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ガンビアという国(12)〜忘却の国から火薬庫へ

2016-12-26 12:30:40 | アフリカ情勢
今年もクリスマスがアフリカを通り過ぎていった。しかしその間も、カビラ大統領任期切れで荒れ模様がしばらく続くであろうコンゴ。混沌が継続し、クリスマス・イヴに新たな誘拐事件が発生したマリ。ナイジェリアによるボコハラム拠点への総攻撃・・・たくさんの心配事が続いていった。

そんな中でも、特に危惧されるのがガンビア問題だ。

(Jeune Afrique誌ウェブサイトより)



選挙結果を認めないヤヒヤ・ジャメ大統領は、引き続き大統領の地位にとどまることを主張。国際社会は選挙管理委員会が発表したアダマ・バロウの当選を支持する立場だ。

新大統領就任は新年、1月19日とされている。西アフリカ経済共同体(ECOWAS)は、ジャメ大統領が地位を譲らない場合には軍事的な介入も辞さない考えを示している。リベリアやギニアビサウ、コートジボワールなどでもECOWAS停戦監視グループ団(ECOMOG)が機能した経緯がある。現在、ECOWASはマリの治安問題、サヘルにおけるイスラム武装勢力、ボコハラムなどの問題を抱える中で、新たにガンビア問題への対応を迫られている。


気になる動向はガンビア軍。大統領選挙結果を受け、一旦はバロウ新大統領への忠誠を誓っている。今日現在、軍はいったいどっちを向いているのか?1月19日を境に軍のコマンドはバロウ新大統領に移行するのか?それとも先手を打ってジャメが強硬策に出るのか?


それからもう一つ気になるのが、対ジャメの急先鋒。この国をとり囲むように位置するセネガルだ。

ここまで平和を国是としてきたセネガル。地味ながら真っ当な政策を進めてきたことから、国際的にも信頼の高いマッキー・サル大統領。国連平和維持活動にも多くの貢献を果たし、現国連安全保障理事会の非常任理事国。

他方、かつて1981年には苦い思い出がある。セネガル軍は、タバスキ(犠牲祭)のその日にガンビアで発生したクーデターに介入。首都バンジュルは戦闘状態となり、一週間でセネガル兵150人を含む約1,000人の犠牲が発生した。

17日、マッキー・サル大統領は、フランス国際ラジオ放送(RFI)のインタビューで、「(かつて歴史上存在した)〈ゼネガンビア人〉として、ジャメ大統領が敗北を認めるべきだ」と忠告している。セネガルにとってあまりに直接利害のある国であるだけに、バンジュル問題への介入は、キナ臭い。


いずれにしても、最悪のシナリオを避けるためにも、地域と国際社会の調停、仲裁が極めて重要だ。一触即発のガンビア情勢、最大の山場は年明けに訪れる。

(つづく)

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