage/bookj.htm

わたしと整体法―活元運動のすすめ


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