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パルク・ドゥブルヴェ(Parc W)には行かないでください~西アフリカの動物事情(8)

2015-12-21 07:30:23 | 渡航・生活情報
今日、動物相があまり豊かではなくなってしまったサヘル地域。そんな中でも動物たちの楽園がある。そう、パルク・ドゥブルヴェ(Parc W)だ。この国立公園、ニジェール、ブルキナファソ、ベナンの3カ国の国境に位置する。母なる大河、ニジェール川がWの字のように蛇行するところが、ちょうど公園になっていることから、このような名前となったという。ンボテもかつてここを訪問し、旅日記に書き綴った。

(過去記事)
サファリ探検!パルク・ドゥブルヴェ(Parc W)~西アフリカの動物事情(7)

(パルクWで水遊びをする象の家族)


ところがそのパルクW、ブルキナファソ側のゾーンには「行かないでください」。お達しが、フランス大使館から仏人向け発出されてしまった。

(フランス外務省渡航情報のページ。地図上、一番東のレッドゾーンがバルクW)



16日、AFP通信は次のように伝えている。

在ブルキナファソフランス大使館は、自国民に対し、同国東部に位置するパルクWには訪問しないよう勧告を発出した。情報筋によれば、マリ系のジハーディストによる外国人誘拐のリスクがあるという。

ユネスコの世界遺産に指定されている三ヶ国の国境に位置する公園には毎年何千人もの訪問客がやってくる。なかでも12月から5月の間は、ブルキナファソでは狩猟の季節にあたる

「われわれは、マリ北部からのテロリストの脅威に関する情報を得た。パルクWで外国人誘拐の脅威がある。」フランス大使館のナディア・ファントン氏は言う。

情報当局筋に近い情報によれば、ジハーディストが公園内にアジトを築こうと画策しているという。

ブルキナファソはマリと600キロの国境を接しているが、こちらはすでに仏当局によりジハーディストの侵入リスクがあるレッドゾーン(退避勧告地域)が発出されている。



これまでイスラーム武装勢力の活動勢力がまだ浸透していなかったブルキナファソ。しかし今年の4月4日、マンガン鉱がある北部のタンバオでルーマニア人が誘拐され、アル・ムラビトゥーンが犯行声明を発出している。また10月9日、マリ国境に近いブルキナファソ領内の町でもでもジハーディストによるものと思われる襲撃で7名がなくなっている。

パルクWはニジェール川に沿って、マリ北東部のガオにつながるルートを持ち、またその経路上にはニジェールの首都ニアメが位置する。地政学的にジハーディストがここに拠点を設けるとすれば、治安当局にとって好ましくない状況となる。

「アフリカの動物事情シリーズ」としては、全然動物バナシじゃないやん、というツッコミをいただきそうだが、象やキリンにとっても迷惑な人間界の話。そして単に動物が見られなくなる、という以上の情報を示唆するニュースであった。

(おわり)

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