時折トークでもお話しするのだが、アフリカ人といって真っ先に思いつくのは?と聞くと、ステロタイプには草原、部族、スーパー視力いい・・・といったイメージがまずやってくる。
ンボテが思うアフリカのイメージはちょっと違う。たとえば、派手派手ギラギラ好き、携帯好き、そして大のIT大好き。食べるものに困っても女性はオシャレ、男性はITガジェットに走る。人によっては五つくらいの携帯を使い分け、地位を見せつける。
当時のうちの職場の運転手。安っぽい電子音をけたたましく鳴り響かす中国製の格安携帯を握りしめ、いつもつぶやくのだった。「俺もああなりたい。ケータイ5つ、もて遊びたい。30ユーロくらいクレジット入れて、思いっきり電話してみたい。」夢は大きい。
最近、アフリカからのミッションを日本で受け入れると、かなりの率でみんなが持ってるiPad。このメモ機能でノートを取り、カメラ機能で写真を撮る。日本人の方がむしろ疎いくらいだ。私はさりげなくiPad miniと、これにぴったりフィットするキーボードアクセサリーで対抗。「をを、こりゃすごい!最先端だ!(technologies très avancées!)」
(iPad miniとキーボードアクセサリー、loogicool製キーボード)
さて、アフリカ人が来日中楽しみにしている訪問地は、多くの場合、もはや浅草でも京都でもない。アキハバラ、そして家電量販店だ。私もこれまで何度となく、アフリカ人ご一行様に同行してきた。今日はそんなシーンから思い出される名場面をリミックスで。
彼らは憧れの日本にやってくると、アキハバラに行く日を指折り楽しみにしている。有り金をつぎ込んで、パソコンにデジカメ、IT機器、家電を買いためるためだ。「勝って錦を故郷に飾る」のではなく、「買って家電を故郷に備える」のだ笑。
夢にまで見た買い物、いざ出陣アキハバラ。買ってくるぞと勇ましく。しかしショッピングが始まってみるとなかなか思う通りにはいかない現実が待っている。
まずそのラインナップ。彼らの求めるのはどちらかというと価格。アフリカ人は型落ちモデルで良いので、激安で買いたいのだ。アキハバラには垂涎ものの激安落ち品がズラリ並んでいると期待が膨らんでいる。
ところが外国人観光客が溢れる日本の家電量販店とはいえ、最新のガラパゴス家電はそれなりの値段がする。デジカメに至ってはよくわからないすごい機能がついていて、それがゆえいい値段がする。機能が複雑すぎて、私も理解できない。だから正確に訳せない。そんな機能に何万セーファーも払うのか、それだけあれば子羊が買える、と詰め寄るアフリカ人。店員もアフリカ人の言っていることは理解の範囲をゆうに超える。
パソコンも購入意欲の高い製品だ。意外にもTOSHIBAやSonyといったモデルを探すアフリカ人が多いことに気づかされる。しかしここで問題。フランス語圏ではキー配列が、いわゆる世界スタンダードの'QWERTY'ではなく、フランス語式'AZERTY'なのだ。これは日本ではほとんど入手困難だ。以前、Macに関してはApple Storeでキーボード選択が可能で、時間さえ待てば、日本語、英語の他、フランス語に変えてもらうことが可能だった。
(写真: ンボテのiBookもAZERTYになっている。)
しかし現行モデルからはこの交換ができなくなってしまった。それにそもそもMacなら日本で買う必要はないし、アフリカでのメンテ性はなかなか厳しい。ンボテもトラブル時の対応に苦労し、アフリカ駐在中は一時Windows系に浮気を余儀なくされた。
また私のお客さん、基本は仏語圏。買い物言語も場合によってはなかなか厳しい。中には英語ができるものもいるが、ほとんどが交渉レベルではない。
そんな時に役に立つのが仏語圏出身の販売員さんのいるお店だ。最近確認していない情報で恐縮であるが、ンボテはアキハバラのラ⚫︎ックスにいるセネガル人、そして新宿のヨ⚫︎バシカメラにいるフランス人のそれぞれ店員さんによくお世話になった。
仏語が使えるとあれば、アフリカ人、饒舌な交渉が。仲間の購入機器をまとめた胴元が出現。まとめて量販店との交渉に臨む。まるでキンシャサのグランマルシェか、セネガルのサンダカ市場で、ヒツジの肉を買うノリだ。
「テレビにデッキ、外付けブルーレイまで買うんだぞ、もっと安くできるだろ。」
「この日本語表示機能を外してくれてもいい。そしたらもっとまけられるだろう?」
しまいには、「この方をどなたと心得る?うちのDGA(Directeur Général Délégué:総裁)だぞ、大臣官房長だって知り合いだ。」すごむ随行者。だが残念ながらここではアフリカプロトコールは効かない。
店員「その分ポイント還元しますから」
アフリカ人「ポイント?それはなんだ?食べられるのか?」「いや、うまくなさそうじゃないか。」
店員「・・・」
ショッピング珍道中、文化の衝突笑。憧れのアキハバラで進む闘い。ンボテもあえて放置。しばしのカタストロフを楽しむ。笑
しかしそこは天然楽天系、仏族アフリカ人。テンションは最高潮。Tout est bien, qui finit bien. お気に入りを見つけては購入し、大満足なお買い物ツアーとなるのだ。
(おわり)
ンボテが思うアフリカのイメージはちょっと違う。たとえば、派手派手ギラギラ好き、携帯好き、そして大のIT大好き。食べるものに困っても女性はオシャレ、男性はITガジェットに走る。人によっては五つくらいの携帯を使い分け、地位を見せつける。
当時のうちの職場の運転手。安っぽい電子音をけたたましく鳴り響かす中国製の格安携帯を握りしめ、いつもつぶやくのだった。「俺もああなりたい。ケータイ5つ、もて遊びたい。30ユーロくらいクレジット入れて、思いっきり電話してみたい。」夢は大きい。
最近、アフリカからのミッションを日本で受け入れると、かなりの率でみんなが持ってるiPad。このメモ機能でノートを取り、カメラ機能で写真を撮る。日本人の方がむしろ疎いくらいだ。私はさりげなくiPad miniと、これにぴったりフィットするキーボードアクセサリーで対抗。「をを、こりゃすごい!最先端だ!(technologies très avancées!)」
(iPad miniとキーボードアクセサリー、loogicool製キーボード)
さて、アフリカ人が来日中楽しみにしている訪問地は、多くの場合、もはや浅草でも京都でもない。アキハバラ、そして家電量販店だ。私もこれまで何度となく、アフリカ人ご一行様に同行してきた。今日はそんなシーンから思い出される名場面をリミックスで。
彼らは憧れの日本にやってくると、アキハバラに行く日を指折り楽しみにしている。有り金をつぎ込んで、パソコンにデジカメ、IT機器、家電を買いためるためだ。「勝って錦を故郷に飾る」のではなく、「買って家電を故郷に備える」のだ笑。
夢にまで見た買い物、いざ出陣アキハバラ。買ってくるぞと勇ましく。しかしショッピングが始まってみるとなかなか思う通りにはいかない現実が待っている。
まずそのラインナップ。彼らの求めるのはどちらかというと価格。アフリカ人は型落ちモデルで良いので、激安で買いたいのだ。アキハバラには垂涎ものの激安落ち品がズラリ並んでいると期待が膨らんでいる。
ところが外国人観光客が溢れる日本の家電量販店とはいえ、最新のガラパゴス家電はそれなりの値段がする。デジカメに至ってはよくわからないすごい機能がついていて、それがゆえいい値段がする。機能が複雑すぎて、私も理解できない。だから正確に訳せない。そんな機能に何万セーファーも払うのか、それだけあれば子羊が買える、と詰め寄るアフリカ人。店員もアフリカ人の言っていることは理解の範囲をゆうに超える。
パソコンも購入意欲の高い製品だ。意外にもTOSHIBAやSonyといったモデルを探すアフリカ人が多いことに気づかされる。しかしここで問題。フランス語圏ではキー配列が、いわゆる世界スタンダードの'QWERTY'ではなく、フランス語式'AZERTY'なのだ。これは日本ではほとんど入手困難だ。以前、Macに関してはApple Storeでキーボード選択が可能で、時間さえ待てば、日本語、英語の他、フランス語に変えてもらうことが可能だった。
(写真: ンボテのiBookもAZERTYになっている。)
しかし現行モデルからはこの交換ができなくなってしまった。それにそもそもMacなら日本で買う必要はないし、アフリカでのメンテ性はなかなか厳しい。ンボテもトラブル時の対応に苦労し、アフリカ駐在中は一時Windows系に浮気を余儀なくされた。
また私のお客さん、基本は仏語圏。買い物言語も場合によってはなかなか厳しい。中には英語ができるものもいるが、ほとんどが交渉レベルではない。
そんな時に役に立つのが仏語圏出身の販売員さんのいるお店だ。最近確認していない情報で恐縮であるが、ンボテはアキハバラのラ⚫︎ックスにいるセネガル人、そして新宿のヨ⚫︎バシカメラにいるフランス人のそれぞれ店員さんによくお世話になった。
仏語が使えるとあれば、アフリカ人、饒舌な交渉が。仲間の購入機器をまとめた胴元が出現。まとめて量販店との交渉に臨む。まるでキンシャサのグランマルシェか、セネガルのサンダカ市場で、ヒツジの肉を買うノリだ。
「テレビにデッキ、外付けブルーレイまで買うんだぞ、もっと安くできるだろ。」
「この日本語表示機能を外してくれてもいい。そしたらもっとまけられるだろう?」
しまいには、「この方をどなたと心得る?うちのDGA(Directeur Général Délégué:総裁)だぞ、大臣官房長だって知り合いだ。」すごむ随行者。だが残念ながらここではアフリカプロトコールは効かない。
店員「その分ポイント還元しますから」
アフリカ人「ポイント?それはなんだ?食べられるのか?」「いや、うまくなさそうじゃないか。」
店員「・・・」
ショッピング珍道中、文化の衝突笑。憧れのアキハバラで進む闘い。ンボテもあえて放置。しばしのカタストロフを楽しむ。笑
しかしそこは天然楽天系、仏族アフリカ人。テンションは最高潮。Tout est bien, qui finit bien. お気に入りを見つけては購入し、大満足なお買い物ツアーとなるのだ。
(おわり)